日本能率協会総合研究所は、60~90歳の高齢者男女を対象に「お金」をテーマとした自主企画調査を実施しました。
加齢とともに変化するお金の使用実態や消費意識等を幅広く捉えることができます。
今回は調査結果の一部を抜粋して紹介していきます。
日本能率協会総合研究所『高齢者“お金”調査2023年』
調査概要
調査名 : 高齢者6090レポートシリーズ『高齢者“お金”調査2023年』
調査期間: 2023年9月22日(金)~2023年10月6日(金)
調査対象: 日本能率協会総合研究所が保有する「高齢者6090リサーチモニター」
(全国に居住する60歳から90歳までの男女)
調査方法: 郵送調査
回答者数: 2,500名、性別・年齢・エリアに基づき母集団人口構成比に準拠して回収
今回、性年代別の結果を一部紹介します。
● 高齢者の半数近くが「推し活」を認知。女性60代前半は、8割強が内容もよく理解
● 1ヶ月あたりの消費金額1位は「食品」、2位は男性が「趣味・レジャー」・女性は「美容」
● 「趣味・レジャー」は男性60代前半、「美容」は女性60代前半の平均額が最も高い
● 女性の消費金額2位の「美容」、商品選び意識は70代の半数以上が高品質志向
● お金についての価値観「お金は、自分(と配偶者)に使いたい」が、全体で7割弱
【調査結果1】高齢者の半数近くが「推し活」を認知。
Q. あなたは、「推し活(おしかつ)」という言葉を知っていますか。(単一回答)
女性60代前半は、8割強が内容もよく理解。
「推し活(おしかつ)」は、60~90歳の高齢者の半数近くが認知していた。
女性60代前半が最も認知が高く、1割強が「知っているし、自分自身「推し活」をしている」、7割が「知っているし内容をよく理解しているが、「推し活」はしていない」と、あわせて8割強が内容も含めしっかりと認知している。
男性と比べて、女性の方が推し活の認知は高く、また男女ともに年齢が上がるにつれ認知は低下する。
【調査結果2】1ヶ月あたりの消費金額1位は「食品」、2位は男性が「趣味・レジャー」・女性は「美容」
Q. 商品の購入やサービスの利用について、あなたは自分のために1ヶ月あたりにどのくらいお金を使っていますか。(単一回答)
※あなた個人が使っている1人分の1ヶ月の平均金額を教えてください。
自分のために1ヶ月あたりどのくらいのお金を使っているか(消費金額)をジャンル別に確認したところ、男女ともに最も金額が高いジャンルは「食品」だった。
2位以降は男女で大きく異なり、男性は2位が「趣味・レジャー」で平均6,007円、女性は「美容」で平均6,070円であった。
以降、男性は3位「外食」、4位「交際費」、5位「アルコール類」と続き、女性は3位「衣類・ファッション小物」、4位「外食」、5位「交際費」と続く。
【調査結果3】「趣味・レジャー」は男性60代前半、「美容」は女性60代前半の平均額が最も高い
Q. 商品の購入やサービスの利用について、あなたは自分のために1ヶ月あたりにどのくらいお金を使っていますか。(単一回答)
※あなた個人が使っている1人分の1ヶ月の平均金額を教えてください。
※1.0%未満のデータラベルは表示を割愛
男性2位の「趣味・レジャー(※旅行を除く)」は、男性60代前半の平均額が最も高く「7,212円」。
男性60代前半は、「3千円~5千円未満/月」が2割強でボリュームゾーンとなる。
女性と比べると、加齢に伴う支出減少が小さい。
女性2位の「美容(美容院・化粧品等)」は、女性60代前半の平均額が最も高く「7,155円」。
女性60代前半は「5千円~1万円未満/月」が3割弱でボリュームゾーンとなる。
1ヶ月の消費金額の平均を男女で比較すると、いずれの年齢層でも女性が男性の2倍以上高い。
【調査結果4】女性の消費金額2位の「美容」、商品選び意識は70代の半数以上が高品質志向
Q. 商品・サービスにお金を使う際、あなたはどのような気持ちで商品選びをしていますか。
A・Bの気持ちをご確認いただき、どちらに近いかお答えください。(単一回答)
1ヶ月あたりの消費金額で女性2位だった「美容」に関連して、男女別に「美容(化粧品・髭剃り・シェービング剤等)」の商品選び意識をみると、男性は「B:品質に問題がない範囲で、できるだけ安いものを買いたい」が、「A:お金がかかったとしても高品質の商品を買いたい」を大きく上回っているが、女性は「A:お金がかかったとしても高品質の商品を買いたい」がBの意識を上回る年齢層が多く、もしくは同程度だった。
特に女性70代前半は、「Aに近い」が1割強で、A寄りの考えが強い傾向。
なお、女性は80代後半になると「ほぼ買わない」が2割強。
【調査結果5】お金についての価値観「お金は、自分(と配偶者)に使いたい」が、全体で7割弱
Q. お金に関するAとBの考え方について、あなたのお気持ちに近いところをそれぞれお答えください。(単一回答)
全体でみると、「A:自分(と配偶者)にお金を使いたい」が67.3%、「B:子供や孫にお金を使いたい」は32.6%で、AがBを大きく上回る。
特に60代は、男女ともに「A:自分(と配偶者)にお金を使いたい」が7割を超えて高く、男性は8割近くが自分(と配偶者)にお金を使いたいと考えている。
なお、女性と比べると男性の方がAの考えが高く、男性は60代~80代前半までAの割合が7割を超える。
女性は80代前半で、自分たちよりも子供や孫へお金を使いたいという意識が高まる。