相模原市相武台団地で取り組む産学官協働の健康まちづくり!ステップアッププロジェクト「第12回健康寿命をのばそう!アワード」厚生労働大臣 優秀賞

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神奈川県住宅供給公社は、グループ会社の一般財団法人シニアライフ振興財団、北里大学医療衛生学部、相武台地域包括支援センターと協働し、相模原市相武台団地及び周辺地域で取り組んでいる産学官協働の健康まちづくり「ステップアッププロジェクト」

そんな「ステップアッププロジェクト」が、厚生労働省及びスポーツ庁主催の「健康寿命をのばそう!アワード」に応募があった85件の中から優れた取り組みを行っている受賞候補団体のうち6団体に選定され、令和5年11月27日(月)に最終プレゼンテーション、審査を経て「第12回健康寿命をのばそう!アワード」、厚生労働大臣 優秀賞を受賞しました。

 

ステップアッププロジェクト「第12回健康寿命をのばそう!アワード」厚生労働大臣 優秀賞

 

左:厚生労働事務次官 大島一博氏、右:公社高齢者事業部担当部長 一ツ谷正範

 

「健康寿命をのばそう!アワード」(生活習慣病予防分野)の概要

 

 

健康増進・生活習慣病予防推進に資する優れた取り組みを行っている企業・団体・自治体を表彰し、他の模範となる取り組みを奨励・普及することにより、健やかで心豊かに生活できる社会の実現を図ることを目的として、厚生労働省及びスポーツ庁が開催しています。

表彰式の模様は、オンライン(YouTube)にて生配信を実施しました。

 

「ステップアッププロジェクト」の概要

 

 

本プロジェクトを行っている相模原市南区の相武台地域は、高齢化率が34.6%と相模原市全体の高齢化率26.3%より高い地域で、本プロジェクトの中心である相武台団地(※)は50.7%というさらに高い高齢化率になっています。

こうした状況は、数十年先の日本や多くの地域の姿と考えられ、その課題解決に向けた取り組みは、今後の地域社会を支える仕組みを検討する上で有益なものになると考えました。

※相武台団地:昭和40年から計画的に開発された賃貸住宅・分譲住宅の複合団地(公社賃貸住宅11棟448戸、分譲住宅82棟2,080戸、計2,528戸)で、開発面積約31.4ヘクタールの大型団地。

 

同団地・地域の大きな課題は、身体機能低下・フレイルにより外出をためらう高齢者の増加や地域を支える住民自治においてコミュニティの担い手不足があげられます。

住民がいつまでも住み慣れた地域で健康に暮らし続けられることを目的に、産学官が協働し、互いに有する資源を組み合わせ、団地・地域に住む高齢者の健康寿命延伸に向けた取り組みです。

また、フレイル予防により高齢者の要介護状態を予防し、介護保険関連支出の縮減を目指し、さらには、多世代交流や地域コミュニティの担い手発掘・育成も視野に入れた取り組みです。

 

本事業は、神奈川県住宅供給公社・シニアライフ振興財団(産)、北里大学(学)、相武台地域包括支援センター(官)が課題を共有し、(1)フレイルチェック会、(2)生活支援型デイサービス、(3)住民主体の介護予防教室、(4)自費の体操教室を有機的に結合・実施する課題解決モデルです。

健康まちづくりをコンセプトにした多世代交流拠点として、2019年に銀行の跡地をリノベーションした「ユソーレ相武台」を主な拠点に行っている「フレイルチェック会」は、地域の高齢者にフレイルの啓発と心身状況を把握する機会を提供し適切な支援に繋げるための、いわば地域高齢者の健康づくりにおけるゲートウェイとしての機能を果たす中核事業です。

会にて支援が必要と判断された高齢者は、地域包括支援センターが上記の(2)(3)(4)を案内するなどフォローするものです。

 

 

フレイルチェック会は、2021年9月から2023年7月末までに計57回実施(継続中)、参加者総数は延べ461名(登録者281名)、登録者のフレイル・プレフレイルの割合は66.5%と、フレイルの啓発と予防が必要な対象者が実際に参加している測定会です。

また、事業開始時点と1年後の時点で住民にアンケート調査を実施した結果、包括的なフレイルの割合は29.2%から29.5%と不変でしたが、プレフレイルは34.8%から28.5%に減少しました。

さらに、身体的なフレイルは8%から5.3%に減少、プレフレイルは36.6%から33.4%に減少しました。

したがって、全体的に住民のフレイル状態が改善傾向にあることが明らかになりました。

なお、生活支援型デイサービスのトレーニングでも改善効果が確認されました。

さらに参加者同士の新しいコミュニティも生まれており、多世代が触れ合える契機や将来の地域の担い手育成にも繋がっています。

団地自治会、大学、地域包括支援センター、学生からも「介護状態を防げるような地域づくりを進めたい。この取り組みが全国に広がれば」と期待の声が寄せられています。

 

「ステップアッププロジェクト」の『これから』

 

 

人口減少・超少子高齢社会の中、介護保険という公的サービスだけでは課題解決が難しいと思われます。

また、高齢化が進む団地は、神奈川県内だけでなく全国各地にあります。

これからも、団地・地域住民、産学官のプロジェクト運営者が一体となって、大きな課題に立ち向かう、持続可能な取り組みに深化させていきます。

神奈川県住宅供給公社は、人生の最後まで元気に楽しみながら健康な毎日を送ることにつながっていくよう、本プロジェクトで得たエビデンスや事業プロセスを他団地や他地域に応用展開し、今後も「健康寿命を延ばす」という社会課題に対して、各種取り組みが進められます。

 

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