多孔配位高分子を廃ペットボトルを原料として合成!GSアライアンス「金属有機構造体」

投稿日:

GSアライアンスは、金属有機構造体を自社で合成しています。

 

GSアライアンス「金属有機構造体」

 

廃ペットボトルを原料とした金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)

GSアライアンスは、金属有機構造体を自社で合成。

MOFは金属カチオンとそれを架橋する多座配位子によって構成される物質で、構成される金属及び有機配位子を制御することで、細孔の形状、大きさや分子官能基を分子レベルで精密調整することができる超多孔性材料で、ノーベル賞候補の材料とも言われている最先端材料です。

従来の多孔性材料である活性炭、メソポーラスシリカなどは細孔構造、比表面積の精密制御は困難でしたが、MOFは分子設計に配位結合を精密に取り入れることができるため、細孔構造、比表面積、形態などをナノメートルレベルよりも小さいレベルにおいても設計でき、非常に複雑な構造体の構築や高次機能の発現が可能となり、これまでの多孔性材料よりも軽量で、高い比表面積(数千m2/g以上)を有しています。

MOFの応用例としては、ガス吸着、ガス貯蔵、水処理、センサー、医療用途など多岐にわたりますが、GSアライアンスにおいてもリチウムイオン電池、各種二次電池、燃料電池の電極材料、そして光触媒、色素吸着、金属吸着、固体酸触媒、CO2から化学物質やエネルギーを合成する人工光合成などへの応用を含めた研究開発を行っています。

しかしながら、MOFは現時点では合成に手間がかかり、結果としてコストが高くなってしまう大きな弱点があります。

また、原料である金属塩や特に有機配位子(有機リガンド)が高価になる傾向があります。

今回、同社の森 良平 博士と楫野 哲郎研究員は、廃ペットボトルを原料として、化学反応によりテレフタル酸を合成し、そのテレフタル酸と金属塩を用いてMOFを合成することに2024年11月末に成功しました。

また、MOFの合成も比較的量産しやすい固相法を用いているので、製造工程を含め、安価なMOFが製造できることになりました。

これにより、廃ペットボトルを原料として、テレフタル酸を有機配位子とする、各種の非常に安価なMOFを製造できることになります。

リサイクル材料を原料とする、持続可能型のMOFということもできます。

Copyright© Dtimes , 2024 All Rights Reserved.