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ラグビーワールドカップ2023フランス大会の注目ポイントや勝敗予想!WASABIZ ラグビージャーナリスト「村上晃一インタビュー」

投稿日:2023年8月29日 更新日:

世界中のあらゆる競技のスポーツベッティングを手掛ける「PINNACLE(ピナクル)」のプロモーションを行う「WASABIZ」

そんな「WASABIZ」が、ラグビーワールドカップ2023フランス大会を目前に、ラグビージャーナリスト・村上晃一氏にインタビューを実施。

今回は、そのインタビューの様子を紹介していきます。

 

WASABIZ ラグビージャーナリスト「村上晃一インタビュー」

 

 

世界中のあらゆる競技のスポーツベッティングを手掛ける「PINNACLE(ピナクル)」のプロモーションを行う「WASABIZ」

「WASABIZ」は、ラグビーワールドカップ2023フランス大会を目前に、ラグビージャーナリスト・村上晃一氏へのインタビューを公開しました。

ラグビージャーナリストの村上晃一さんに「日本代表の勝敗予想、日本代表の注目選手、日本代表チームの強み、日本代表がプールDで対戦するチリ、イングランド、サモア、アルゼンチンチームの分析」などを質問。

盛りだくさんの内容のインタビューになっています。

 

ラグビージャーナリスト・村上晃一

 

京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。10歳からラグビーを始めて、現役時代のポジションは、CTB/FB。

86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。

87年4月ベースボール・マガジン社に入社し、ラグビーマガジン編集部に勤務。

90年6月より97年2月まで編集長を務めた。

現在は、J SPORTSでラグビー解説を務める傍ら、フリーランスの編集者、記者として活動している。

 

聞き手:フリーアナウンサー・有働文子

 

大学卒業後、JCOMに正社員として入社。

バラエティ番組のアシスタントから、情報コーナーのキャスター・イベント司会等の経験を積む。

退職後は、茨城放送の「スクーピーレポート」のレポーターとして、県内各地からの中継レポートを担当。

その傍ら、お昼の情報番組「ハッピー・パンチ」では、アシスタントMCを務める。

フリー転身後は、関東を中心に、テレビ・ラジオの仕事を幅広く担当。

また、大学時代にラグビー部のマネージャーをしていたことから、2010年よりラグビーイベントMCや執筆活動も積極的に行っている。

ラグビーワールドカップ2019日本大会では、各地PVのMCや試合後のインタビューを担当。

調布FM「ラグビーカフェオンレディオ」インタビュアー。

 

代表戦振り返り~プランの遂行力は強みだが、ディフェンス面に課題~

 

 

有働:「ラグビーワールドカップも目前に迫ってきましたが、今の日本代表チームの強みって、村上さんは、どんなふうに捉えていますか。」

村上:「ここ数年の日本代表って、戦術のプランがすごく読みにくいっていうか、毎試合プランを変えて戦う。その(意図している)プランをしっかり遂行していく選手が多いっていうのが、基本的に強みだなと思います。あとは、体が小さいけど、スクラムが安定している。8人でしっかりまとまって組めているってこと。ラインアウトは、ここまでの試合を見ていると、相手に凄くプレッシャーをかけているなっていうところは、いいところですよね。」

有働:「今はまだ、ここまでの試合では勝利という結果が伴ってないっていう段階ですけども、いろいろ試しているんでしょうか。」

村上:「試しているし、プランの中でミスが起こっているので、これからコンビネーションがあってくれば、そこは改善されるところですね。あとは、ディフェンス。組織ディフェンスは、非常に今うまくいってないので、それをどこまで改善するかですね。それがうまくいけば、勝ち星は出てくると思うんだけど、ディフェンスが改善されないと、なかなか勝てないと思います。」

有働:「ここまでの試合を振り返っても、結構ディフェンスは改善点かなと思うのですが、どう見ていますか。」

村上:「結局、今の日本代表のディフェンスでは、内側(グランドの真ん中)を厚くして、外側はある程度抜かれてしょうがないっていうディフェンスなので、その外側を割と大きくきられて、そのまま抜かれているのと、外側をあけているのに、その手前で抜かれているんですよね。オールブラックスとの試合は、その手前で抜かれていたんで、そこはやっぱりディフェンスのディフェンダー同士の横の連携がうまく取れてないっていうのが多かったと思うので、そこを今後改善しないといけないかなと思います。」

有働:「その横の連携っていうのは、声かけとか、コミュ二ケーション的な部分でしょうか。」

村上:「多分、元々のディフェンスシステムの理解が選手によって違っているから、ここまで追いかけてきたら、外側の選手が詰めるとか、結局お互いに2人の間隔が空いたままずっとずれていて、その間を抜かれているみたいな感じですよね。どっちが先に出たら、どっちか詰めるのか、そこを狭めるのかっていう連携ですね。最初から抜かれそうだったら、全部詰めていくみたいにするか、多分それがまだバラバラな感じなのかなって思います。我慢して、外側抜かれてもいいようにスライドして、そのままスライドの間を抜かれているんで。それをもう1回、意識の共有みたいなのをしないといけないのかなと思いますね。」

有働:「アタック面では、トライが取れないっていう状況が起きていると思うのですが、その辺りはどう見ていますか。」

村上:「そこは、湿度の高い状況で、ボールも滑りやすい中で、速いテンポでボールを動かそうとしすぎて、速いテンポでパスを多くしようとしすぎていて、ミスが起こってると思います。やっぱり、これだけ(ボールが)滑るんだったら、もうちょっとパスを少なくするとか、あんまり戦略的なキックもそんなに使ってないので、(プランとしては、そういうものも)あると思うんだけど、今は多分決められたプランをやろうとしている段階だと思います。だからミスが起こっても、それやり続けている。これが、ワールドカップになったら、状況に応じて変えてくると思います。今は、まだ(プランを)作っている段階でミスが起こって、でも臨機応変に変えずに、ずっとやり続けているからミスが多いのだと思います。ハンドリングエラーが多いのは、パスもタイミングが合ってないことが多くて、つまりボールの出所があんまり共有されていない。だから、(明日の)トンガ戦で、松田―長田―ライリーの3人が並んだら、全部ワイルドナイツのメンバーだから、そういう(パスでの)ミスがなくなると思います。個々の選手のキャッチするタイミングが合ってないとか、そういうミスも多いので。」

有働:「今後の試合で、またそのコミュニケーション部分が良くなってくれば、トライを取れるかもしれないってことですね。」

村上:「そうですね。あとフランスは、こんな日本みたいに湿度も高くないし、汗もかかずにフランスでは、プレーができるので、そこは劇的に改善されると思います。今の状況の方が、まだつらいというか難しい環境の中でパスを繋ごうとしているから、そこは劇的に改善される気がします。今は我慢のときかなと思います。」

 

チリ代表・イングランド代表戦での注目ポイント

 

 

有働:「そしてワールドカップでは、初戦がチリ代表ということですが、チリ代表は初めてワールドカップの舞台を踏むっていうチームですね。そういうチームって、やはりプレッシャーみたいなものは、あるんでしょうか。」

村上:「うーん。おそらく南米のチーム、アルゼンチン代表やウルグアイ代表などは、情熱的に力を出し切るタイプのチームだと思います。初めてだから、思い切ってやるって感じじゃないかなと思います。初めてのチームは、普通は緊張するけれども、失うもの何もなくて、(楽しんで)やれるんじゃないかなって。2019年の日本みたいに、初めてのホームでの大会で、初戦は勝たなきゃいけないって固くなっているようなことは、チリ代表にはないんじゃないかなと。だから、逆にちょっと嫌な相手かもしれません。でも、負けないと思います。」

有働:「チリ代表について、その他の情報は、入ってきていますか。」

村上:「スクラムも強いって話ですね。プレースキッカーもいいキッカーがいます。だから、2019年のロシアとの初戦みたいに、相手がバンバンと蹴ってきて、ワーッて走り込んで来たら、スクラムが押せないとなって、苦しむかもしれないです。」

有働:「チリ代表での注目選手は、いかがでしょうか。」

村上:「キックを多用してくると言う意味でも、FBのロドリゴ・フェルナンデス選手。間違いなく、キーマンです。」

有働:「そして2戦目は、イングランド戦になります。代表監督もエディー・ジョーンズHCから変わりましたけども、どんな風に見ていますか。」

村上:「多分、日本にはスクラム、ラインアウトで、グイグイとプレッシャーをかけてくると思います。去年のイングランド戦の時に、スクラムで最初に反則を取られて、リズムが崩れたので、スクラムが結構ポイントだと思います。スクラムで反則を取られなければ、結構やれるはずで、いい勝負できるはずです。」

有働:「スクラム部分がポイントということですけど、去年のイングランド戦での課題っていうのが、その辺りでしょうか。」

村上:「去年がスクラムで崩れたので、それがなければ、もっと接戦でできたと思います。」

有働:「イングランド代表のキープレーヤーは、いらっしゃいますか。」

村上:「SO/CTBのオーウェン・ファレル選手。多分、マーカス・スミス選手とオーウェン・ファレル選手が10番と12番かなと思うんですけど、そこがやっぱりキーマンですね。」

有働:「イングランド代表は、代表監督が変わって、チームの雰囲気が変わったとかは、ありますか。」

村上:「現実的に、おそらくエディ・ジョーンズ監督から変わって、雰囲気が良くなってるはずですね(笑)。スティーブ・ボーズウィック監督は、元イングランド代表ですごい人格者。ここまで、凄くいい雰囲気で来ているけど、やっぱり一旦ちょっと(チームが)崩れているので、そんな急にぐっと上がってこないとは思います。だから、オーソドックスに勝負してくると思います。これまでイングランドは、大転換とか難しいとは思うので、オーソドックスにイングランドの強みであるスクラム、ラインアウトからのモールで、あとキックでどんどんハイパントとか、どんどん攻めてくると思います。身長も190センチ以上の大きなウイングが多いので、それでどんどん走り込んでくるみたいな、オーソドックスに相手を力でねじ伏せるみたいなラグビーをしてくると思います。日本は、自分たちがボールを持っている時に、ミスをしないで、攻め切れるかどうかがキーポイントですね。」

 

サモア代表・アルゼンチン代表戦の注目ポイント

 

有働:「さて、3戦目は、フィジカルが強いサモア代表との試合ですが、注目ポイントはいかがでしょうか。」

村上:「本番は、7月22日(土)の札幌でやった試合のメンバーよりも、絶対に強いメンバーですね。あの試合は、出ていないメンバーも結構いました。だから、あのフィジカルに更にスキルフルなバックスがいると思った方がいいです。」

有働:「サモア代表も、だいぶ4年前よりは、強くなっていますよね。」

村上:「そうですね。サモア代表が前に出てくるので、キックでうまく後ろに下げるとか、戦略をうまく使いながら、極力コンタクトを少なくして戦わないといけないですね。元オールブラックスの選手が入っていても、オールブラックスではないので。十分勝つチャンスはあると思います。ただ、やっぱりキックミスとか、割とスペースがあるところに蹴っちゃって、カウンターとかされてしまったら、この試合も危ないというか、負けることもあるかもしれないです。」

有働:「サモア代表のキープレーヤーは、いかがでしょうか。」

村上:「SO/FBで、リマ・ソポアンガ選手。現在のキャプテンで、PRのマイケル・アラアラトア選手。全然、日本の試合には来てないですね。」

有働:「では、この間の試合では、まだ読めないですかね。」

村上:「ただ、やはりトンガと一緒で、フィジカルに真っ直ぐガンガン来るタイプだから、それを我慢して止めて、自分たちのアタックがうまくいけば、2大会で勝ってるみたいにいけるので、自分達のアタックの精度を高められれば、大丈夫です。」

有働「最終戦は、アルゼンチン代表との試合です。アルゼンチン代表はニュージーランド代表に勝利したりしていますが、どう見ていますか。」

村上:「めちゃくちゃ強いですよね。アルゼンチン代表は、元々強力なスクラムと低いタックル、みんな低いタックルして、相手にプレッシャーかけていくみたいなところが強みで、16年前はベスト4になっています。今は、もっとバランスが取れているので、もう本当にニュージーランドとかオーストラリアとか、そんなに変わらないぐらいのスキルを持っているし、FWも体が凄く大きい。スクラムがかつてほど、強くないぐらいですね。でもそれは、多分(ワールドカップまでで)修正してくると思います。スクラムを修正してくると、ラインアウトも身長があるので、パブロ・マテーラ選手みたいな突破力のある選手もいるし、BKもフランスのチームで活躍している選手が沢山いるんですよね。大半の選手がフランスのチームでプレーしているのが大きいですね。ほぼホームの試合だから。地の利があるし、気候とかもよく分かっているので、それが一番大きいかなと思います。」

有働:「アルゼンチン代表の注目選手を教えてください。」

村上:「FLのパブロ・マテーラ選手と現在キャプテンを務めるHOのフリアン・モントージャ選手。また、SOのサンティアゴ・カレラス選手、WTB・FBのエミリアノ・ボフェッリ選手も注目です。ボフェッリ選手は、ロングキックが特徴で、プレースキッカーでもあります。日本が付け入る隙があるとしたら、やや熱くなるタイプのチームなので、ちょっと熱くなって反則が出るとか、後半にミスが出て、ちょっと勢い余って反則して、相手にカードが出るとか、そういう展開はあるかもしれないですね。」

 

「ラグビーワールドカップ フランス大会」日本代表の勝敗予想は?

 

有働:「村上さんが考える、ワールドカップでの日本代表の勝敗予想は、いかがでしょうか。」

村上:「普通に考えたら、今回は2勝2敗。チリ代表とサモア代表に勝って、イングランド代表とアルゼンチン代表は難しいかな。今回は、ちょっと準備の時間とか、仕上がり具合がもう2015年や2019年と全然違うんで、2勝2敗で3位が順当だと思います。本当に、プランがはまりにはまったら、勝つとは思うんだけど、それは本当にはまらないといけない。そんな毎回毎回うまくは行かないとは、思いますね。」

有働:「ワールドカップでも、キックは鍵になると思いますが、(日本代表の)現在のキックの精度は、どうでしょうか。」

村上:「対応してきていると思うんですけど。キックは、(ここまで)あんまり出していないですよね。だから、もっともっと蹴ってみてもいいですよね。ただ、今アタックを磨きたいから、あえて蹴ってないんですよね。エディー・ジョーンズ監督の時も、ずっとパスしてたけど、ワールドカップになった瞬間に蹴るみたいな。多分そういう変化をつける練習はしていると思います。」

有働:「さて、日本代表の注目選手は、いかがでしょうか。」

村上:「フォワードでは、LOのワーナー・ディアンズ選手。LO・NO8のアマト・ファカタヴァ選手も、ここに来て凄くいいですよね。LOのベン・ガンター選手も活躍すると思います。バックスは、多分SOは、松田力也選手が軸でいくと思います。あとは、FBの松島幸太朗選手とか、間違いないくやってくれるだろうという選手はいますよね。2019年にいなかった選手では、CTBのディラン・ライリー選手や長田智希選手も注目ですね。」

有働「村上さんは、何度かフランスは、行かれていますよね。最後に、フランス観光のおすすめポイントがあれば、教えてください。」

村上:「16年前には、丸々2ヶ月間行っていたり、2017年の日本代表ツアー(フランス代表に引き分けた試合)にも行っていました。もっと前では、99年のワールドカップフランス大会にも行ったので、もう何度も行っていますね。ご飯は、どこでも美味しいので、もう生ハムとパンで十分です。ワインが安いのと、もし時間があったら、南仏のマントンっていう街に、ウィリアムエリス少年のお墓があるから、そこにお参りするっていうのは、いいかもしれないですね。

有働:「ウィリアムエリス少年がボール持って走ったのが、ラグビーの始まりですよね。」

村上:「マントンっていう、地中海を見渡せる小高い墓地の中に、お墓があります。それは、誰でもいけて、マントンの街に行ったら、もうコースが書いてあるので、おすすめですよ。」

 

WASABIZが公開した、ラグビージャーナリスト・村上晃一さんへのインタビューの紹介でした。

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