記事ポイント
- 山形県立博物館で旧石器時代の企画展を10月3日〜12月20日に開催
- 故・阿部祥人氏の発掘資料を慶應義塾大学から里帰り展示
- 約2万年前のシカ糞や植物資料などの新規収蔵資料を初公開
山形県立博物館は、2026年10月3日(土)から12月20日(日)まで、2026年度プライム企画展「極東の狩人―阿部祥人が追い求めた氷河期の開拓者たち―」を開催します。
山形県出身の考古学者・故阿部祥人氏が調査に携わった発掘資料が慶應義塾大学から里帰り展示されるほか、山形県立博物館では初めてとなる旧石器時代の企画展です。
約2万年前の山形の自然を伝える新規収蔵資料も初公開され、狩人たちの姿を視覚・聴覚・触覚で体感できる展示構成で紹介します。
山形県立博物館 2026年度プライム企画展「極東の狩人―阿部祥人が追い求めた氷河期の開拓者たち―」

- 会期:2026年10月3日(土)~12月20日(日)
- 開場時間:9:00~16:30(最終入館16:00)
- 休館日:月曜日(10月12日・11月23日〈月・祝〉は開館、翌火曜日休館)
- 会場:山形県立博物館 第3展示室(山形県山形市霞城町1-8)
- 入館料:大人300円(20名以上の団体150円)、学生150円(20名以上の団体70円、専門学校生等を含む)、高校生以下は無料、障がい者とその付添の方は無料
- 問合せ:山形県立博物館 Tel:023-645-1111 Fax:023-645-1112
本展は、日本列島に人類が渡ってきた約4万年前から続く旧石器時代の狩人たちの姿を、序章から終章までの全6章で紹介する企画展です。
山形県内では108箇所の旧石器時代遺跡が確認されており、東北地方で最多を誇ります。県内外から出土した動物骨・植物・石器を通じて、寒冷な環境に適応し生き抜いた狩人たちの姿を描き出します。
第1章 狩人たちが見た景色
- 主な展示物:岩手県花泉遺跡出土のハナイズミモリウシ・オオツノジカ角(岩手県立博物館蔵)、天童市立谷川河床出土のシカ糞、トウヒ属・カラマツ属の球果(山形県立博物館蔵)
第1章「狩人たちが見た景色」では、動植物資料を通じて狩人たちが生きた寒冷な自然環境を紹介します。

旧石器時代には現在絶滅した大型動物が地上を闊歩し、シベリアなど極寒の地域に生息する植物が広がっていた様子を、岩手県花泉遺跡出土のハナイズミモリウシなどの資料で伝えます。


山形県立博物館の新規収蔵資料である約2万年前のシカ糞や植物資料を初めて公開し、当時の山形の景色を描き出します。
第2章 山形に生きた狩人の手仕事
- 主な展示物:舟形町高倉山遺跡出土の石器(東北大学蔵)、西川町お仲間林遺跡出土の石器(慶應義塾大学蔵)
第2章「山形に生きた狩人の手仕事」では、県内の旧石器時代遺跡から出土した石器を通じて、狩人たちの石器製作技術と利用法を紹介します。



狩人たちがどんな石を選び、どのような方法で石器を作り、何を加工していたのかを、実物資料に加えて復元動画や再現ジオラマで解説します。
第3章 狩人を追い求めて

- 主な展示物:寒河江市花買場出土の石核(寒河江市教育委員会蔵)、西川町上野A遺跡出土の石器(慶應義塾大学蔵)、青森県尻労安部洞窟出土の石器・動物骨(尻労安部洞窟発掘調査団蔵)
第3章「狩人を追い求めて」では、山形県出身の考古学者・故阿部祥人氏が目指した総合的な旧石器時代研究を辿ります。

阿部氏は寒河江市で幼少期を過ごした後、慶應義塾大学教授として日本の旧石器時代研究を推進しました。同氏が調査した西川町お仲間林遺跡・上野A遺跡の資料が慶應義塾大学から里帰り展示されます。

全国的に注目を集める青森県尻労安部洞窟の調査成果も紹介します。
第4章 過去から未来へつなぐ狩人の道具
- 主な展示物:寒河江市高瀬山遺跡出土の石器(山形県蔵)、県内遺跡出土の県外石材を使った石器類(越中山遺跡発掘調査団・東北大学・山形県蔵)、細野修一作画「旧石器時代の春夏秋冬」(富沢遺跡保存館蔵)
第4章「過去から未来へつなぐ狩人の道具」では、石器を詳しく調べることで明らかになる、当時の人々がどこから来てどんな人物が作ったのかという手がかりを紹介します。
人類の「移動」や「学び」が過去から未来へと連綿と続いてきた姿を展示します。
体験コーナー
来館者が考古学者になりきって調査を疑似体験できる特設コーナーも設けます。


展示室内ではフルイを用いた発掘調査の模擬体験に挑戦できるほか、貴重な実物資料を高精度3Dデータで再現した模型(ハンズオン)を用意し、模型に触れながら考古遺物を観察できます。
公式図録
- 書名:『極東の狩人―阿部祥人が追い求めた氷河期の開拓者たち―』
- 仕様:A4判・48ページ・フルカラー・しかけ付き
- 価格:1,210円(税込)
- 発売日:2026年10月3日(土)
- 販売場所:山形県立博物館受付
本展の展示内容や最新の研究成果を収録した公式図録も販売します。
山形県内外の旧石器時代遺跡から出土した資料のカラー図版とともに、故・阿部祥人氏の研究成果や約2万年前の山形の自然環境、狩人たちの暮らしに関する最新の研究成果を紹介しています。
関連イベント
- 記念講演会①:10月11日(日)「慶應義塾大学 阿部祥人による東北旧石器時代研究」講師:渡辺丈彦氏(慶應義塾大学文学部教授)、事前申込制
- 記念講演会②:12月5日(土、オンライン配信予定)「2万年前の埋没林とそこに暮らしたシカたち:立谷川プロジェクトでわかったこと」講師:久保麦野氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授)、事前申込制
- 記念イベント①:10月25日(日)「楽しいガラスの石器づくり体験」講師:佐藤祐輔氏(東北芸術工科大学歴史遺産学科歴史遺産コース准教授)、事前申込制
- 記念イベント②:11月21日(土)「お仲間林遺跡の石刃のつくり方」講師:大場正善氏(公益財団法人山形県埋蔵文化財センター専門調査研究員)、事前申込制
- ギャラリートーク:10月3日(土)・11月14日(土)・11月28日(土)・12月19日(土)、各回14:00~14:30
- 関連博物館行事:11月3日(火・祝)文化の日無料開館「わくわく石器プラバンづくり」
会期中は記念講演会や記念イベント、ギャラリートークなど関連イベントも予定しています。
記念講演会と記念イベントは事前申込制で、講師には慶應義塾大学や東京大学、東北芸術工科大学などの研究者を迎えます。
11月3日の文化の日には無料開館し「わくわく石器プラバンづくり」を実施します。
山形県立博物館について
山形県立博物館は1971年に開館した、東北地方で自然史資料の展示をする最も古い博物館です。
「山形県」を紹介する博物館として、地学・動物・植物・考古・歴史・民俗・教育の7部門を擁する総合博物館です。
約4万年前から続く旧石器時代の狩人たちの営みを、貴重な里帰り資料と初公開資料でたどれる企画展です。
山形県立博物館 2026年度プライム企画展「極東の狩人―阿部祥人が追い求めた氷河期の開拓者たち―」の紹介でした。








