記事ポイント
- 東京国立博物館「博物館でアジアの旅 カラフルアジア」の主な展示作品
- 多色ガラス燭台や瑪瑙石榴など、色をテーマに選ばれた名品が東洋館の各展示室に並ぶ
- 対象作品には目印の差し札が添えられ、展示室をめぐりながら色の技を追える
東京国立博物館が2026年9月15日(火)から11月8日(日)まで、東洋館で秋の恒例企画「博物館でアジアの旅」を開催します。
2026年のテーマは「カラフルアジア」。色とりどりの作品に加えて、理想の色を実現しようとした人々の技術的な挑戦や顔料のヒミツにも迫ります。
ここでは、東洋館の各展示室に並ぶ主な展示作品を紹介します。
東京国立博物館「博物館でアジアの旅 カラフルアジア」主な展示作品

- 会期:2026年9月15日(火)~11月8日(日)
- 会場:東京国立博物館 東洋館
- 開館時間:9時30分~17時00分(金・土曜日ほか一部の日は20時まで、入館は閉館の30分前まで)
- 休館日:月曜日(月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)、9月24日(木)
- 観覧料:一般 1,000円/大学生 500円
※東博コレクション展(平常展)観覧料で観覧できます。(特別展や有料イベントは別料金)
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上は無料。入館の際に年齢のわかるものの提示が必要です。
※障害者とその介護者1名は無料。入館の際に障害者手帳などの提示が必要です。
紹介する作品はすべて東京国立博物館蔵。
東洋館の各展示室では、「カラフルアジア」の対象作品に「博物館でアジアの旅 カラフルアジア」の差し札が添えられ、観覧の目印になります。
中国の清時代のガラス工芸から古代エジプトの護符、タイの青磁、インドの細密画まで、地域も時代も素材も異なる作品が色という一本の軸でつながります。
多色ガラス燭台

- 展示室:東洋館9室
- 時代:中国 清時代・乾隆年間(1736~95) 「乾隆年製」銘
「多色ガラス燭台(たしょくガラスしょくだい)」は、蝋燭(ろうそく)を刺す金属製の棒を芯棒にして、色ガラスでつくられたパーツを積み重ねた燭台。
各パーツは薄赤・黄・水色・赤・青・薄緑など多彩で、表面には唐花草文が線刻されています。
中段には、白ガラスを赤ガラスで包んで寿の字を彫り表したパーツも組み込まれています。
『秘密集会』阿しゅく金剛三十二尊曼荼羅

- 展示室:東洋館8室
- 時代:中国 清時代・18世紀
- 展示期間:10月20日(火)~11月29日(日)
「『秘密集会』阿しゅく金剛三十二尊曼荼羅(『ひみつしゅうえ』あしゅくこんごうさんじゅうにそんまんだら)」は、『ヴァジュラーヴァリー』曼荼羅集のうち2番にあたる一幅。
清(しん)時代、満洲(まんしゅう)族出身の皇族たちはチベット仏教をあつく保護し、これにかかわる美術品を多く制作させました。
康熙帝(こうきてい)の皇子がつくらせたこの曼荼羅もそのひとつで、発願者の身分にふさわしく、発色のよい高級な絵具がふんだんに使われた豪華な一品です。
瑪瑙石榴

- 展示室:東洋館9室
- 時代:中国 清時代・19世紀
- 寄贈:神谷伝兵衛氏
「瑪瑙石榴(めのうざくろ)」は、瑪瑙の濁った赤色を生かして石榴の実を表現した作品。
皮が裂けたところには赤い彩色を施し、琥珀(こはく)の粒を嵌(は)めて種を表しています。
石榴は西アジアから中国に伝わった植物で、多くの種があるため多産の象徴とされました。
ヒヒ像

- 展示室:東洋館3室
- 時代:エジプト 第3中間期~末期王朝時代・前11~前4世紀
- 寄贈:メトロポリタン美術館
「ヒヒ像」は、座した姿を小さくかたどった青い像。
古代エジプト人にとってヒヒは太陽の運動や月の満ち欠けを連想させる動物であり、この小像は再生のシンボルとして所持されたと考えられます。
青色は当時、特別なもの、貴重なものを示す色で、たくさんの装身具や護符が青い素材でつくられました。
打敷 五彩緞子縫合せ草花文様編繍

- 展示室:東洋館5室
- 時代:中国 明時代・16世紀
「打敷 五彩緞子縫合せ草花文様編繍(うちしき ごさいどんすぬいあわせくさばなもんようあみしゅう)」の「五彩」とは「たくさんの色」という意味。
マルチ・カラーの緞子(光沢の美しい絹の紋織物)を巧みに組み合わせたパッチワークです。
それぞれの正方形の中央には、さまざまな草花が明時代特有の実に繊細な、編み物のような特殊な刺繍で表されています。
「蓮の花なのに、青い」といった突飛な色の表現は刺繍ならではの遊び心。
蘭亭図巻(乾隆本)

- 展示室:東洋館8室
- 原跡:王羲之他筆
- 時代:中国 清時代・乾隆45年(1780)
- 寄贈:林宗毅氏
- 展示期間:10月20日(火)~11月29日(日)
「蘭亭図巻(乾隆本)(らんていずかん(けんりゅうぼん))」は、書聖・王羲之(おうぎし)と41人の名士による曲水(きょくすい)の詩会を表した「蘭亭図」の拓本。
カラスの羽に似た艶(つや)のある黒々とした烏金拓(うこんたく)と、薄く透き通ったセミの翅(はね)のような淡い灰色の蝉翼拓(せんよくたく)を使い分け、風雅な遊びをみごとに表現しています。
清(しん)の宮廷職人の技が光る一巻です。
青磁鉄絵花卉魚文鉢

- 展示室:東洋館12室
- 時代:タイ・シーサッチャナーライ窯 15~16世紀
- 寄贈:山田義雄氏
「青磁鉄絵花卉魚文鉢(せいじてつえかきぎょもんはち)」は、15世紀から16世紀にかけて青磁生産が活発化したタイ中部のシーサッチャナーライ窯の作。
中国の青磁に比べて、釉調(ゆうちょう)は全体に黄色を帯びて、淡く柔らかな印象です。
下絵付けの鉄絵で表された魚は、まるで光の差す水の中を泳いでいるかのようにみえます。
テラスで椅子に腰かける王ランジート・シング

- 展示室:東洋館13室
- 時代:シク派 インド・19世紀中頃
- 展示期間:9月1日(火)~9月27日(日)まで
「テラスで椅子に腰かける王ランジート・シング(テラスでいすにこしかけるおうランジート・シング)」は、シク王国の建国者を描いた一図。
ランジート・シングは幼少期に左眼の視力を失いながらも、1790年前半に父の跡を継いで首長となり、シク教徒諸国を統一し、1801年にシク王国を築きました。
本作品はその容貌を忠実に描くとともに、頭上の金色のオーラで王としての威厳を象徴的に表現しています。
ガラス、石、繊維、陶磁、拓本、絵具と、色を生み出す素材はそれぞれ違います。
同じ「赤」でも瑪瑙の濁りと刺繍の糸では表情が変わり、東洋館の展示室を歩くほど色の作り方の違いが見えてきます。
東京国立博物館「博物館でアジアの旅 カラフルアジア」主な展示作品の紹介でした。

よくある質問
展示作品はどこで見られますか?
東京国立博物館 東洋館の各展示室です。3室・5室・8室・9室・12室・13室に対象作品が分かれて展示され、目印として「博物館でアジアの旅 カラフルアジア」の差し札が添えられます。
展示期間が限られている作品はありますか?
「『秘密集会』阿しゅく金剛三十二尊曼荼羅」と「蘭亭図巻(乾隆本)」は10月20日(火)~11月29日(日)、「テラスで椅子に腰かける王ランジート・シング」は9月1日(火)~9月27日(日)までの展示です。
観覧に特別なチケットは必要ですか?
東博コレクション展(平常展)観覧料で観覧できます。観覧料は一般 1,000円、大学生 500円です。



