茨城県・取手市では、2024年2月29日(木)10時から開かれた「令和6年取手市議会第1回定例会」の初日、取手市議会の会議規則改正により、電子投票システムによる選挙(委員長選挙・副委員長選挙)が可能となりました。
同日、一般会計予算・決算審査特別委員会の副委員長選挙が実施されました。
茨城県取手市「市議会会議規則」改正
タブレット操作写真(左)・選挙時全景(右)
取手市議会では、これまで誰もが参加しやすくわかりやすい「開かれた議会・議員活動」を目指してきました。
感染症拡大やICT化により生活の在り方が激変するなか、非常時でも議会の役割・権能を果たすことができるよう、取手市議会・議会事務局では、議会としていち早くオンライン会議を取り入れるなど、「未来型地方公共団体議会」の実現を目指して先進的な取り組みを続けています。
デモテック宣言
取手市議会では、令和2年6月15日に、早稲田大学、一般社団法人地域経営推進センター、東京インタープレイ、取手市議会・議会事務局の四者で「デモテック宣言(※注)」を行い、翌月、「新しい民主主義の手法を構築するチャレンジ連携に関する協定(デモテック連携協定)」が締結されました。
※デモテック(DemoTech):ICTやAI技術、テクノロジーを活用した多様な主体の参加と集合知により、民主主義をアップデートしようとする運動です。Democracy(民主主義)とTechnology(技術)を掛け合わせて、造語で称したものです。
「デモテック戦略特別委員会」設置とオンライン委員会の開催
令和2年9月4日には「デモテック戦略特別委員会」が設置されました。
委員会を中心に、協定事業者四者がそれぞれの知見を基に、オンライン会議導入にかかる課題抽出や解決策の検討を進めました。
同年の9月議会において、会議規則および議会委員会条例を改正し、オンラインによる委員会開催を可能としました。
その後、取手市では、今日までに50回を超えるオンラインを用いた公式の委員会を開催しています。
議会の委員会がシステム上オンラインで完結可能に
今回の規則改正で、委員会の完全オンライン化に向けた課題の一つであった委員長等の選挙が可能となりました。
このことにより、議会委員会の一連の流れをオンラインで完結させることがシステム上可能となりました。
今回使用される電子投票システムについて
スクリーン結果投影(左)・タブレット端末結果投影(右)
今回の委員長・副委員長選挙の投開票に使用するシステムは、デモテック連携協定の協定事業者である東京インタープレイ株式会社により開発されたものです。
開発にあたっては「デモテック戦略特別委員会」での議論や意見が反映されています。
現在の会議規則の制度上ではシステムを活用した選挙を想定していないことから、先に取手市議会会議規則の改正を行った上で、選挙を行う流れとなりました。
なお、電子投票のシステムは、現在取手市議会で実際に活用している電子採決システムと同様に、対面・オンラインのいずれでも活用できるものであり、議会のデジタル化実現の一助となるものと言えます。