記事ポイント
- gLupe SDKの不良箇所学習がIntel CPUのみで動作可能に
- 最低1枚の画像からAI学習が完了し、専門知識不要で使える
- 170社以上の現場でオペレーター自身が学習を実施
システム計画研究所は、1枚で学習できる画像AI「gLupe」の開発キット(SDK)について、不良箇所学習機能を専用GPU不要で動作するよう刷新しました。
Intel CPUのみの環境でも動作し、対応CPUであればIntel統合グラフィックス(iGPU)への処理オフロードも可能です。
これにより、生産装置・検査装置・組み込み機器・エッジ端末など、幅広い現場へ展開しやすくなっています。
システム計画研究所「gLupe SDK」

- 対象機能:不良箇所学習(専用GPU不要での動作)
- CPU基本動作:Intel Core 第8世代以降
- iGPUオフロード:Intel Core 第8世代以降の統合グラフィックス搭載モデル(Intelグラフィックスドライバー Ver.31.0以降)
- 専用GPU動作時:CUDA対応NVIDIA製GPU VRAM 2GB以上(4GB以上推奨)、Compute Capability 5.0以上
- 製品ページ:glupe.jp/ja/
「gLupe(ジールーペ)」はシステム計画研究所が開発した製造業向けAI外観検査ソフトウェアです。
最低1枚の画像からAI学習が完了するという設計が特徴で、画像処理やAIの専門知識がなくても現場オペレーター自身が学習・更新を完結できます。
今回のSDKアップデートにより、これまで必須だった専用GPUがなくても不良箇所学習機能を利用できるようになりました。
動作環境の大幅拡張―専用GPU無しで稼働
従来、gLupe SDKの動作には専用GPUが必須でしたが、今回のアップデートで不良箇所学習機能がIntel CPUのみの環境で動作できるようになりました。
対応するIntel CPUであれば、内蔵のIntelグラフィックスチップへ推論処理をオフロードでき、CPU単体での実行よりも高速な動作が期待できます。
この変更により、エッジコンピュータ・産業用PC・組み込み機器など、専用GPUを搭載しにくい幅広いプラットフォームへ「gLupe SDK」を組み込めるようになっています。
gLupe SDKが提供する3つのAI機能

gLupe SDKは検査目的に応じた3種類の学習モードを備えています。
「不良箇所学習」は検出対象とそれ以外を領域分割するモードで、外観検査・部品有無検査・員数カウント・装備品確認・任意物体の検出など汎用性が高く、今回Intel CPUのみでの動作に対応したのもこのモードです。
「良品学習」は正常品の特徴を学習して傷・汚れ・異物などの異常を検出し、「分類学習」は複数クラスへ画像を分類して品種や不良種類の識別に使えます。
最低画像1枚から始まるAI検査―170社以上の導入実績

不良箇所学習はgLupe SDKの中でも最も汎用性の高い機能で、最低1枚の画像を用意するだけでAI学習が完了します。
学習の操作は直感的なUIで完結するため、検査装置の提供側が設定・調整を担うことなく、ユーザー自身が自立して学習・更新を行えます。
現在までに170社以上の導入実績があり、そのほとんどの現場で現場オペレーター自身がAI学習を実施しています。
提供側にとってはサポートコストを大幅に削減できる「手離れの良いAI検査装置」として運用できます。
従来の2値化をAIで代替―色差・照明変化にも対応
これまでの外観検査では、検出対象のRGB値や輝度値を閾値に設定して2値化処理を行う手法が一般的でした。
しかし、検出対象と背景の色・明るさの差が小さい場合や照明条件が変化する環境では、適切な閾値設定が難しく安定した検出が困難でした。
gLupeの不良箇所学習機能はこの処理をAIに置き換えます。
単純な色情報だけでなく周辺ピクセルの情報も参照することで形状・テクスチャ情報を加味した領域分割を行い、色差が小さく2値化困難な傷・汚れの検出や、照明ムラや背景変化に強いロバストな検出が可能です。
既存の画像処理資産を活かした統合

不良箇所学習の出力は従来の2値化処理後の出力と同等に扱え、既存の後段画像処理にそのまま渡せます。
画像処理ベースで検査装置を開発してきたエンジニアも、既存の判定ロジックやシーケンスをそのまま活用しながら検出部分のみをgLupeに置き換えることができ、対応範囲を大幅に拡張できます。
専用GPUが不要になったことで、これまでハードウェア制約から導入を見送っていたエッジ端末や組み込み機器への展開も現実的になりました。
最低1枚の画像から学習を始められる手軽さと、170社以上で証明された現場オペレーター主導の運用モデルが、製造現場のAI検査導入ハードルを下げています。
「gLupe SDK」の紹介でした。
よくある質問
Q. Intel CPU環境でgLupe SDKを使う場合、どのような処理速度が期待できますか?
A. Intel Core 第8世代以降のCPUで基本動作が可能です。
さらに統合グラフィックス搭載モデルであれば内蔵のIntelグラフィックスチップへ推論処理をオフロードでき、CPU単体での実行よりも高速な動作が期待できます。
iGPUオフロードにはIntelグラフィックスドライバー Ver.31.0以降が必要です。
Q. gLupe SDKの不良箇所学習はどのような検査用途に対応していますか?
A. 外観検査・部品有無検査・員数カウント・装備品確認・任意物体の検出など汎用性が高く利用できます。
色差が小さく2値化が困難な傷・汚れの検出や、照明ムラや背景変化が発生する環境でのロバストな検出にも対応しています。
Q. 既存の画像処理システムにgLupe SDKを組み込む場合、大規模な改修が必要ですか?
A. 不良箇所学習の出力は従来の2値化処理後の出力と同等に扱えるため、既存の判定ロジックやシーケンスはそのまま活用できます。
検出部分のみをgLupeへ置き換える形で統合でき、既存システムの大規模な改修なく対応範囲を拡張できます。