日本損害保険協会では、本年9月に「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」を設置し、損害保険代理店の業務品質を中立的な第三者が公正かつ適正に評価できる仕組みの構築に向けて検討を進めています。
日本損害保険協会「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」
日本損害保険協会では、本年9月に「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」を設置し、損害保険代理店の業務品質を中立的な第三者が公正かつ適正に評価できる仕組みの構築に向けて検討を進めています。
今回、第三者検討会において、第三者による代理店業務品質評価に関する制度概要を整理するとともに、その運営の手引きとなる「代理店業務品質に関する評価指針(損害保険代理店向け)」(以下「評価指針」)案等を以下のとおり取りまとめましたので発表しました。
また、本日から2025年1月20日(月)17時まで、意見公募を行います。
●策定の背景
保険金不正請求事案の発生等を通じて、保険代理店に対する損害保険会社による教育・管理・指導(以下「指導等」)が実質的に機能しておらず、顧客本位の業務運営が実現できていなかったことが判明しました。
このような状況のもと、本年6月25日に金融庁ホームページに公表された「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書では、代理店指導等は損害保険会社の責務である一方、特に大規模な保険代理店にあっては、その影響力の大きさから適切な指導等が行われないおそれがあるとして、損害保険会社による保険代理店に対する指導等を補完する枠組みとして、代理店業務品質の「第三者評価」の創設(すべての保険代理店への指導等に活用できる評価基準の策定を含む。)が提言されました。
このため、同協会内に大学教授、弁護士及び消費者団体を構成メンバーとする第三者検討会(※)を設置のうえ、9月から12月にかけて計4回の会合を開催し、今回評価指針案を取りまとめたものです。
※代理店業務品質評価に関する第三者検討会: https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/index.html
1. 評価指針案等の概要
評価指針は、第三者による代理店業務品質評価の制度運営に関する手引きとして策定するもので、その内容は主に次の2点で構成しています。
(1) 業界共通の評価基準の策定
・顧客本位の業務運営の徹底の観点で、これまで以上に業務品質を重視した顧客目線での代理店評価を実施するもの。
・保険業法などの関係法令に基づき遵守すべき事項のほか、保険金不正請求事案の発生等を踏まえ、便宜供与の適正化や利益相反管理などを評価項目に追加。
(2) 中立的な第三者による代理店業務品質評価
・上記(1)の評価基準に沿って、損害保険会社の代理店指導等を補完する仕組みとして、当事者と利害関係のない中立的な第三者が評価するもの。
・大規模な代理店等を対象に、損害保険会社による代理店指導等に加えて、第三者が代理店業務品質を点検・評価するほか、適宜、情報公開や監督当局との情報連携を行う。
なお、この制度における業務品質評価は、代理店において最低限必要な業務品質が確保されているかどうかを確認・検証するものとし、また、具体的な制度運営は、同協会内に新たに設置する「代理店業務品質評議会」(外部有識者を中心に委員構成)が担うこととします。
〇制度の運用開始時期
下記の本意見公募終了後、2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日)はトライアル運用を実施して所要の見直し検討を実施したうえで、2026年度から本格運用を開始する予定です。
2. 意見公募の概要
評価指針案等について意見は、2025年1月20日(月)17時00分(必着)までに、以下の項目を付記の上、受付専用メールアドレス( [email protected] )へメールにてご連絡ください。
なお、意見に対しての個別の回答はいたしませんので、 あらかじめご了承ください。
・氏名(法人その他の団体にあっては名称と氏名)
・職業(法人その他の団体にあっては業種)
・連絡先(住所、電話番号または電子メールアドレス)
・意見および理由
<個人情報の取扱いについて>
・氏名、電話番号等の意見に付記された個人情報は、意見の内容に不明な点があった場合に連絡・確認をさせていただく場合や、意見がどのような立場からのものかを確認する場合に利用します。
・いただいた意見については当検討会の参加者に共有させていただきます。
ただし、意見の内容に個人に関する情報であって特定の個人が識別され得る記述がある場合、または法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を侵害するおそれのある記述がある場合、当該箇所を伏せさせていただくことがあります。