劣化牧野をILPで回復するデジタル基盤がJICA採択! グリーン「e-kakashi」

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記事ポイント

  • グリーン「e-kakashi」がJICAブラジル・セラード地域実証事業に採択
  • 衛星画像・気象データ・作業記録を統合し、圃場ごとの播種判断や生育管理を支援
  • MRVプラットフォームで低炭素農業向け融資の審査・報告を支援

 

グリーンは、農業IoTソリューション「e-kakashi」を活用したデジタル支援実証事業が、JICAの「ブラジル国セラード地域における劣化牧野回復及び持続的な農地転換プロジェクト推進のための情報収集・確認調査」に採択されたと発表しました。

劣化した牧野を農牧統合(ILP)で回復させながら、環境保全とブラジルの農業生産性の両立を目指す取り組みです。

 

グリーン「e-kakashi」

 

  • 採択プロジェクト:JICAブラジル国セラード地域における劣化牧野回復及び持続的な農地転換プロジェクト推進のための情報収集・確認調査
  • 対象地域:ブラジル・セラード地域
  • 発表日:2026年7月1日

「e-kakashi」は、衛星画像・気象メッシュデータ・生育シミュレーション・現場の作業記録を統合したハイブリッド型のデジタル支援基盤です。

今回の実証事業では、「e-kakashi」を中核として、劣化牧野の回復と持続可能な農地転換をデジタル技術で支援します。

 

ブラジル・セラード地域の農業課題

 

セラード地域はかつて農耕不適地とされていましたが、1970年代以降の「日伯セラード農業開発協力事業(PRODECER)」などの国家プロジェクトで世界最大級の食糧供給基地へと変貌し、世界から「セラードの奇跡」と称されました。

しかし現在、歴史的な開発の代償として生じた広大な牧野の劣化が、温室効果ガス排出の増大や新たな森林伐採を招く負の連鎖の起点となっています。

ブラジル政府は「劣化牧野を持続可能な農業生産と森林に転換する国家プログラム(PNCPD)」を推進しており、その中核として農地での作物栽培と家畜放牧を交互に行う農牧統合(ILP)が位置づけられています。

農家がILPで劣化牧野を回復させるには圃場ごとの適地評価(ゾーニング)が不可欠ですが、広大な地域ゆえに詳細な環境データが不足しているうえ、気候変動により最適な作期や放牧タイミングを見極める技術的なハードルも高い状況です。

 

「e-kakashi」が担うデジタル支援基盤

 

セラード地域支援実証事業の全体像

 

「e-kakashi」は衛星画像、気象メッシュデータ、生育シミュレーション、現場の作業記録を統合したハイブリッド型のデジタル支援基盤を構築します。

生産者向けには、圃場ごとの最適な播種判断や生育モニタリングを支える意思決定支援機能を提供し、収量と収益の安定化を実現します。

 

MRVプラットフォームで低炭素農業融資を支援

 

金融機関向けには、圃場ごとの生産性とリスクを可視化するスコアリング機能を提供します。

MRV(測定・報告・検証)プラットフォームにより、農家による環境配慮型の取り組みが温室効果ガス削減の効果を上げているかを客観的に証明し、低炭素農業向け融資の審査・報告を支援します。

このMRVプラットフォームが、ILPへの転換資金に必要なエビデンスを整備し、農家が低炭素農業向け融資にアクセスできる環境を作ります。

 

「e-kakashi」を中核としたデジタル支援基盤は、農家の播種判断や生育管理を圃場単位で精度高く支援し、劣化した土壌を農牧統合で回復しながら収益の安定化を実現します。

MRVプラットフォームにより農家が低炭素農業向け融資へアクセスしやすくなり、環境保全と生産性向上を同時に進められます。

グリーン「e-kakashi」の紹介でした。

 

よくある質問

 

Q. 農牧統合(ILP)とはどのような農業システムですか?

 

A. 作物の栽培と家畜の放牧を同じ土地で組み合わせる持続可能な農業システムです。雨季に大豆を栽培した後、乾季にはトウモロコシと牧草を混播して牛の放牧を行うなど、時期や場所を組み合わせることで、劣化した土壌を回復させながら環境負荷を抑えた農業生産ができます。

 

Q. MRVプラットフォームとは何ですか?

 

A. 温室効果ガスの排出量や削減量を測定(Measurement)・報告(Reporting)・検証(Verification)する仕組みです。農家による環境配慮型の取り組みの効果を客観的に証明し、低炭素農業向け融資などの審査・報告に必要なデータ基盤となります。

 

Q. JICAの採択プロジェクトの目的は何ですか?

 

A. ブラジルの劣化した牧野を持続可能な農地に回復させるため、日本企業が持つデジタル農業技術などを現地の圃場で試験し、効果の可視化を実証するプロジェクトです。日本企業の海外展開を支援しながら、ブラジルにおける持続可能な農業の実現に貢献します。

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