保険金詐欺が犯罪という認識が消費者に浸透していない! 「保険金不正請求に関する意識調査」

投稿日:

記事ポイント

  • 「業者からの教唆」「軽傷での休業補償」を許されないと考える回答が50%未満
  • 架空請求など詐欺該当行為の正答率がいずれも70%を下回り理解が不十分
  • 若年層ほどモラル意識・理解度が低い傾向が前回調査に続いて確認された

 

日本損害保険協会は、2026年2月に「保険金不正請求に関する意識調査」を実施しました。

全国の16歳〜69歳の男女2,535人を対象に、不正請求の許容度や理解度、損害保険の仕組みへの認識を調べたものです。

若年層を中心に、保険金請求に関するモラル意識と知識の両面で課題が浮かび上がりました。

 

「保険金不正請求に関する意識調査」

 

警察庁の後援を得て作成したポスター

 

  • 調査期間:2026年2月5日〜8日
  • 調査対象:全国の16歳〜69歳の男女
  • 有効回答数:2,535人(人口構成比率に合わせて回収)
  • 調査方法:インターネットリサーチ

 

日本損害保険協会は、損害保険の普及・啓発や消費者相談対応、不正請求対策などを担う業界団体です。

保険金不正請求に関する意識調査は今回が2回目で、前回は2025年4月に実施し同年6月に公表されました。

今回は不正請求の許容度・理解度、損害保険の理解度、防止策への意識、既存の啓発ポスターへの評価など、複数のテーマで一般消費者の実態を把握しています。

 

不正請求の「許容度」—50%が線引きできない行為

 

「保険金詐欺をするための保険加入」は約80%が「許されないと思う」と回答し、不許容度として最も高い割合を示しました。

一方、「業者からの教唆(ある事を起こすよう教えそそのかすこと)による保険金請求」と「軽傷での休業補償」については、「許されないと思う」と答えた割合がいずれも50%を下回りました。

誰かに勧められた場合や、けがの程度が軽い場合には不正と認識されにくい実態がこの数字に表れています。

若年層ほど「許されると思う」と回答する割合が高く、保険金請求に関するモラル意識の低さが若年層に集中する傾向は、前回2025年の調査と同様の結果となりました。

 

不正請求の「理解度」—詐欺行為の正答率が7割未満

 

保険金詐欺に該当する行為として「架空請求」「アフター・ロス契約」「関係者と結託した虚偽申告」「運転手のすり替え」が調査項目に含まれましたが、「詐欺に該当する」と正しく回答した割合は、いずれも70%を下回りました。

アフター・ロス契約とは、事故が発生した後に保険契約を締結し、事故前から契約していたかのように装う行為を指します。

「業者からの教唆による保険金請求」と「軽傷での休業補償」については正答率が50%を下回り、消費者自身が気づかないまま不正請求に加担するリスクが残っています。

全体的に若年層の正答率が低く、保険金請求に関する理解の不十分さが若年層に顕著な課題として示されました。

 

損害保険の「基本的な仕組み」への理解度

 

告知義務や通知義務に関する設問の正答率は70%を超え、比較的高い水準でした。

一方、「保険料は積立金であるか」「保険金は契約額の全額が受け取れるか」といった設問の正答率は50%に満たず、損害保険の仕組みそのものへの理解が十分に浸透していない状況です。

この分野でも若年層の正答率が全体的に低い傾向が、今回の調査で確認されています。

 

不正請求防止に向けて求められること

 

調査では「不正請求防止のために保険会社が取り組むべきこと」も尋ねられました。

「保険の仕組み・制度のわかりやすい周知」「補償内容と保険金の支払基準の分かりやすい周知」「不正請求にあたる内容の周知」が上位を占め、わかりやすい情報提供への需要の高さが浮かび上がります。

保険金を受け取った際の気持ちについては、「保険に入っていて良かったと思った」「手続きが迅速に進み、困っている時に助かった」「代理店が対応してくれたので楽だった」などポジティブな回答が上位に並んでいます。

一方で、保険金請求に関する当事者意識の低さなど、留意すべき傾向も一定程度確認されました。

 

啓発ポスターへの評価と今後の取組み

 

警察庁の後援を得て作成した既存の啓発ポスターについては、「目を引く」「抑止力になる」という評価が70%を超えており、一定の訴求力があることがうかがえます。

「保険金詐欺が犯罪に該当することを知って驚いたか」という設問では、「驚いた」との回答が「驚かない」を上回り、保険金詐欺が犯罪であるという認識が消費者に十分に浸透していないことが浮かび上がりました。

日本損害保険協会は今後、今回の調査結果を踏まえ、若年層等を対象にしたデジタル広告の展開に加え、啓発ポスターなどを活用したより分かりやすい啓発活動に取り組みます。

保険金不正請求ホットラインでは、インターネット受付(24時間365日)と電話受付(平日9:00〜17:00)で不正請求に関する情報を受け付けています。

 

「業者に勧められた」「けがが軽かった」という状況が不正行為の境界線を曖昧にし、当事者意識のないまま詐欺に加担するリスクがあることが、今回の調査で改めて数値として示されました。

保険の仕組みや不正請求の定義を正確に知ることが、意図しない犯罪への加担を防ぐ第一歩となります。

「保険金不正請求に関する意識調査」の紹介でした。

 

よくある質問

 

Q. 調査は何人を対象に実施されましたか?

 

A. 全国の16歳〜69歳の男女を対象に、有効回答2,535人から回答を収集しました。

人口構成比率に合わせて回収されており、調査期間は2026年2月5日〜8日です。

 

Q. 消費者が詐欺と認識しにくい不正請求行為はどれですか?

 

A. 「業者からの教唆による保険金請求」と「軽傷での休業補償」は正答率が50%を下回りました。

消費者が自覚のないまま不正請求に加担するリスクがある行為として、調査結果に表れています。

 

Q. 保険金詐欺が犯罪だと知って驚く消費者はどれくらいいますか?

 

A. 「保険金詐欺が犯罪に該当することを知って驚いたか」という設問に対し、「驚いた」との回答が「驚かない」を上回りました。

保険金詐欺が犯罪という認識が十分に浸透していない状況が示されています。

Copyright© Dtimes , 2026 All Rights Reserved.