記事ポイント
- SHEINがサプライヤー支援に合計約66億円を投入
- 200社以上の施設を刷新し約3.36万人の従業員が恩恵を受ける取り組み
- 託児センター30か所の設置や経済的支援で従業員家族もサポート
SHEINが、サプライヤーネットワークの基盤強化を目的とした長期プログラム「SCEP」を通じ、施設・設備の改善を全面的に推進しています。
2025年末までに合計4,200万米ドル(約66億円)以上を投入し、製造能力の向上から従業員の生活支援まで幅広くカバーする内容です。
SHEIN「サプライヤーコミュニティ エンパワーメントプログラム(SCEP)」

- プログラム名:SHEINサプライヤーコミュニティ エンパワーメントプログラム(SCEP)
- 総投資額:4,200万米ドル(約66億円)以上(2025年末時点)
- 対象:200社以上のサプライヤー
- 対象施設面積:合計約51.8万m²
SHEINは、「コンプライアンスの徹底」と「エンパワーメント」を両立させる理念のもと、サプライヤーに対して能力強化を実現するためのソリューションやツールを提供しています。
高度化された施設は「モデル工場基準」の設計テンプレートに基づいて設計されており、最適化されたレイアウト・合理化された資材フロー・可変型生産スペースが組み込まれた構造となっています。
製造イノベーションと技術力の向上

SCEPの柱の一つが、約5.8万m²の広さを誇る「衣料品生産イノベーションセンター(CIGM)」です。
CIGMは現代的な衣料品製造のための研究開発およびトレーニングハブとして機能しています。
2025年には約300回の職業訓練および技術認定セッションを実施し、参加者数は約1.3万人を超えました。

CIGMチームは縫製プロセスの合理化や特殊な衣類の取り扱いを改善するため、10種類の新しい生産ツールを開発しています。
その一つである「ビーズ刺繍用ミシン押さえ金」は、ビーズを脇に寄せて縫い針がスムーズに移動できる仕組みで、生産効率を高めると同時に衣類の損傷を軽減できます。
これまでに導入されたツールの総数は180種類以上に達しました。
従業員と家族へのウェルビーイング支援
SCEPでは「スポットライトプログラム」と「託児施設」という2つのプログラムを通じて、従業員の家族のニーズにも対応しています。
2021年に導入されたスポットライトプログラムは、一時的な困難に直面しているサプライヤー従業員に経済的支援を提供するもので、学費や医療費などの生活費を負担するサポートです。
2025年にはQRコード対応のデジタル申請プロセスが導入され、約3.7万人以上の従業員がアクセスできるようになりました。
同年末までにスポットライトプログラムは80万米ドル(約1億2千万円)以上の助成金を支給し、816世帯に支援を届けています。

さらに、サプライヤー施設の敷地内に託児センターを建設する取り組みも進んでいます。
託児サービスは従業員に対して無料で提供され、親たちが勤務時間中も子どもたちの近くにいられる環境を実現しました。
2025年末時点で合計30のセンターが稼働しており、総勢1,000人以上の子どもたちを受け入れています。
サプライヤーの導入事例
サプライヤーのPan Yu氏は、SHEINのモデル工場基準に基づき約5,000m²の工場を全面刷新しました。
SHEINがレイアウト設計から施工管理まで一貫して支援し、改修費用の40%以上を補助することで初期投資の障壁を下げています。
刷新後は機能別ゾーニングの明確化により生産フローが効率化され、不要な移動や無駄が削減されました。
また、サプライヤーのHuang Cheng氏の工場では、CIGMが開発した11種類の生産ツールを導入し、1製品あたりの生産時間を30%以上短縮することに成功しています。
専門素材や高度な技法を用いた製品をより安定的に供給できる体制が整いました。
約66億円規模の投資により、サプライヤーの施設刷新から製造技術の革新、従業員の生活支援まで包括的にカバーする大規模プログラムです。
180種類以上の生産ツール開発や30か所の託児センター設置など、生産現場にとどまらない支援体制が特徴となっています。
サプライチェーン全体の底上げを通じて、より強固で持続可能なものづくりの基盤を構築しています。
SHEINのサプライヤー支援プログラムの紹介でした。
よくある質問
Q. SCEPの総投資額はいくらですか?
A. 2025年末までに合計4,200万米ドル(約66億円)以上が投入されています。
Q. サプライヤー従業員への経済的支援の内容は?
A. スポットライトプログラムを通じて学費や医療費などの支援が提供されており、2025年末までに80万米ドル(約1億2千万円)以上の助成金が816世帯に支給されています。