QUICKが「高等学校における金融教育の意識調査2022」を実施。
日本の高等学校において金融教育に携わる公民・家庭科の教員471名に実施したアンケート調査の結果を紹介していきます☆
QUICK「高等学校における金融教育の意識調査2022」
調査期間:2022年12月7日~12日
回答者:全国の高等学校で公民・家庭科を担当する教員471名
(公民384名、家庭科96名、公民と家庭科を重複回答した9名を含む)
QUICKが、日本の高等学校において金融教育に携わる公民・家庭科の教員471名を対象に「高等学校における金融教育の意識調査2022」を実施。
今回行われたのは、2022年度から、高校の家庭科の授業で、投資や資産形成まで踏み込んだ金融経済教育が必修となり、およそ1年が経過した現時点での教育現場の実態を明らかにした調査です。
金融教育分野を「家計管理」「生涯の生活設計(ライフプラン、社会保障・保険)」「資産形成・運用」「金融トラブル」「キャリア教育・職業選択」「金融や経済、市場の仕組み」の6テーマに分類し、調査を実施。
また各質問は、教科別(公民、家庭)や、金融教育経験の有無、金融教育への意欲の有無、生徒の関心・興味の有無、所属する学校側の積極性の有無、教員の金融リテラシー水準で分析されています。
結果としては、授業形式の現実と理想にギャップがあるほか、学校側の積極性や教員の金融教育に対する意欲の有無で、生徒の関心・興味に大きな差が生まれることがわかりました。
また家庭科教員の4割近くが、「資産形成・運用」分野に苦手意識があると回答しています。
教員と学校側の積極性にギャップ
金融教育について重要だと思っている、または意欲的に取り組んでいる教員がそれぞれ全体の7割を超えている一方で、金融教育の実施に対して積極的に取り組んでいる学校は4割弱にとどまっています。
また、学校側が金融教育に積極的であるほど、教員は金融教育に意欲的であり、生徒の興味・関心も高いという結果が分かりました。
教員の金融リテラシーが重要
教員の金融リテラシーが高いほど、教える際に自信のある分野が多く、金融教育に意欲的であり、生徒の関心の高さにもつながっています。
また、学校側が金融教育に積極的であるほど、金融関連資格を保持する教員が多いとの結果も見えてきました。
教員間で金融リテラシーに差
教員の担当する科目、教員の性別、年齢によって、教員の金融リテラシーに差があります。
社会科教師の金融リテラシーは高い一方、家庭科教師は低い傾向があります。
また男性教員の方がリテラシーが高い傾向にあります。
教職歴が短いほど、リテラシーが低く、金融教育意欲が低いことも分かりました。
「資産形成・運用」分野に苦手意識をもつ教員が全体の33.3%と他の分野よりも多く、特に家庭科教員は4割近くの38.5%が苦手意識があると回答しました。
教科書の記述や公的なサポートに不足感
授業の際に使用する教科書の記述が十分だと思っている教員は、各分野で3~4割にとどまっています。
また、公的機関によるサポートが十分と回答した教員は全体で3割、特に金融リテラシーの高い教員では17%程度にとどまっています。
授業形式における現実と理想のギャップ
授業形式は、現状、6つのテーマ全てにおいて座学形式が多いことが分かりました。
一方、「家計管理」を除く5つのテーマでは、グループワークや外部講師の講演を望んでいる教師の割合が比較的高いことが分かりました。
特に「資産形成・運用」のテーマでゲーム形式のグループワークが好ましいという声が他のテーマと比べると多くありました(33.3%)。
また、「資産形成・運用」のテーマについて、金融リテラシーの高い教員の5割は「公民」で、3割は「総合的な探求の時間」で扱うべきと回答しています。
意欲の高い教員が公的機関に求めること
教員のうち金融教育に「意欲を持っている」層は授業を進めるにあたって「教材の準備や作成が大変」「効果的な教材が少ない」「授業時間の確保が難しい」の3点を課題に感じています。
意欲を持っている層、またリテラシーの高い層のそれぞれ6割は、公的機関に対して、「ゲーム感覚で学べる副教材の作成・提供」を望んでいます。
金融経済教育の現場の実態を明らかにした調査結果を発表。
QUICKが発表した「高等学校における金融教育の意識調査2022」の紹介でした☆