記事ポイント
- 光ファイバーセンサーで、反射型計測方式として世界最高となる6mmの空間分解能を達成。
- これまで難しいとされてきた1cm未満、7mm区間の温度変化を分布として世界で初めて検出。
- 橋梁やトンネルの老朽化診断に加え、ロボットの形状センシングへの応用も期待されます。
橋やトンネルの小さな異変を、これまでよりもずっと細かく見つけられる新技術が誕生します。
芝浦工業大学と横浜国立大学の研究チームは、光ファイバーセンサーで6mm間隔の温度分布測定に成功し、インフラ診断の精度を大きく押し上げています。
芝浦工業大学・横浜国立大学「光ファイバーセンサー」

- 発表日: 2026年4月8日
- 達成した空間分解能: 6mm
- 検出に成功した温度変化区間: 7mm
- 掲載誌: Journal of Lightwave Technology
- DOI: 10.1109/JLT.2025.3640608
今回の研究で注目したいのは、わずか6mmごとの違いを見分けられることです。
1cmにも満たない7mm区間の温度変化を分布として捉えたことで、これまで見逃されやすかった微細な異常まで可視化できる可能性が広がります。
光ファイバーを構造物に沿って設置すれば、長い距離を一度に見守りながら、どこに変化が起きているのかを細かく追えるのがうれしいポイントです。
しかも反射型計測方式なので、光ファイバーの片端から光を入れるだけで動作し、設置の自由度が高い点も実用面で魅力です。
限界突破の仕組み

研究チームは、これまで実用が難しいと考えられていた高い変調周波数の条件で起こる信号の乱れを詳しく解析します。
その結果、乱れの正体が周期的な成分にあることを突き止め、信号処理でその成分だけを抑える新しい手法を確立します。
従来の限界を超えられた理由が明確になったことで、単なる記録更新にとどまらず、今後の高精度センシング技術の土台としても価値ある成果になっています。
広がる活用シーン
老朽化した橋梁やトンネルでは、小さなひずみや温度変化を早い段階で見つけられるかどうかが安全性を左右します。
ミリメートル単位で状態を追えるこの技術は、被災インフラの診断をより高精度かつ効率的に進める切り札として期待されています。
さらに、光導波路内部の状態監視や、構造物やロボットの形を読み取る形状センシングへの応用も見込まれています。
ロボットが周囲の変化を細やかに感じ取る“神経”のような役割を担う未来を想像すると、研究の広がりにわくわくさせられます。
芝浦工業大学と横浜国立大学による、光ファイバーセンサーの限界を押し広げた研究成果は、社会インフラからロボット技術まで幅広い分野に新しい可能性をもたらします。
6mmという具体的な数字が示すのは、研究室の中の記録ではなく、現場で役立つ精度が一歩現実に近づいたということです。
目に見えない小さな変化を確実に捉える技術は、これからの安全や安心を支える存在になりそうです。
芝浦工業大学と横浜国立大学の光ファイバーセンサー研究の紹介でした。
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よくある質問
Q. BOCDRとはどんな技術ですか?
A. BOCDRは、光ファイバーに沿った温度やひずみの分布を測る技術です。
片端から光を入れるだけで任意の位置を測定できるため、長い構造物の異常を効率よく調べられる点が特長です。
Q. 今回の研究ですごいのはどこですか?
A. 反射型計測方式として世界最高となる6mmの空間分解能を達成し、さらに7mm区間の温度変化を分布として検出した点です。
1cm未満の変化を捉えたのは世界初の成果です。
Q. 今後はどのような場面で活用されそうですか?
A. 老朽化した橋やトンネルの診断に加え、光導波路の監視やロボットの形状センシングへの応用が期待されています。
より細かな異常検知が求められる現場で特に力を発揮しそうです。