アトミテックは、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構が運営している、気象や農地、収量予測など農業に役立つデータやプログラムを提供する公的なクラウドサービスである「WAGRI」における高速API基盤の開発に主要ベンダーとして参画し、同社独自の目線から高速かつ高品質なデータ連携が可能なクラウドシステムを構築しました。
アトミテック
アトミテックは、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構が運営している、気象や農地、収量予測など農業に役立つデータやプログラムを提供する公的なクラウドサービスである「WAGRI」における高速API基盤の開発に主要ベンダーとして参画し、同社独自の目線から高速かつ高品質なデータ連携が可能なクラウドシステムを構築。
■WAGRIとは
WAGRIとは、気象や農地、収量予測など農業に役立つデータやプログラムを提供する公的なクラウドサービスです。
ICTベンダーや農機メーカーの方はWAGRIの会員になっていただくことで、さまざまな農業関連データやプログラムを適宜、組み合わせて、農業者様の生産性と収益性を向上させるWebサービスやアプリケーションを簡単に開発し、Webサイトやスマートフォンを通じて提供いただけます。
■既存API基盤での問題点を独自アプリケーション開発により解消
農研機構様ではAPIのプラットフォームを利用されていた中で、主に大容量データを扱うことにより生じるパフォーマンスの遅延を課題とされておりました。
当初はサードパーティ製品の利用も検討しておりましたが、機能面やコスト面の要件を満たすことが難しかったため、同社でAPI Gatewayの機能をもった独自のアプリケーション開発を行い、導入した結果、「実行速度の改善」、「大容量データの送受信」、「セキュリティ機能の向上」、「コストの削減」を実現しました。
■アプリケーションの特徴
・Nginx(OpenResty)で実装された、高速なAPI Gatewayサーバ
・OKE(Oracle Cloud Infrastructure Container Engine for Kubernetes)のコンテナ上で動作
・巨大なファイルを含む大容量のレスポンスも安定して処理
・徹底したコードの最適化による高速化、軽量化を実現
■インフラ基盤構築とシステム開発の両側面からのアプローチ
システム概要
今回はOKEを採用することで冗長性の担保と、効率的なアプリケーション開発をすることができました。
OKE上ではAPI Gatewayだけでなく、その他のWebアプリケーションも同時に稼働していますが、複数のノードを使用することで負荷分散を行っています。
API Gatewayには高速なWebアプリケーションが構築可能なOpenRestyを採用することで、大容量のデータ通信を高速に行うことを実現しました。
さらにAPI GatewayではOCIの認証機能「OCI Identity and Access Management」を使用することで、スムーズかつ堅牢なサービス提供を行なっています。
また、複数の環境に存在していたデータベースをOracle Autonomous Database(ADB)に集約することでデータの一元化やサービスの高速化を実現しています。
さらにOracle Autonomous Databaseでは管理の自動化による運用負荷軽減(保守性の向上)やスケーラビリティが確保できるといった点も同時に得られるメリットとなっています。
お客様の要望にあわせて適切なクラウドサービスを選定、構築するのはもちろんですが、今回はAPI Gatewayの機能自体を開発するといった柔軟な対応を行い、課題を解決しました。