複数チャットボットの協調動作による回答精度を向上する技術に関する特許を取得!豆蔵『MZbot』

投稿日:

豆蔵は、自社開発した対話型AIエンジン『MZbot』において、複数の自動応答システム(チャットボット)が相互に連携して協調動作することで回答精度を大幅に向上する技術に関する特許を取得したことを発表しました。

 

豆蔵『MZbot』複数チャットボットの協調動作による回答精度を向上する技術に関する特許を取得

 

■特許登録情報

発行国  : 日本国特許庁(JP)

特許番号 : 特許第7482481号

発明の名称: 通信システム、通信方法および通信プログラム

特許権者 : 株式会社豆蔵

特許登録日: 2024年5月2日

J-PlatPat :
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-019441/11/ja

 

 

■特許取得の背景

近年、AI技術を活用したチャットボットが数多く製品化されていますが、その中にはAIの学習量増加によるハードウェアリソースの枯渇や過学習による回答品質の低下といった技術的な課題が存在します。

さらに、導入コストの問題や、部門ごとに取り扱う業務領域が異なるため、同一企業内で異なるメーカーのチャットボット製品・サービスが採用されるケースも増えています。

また、昨今の生成AI技術のような新しい技術の登場により、利用者が担当業務の目的や用途に応じて、専門知識を持ったチャットボットを使い分ける必要性が、今後もさらに高まってくることが予想されます。

本特許はこのようなチャットボットにおける様々な課題を解消するために発明された技術方式となっています。

 

 

■特許概要 (※注1)

本特許技術は、複数のチャットボットに会社組織と同じような階層構造を持たせ、ユーザが求めている問い合わせに対してチャットボット同士がネットワークを介して相互に連携して協調動作(P2P動作)することで、高い精度で回答させる技術となります。

(図1)

 

図1. 全体イメージ

 

また、回答方式は、上位階層のチャットボットが下位階層のチャットボットからの回答を集約して利用者へ返す「集約型」と、上位階層のチャットボットが回答を持ったチャットボットを利用者へ案内する「紹介型」の2種類となっています。

(図2、図3)

 

図2. 「集約型」の回答処理イメージ

 

図3. 「紹介型」の回答処理イメージ

 

また、上記の回答方式を実現するために以下のような機能および機構も備えることを想定としています。

 

●階層全体でユーザの質問に対する回答となり得る件数がどれだけあるか把握し、利用者が適切な回答を持つチャットボットを選択するための回答候補件数表示

●上位階層のチャットボットから、下位階層のチャットボットへの質問を回答するか否かの権限を制御するアクセス管理

●チャットボット間で語彙を共有する語彙データ(用語辞書)共有

●チャットボットがクラウド環境とオンプレミス環境に混在することを想定した非同期通信

●チャットボットがPCのような常時稼働を想定していない機器上での稼働を想定した稼働状況管理

●同じチャットボットが重複して回答(循環回答)することを防止するための経路制御

 

※注1:本概要説明は特許出願文を可能な限りわかりやすく説明するために要約した内容となっており、出願内容の全内容を網羅し、解釈を完全に保証するものではございません。

より精緻な情報の確認が必要となる場合は、先述の特許情報システム(J-PlatPat)のリンク先にある公開文献をご参照下さい。

 

 

■特許技術によって得られる効果

本特許技術により、利用者は利用用途に応じてチャットボットを使い分ける手間が削減され、高い精度の回答に対して迅速にたどり着くことが可能となります。

また、独立した個性や知識を持つ人工知能(AI)型チャットボットを異なる組織や、異なる担当者が運用管理し、育てていくことが可能となります。

さらに、人工知能(AI)の膨大な計算処理の負荷分散にも貢献するため、企業内のハードウェアリソース(サーバ機器、パソコン等)を最大限に有効活用することが可能となります。

 

 

■今後の計画

本特許技術に基づくアルゴリズムは、既に対話型AIエンジン『MZbot』のリリース済み機能において実装及び実用化されており、導入企業において既に効果が認められています。

 

・2020年9月にリリースした「MZbot相互連携機能」

https://www.mamezou.com/news/press-release/20200825

・2023年8月にリリースした「ChatGPT対応機能」

https://www.mamezou.com/news/press-release/20230803

 

現在の連携対象はMZbot同士の相互連携のみに限定されていますが、今後は、「ChatGPT」「Vertex AI(Gemini)」「Amazon Bedrock」等をはじめとした様々な生成AIへと連携対象の範囲を段階的に広げていくことにより、さらに便利に、さらに高精度で回答できるシステムとして提供させていただく予定となっていますので是非ご期待ください。

また、今後も対話型AIエンジン『MZbot』の製品開発の中で得られた新規性が認められる技術については、随時特許出願を進めていく予定です。

 

■商標・特許について

●MZbotは株式会社豆蔵が日本においての登録商標です。

●その他記載されているサービス名、製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

Copyright© Dtimes , 2024 All Rights Reserved.