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サハリンまで届いた3万年前の黒曜石! 遠軽町埋蔵文化財センター「白滝遺跡群出土の石器」

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記事ポイント

  • 後期旧石器時代の遺物が国宝に指定されるのは日本初、現存する国宝で最古となります
  • 総出土数約760万点の黒曜石石器群のうち1,965点が国宝に指定されました
  • 遠軽町埋蔵文化財センターで常設展示・予約不要の石器製作体験が実施されています

 

北海道オホーツク地域に位置する遠軽町の白滝遺跡群から出土した石器が、2023年6月27日の文部科学省告示により国宝に指定されました。

旧石器時代の遺物が国宝の対象となるのは日本で初めてのことで、現存する国宝の中で最古の年代を持つ指定品となります。

出土品は遠軽町白滝にある遠軽町埋蔵文化財センターで常設展示されています。

 

遠軽町埋蔵文化財センター「白滝遺跡群出土の石器」

 
えんがる町観光協会のロゴ

 

  • 国宝指定日:2023年6月27日(文部科学省告示)
  • 時代:後期旧石器時代(約3万年前〜1万5千年前)
  • 国宝指定点数:1,965点(総出土数 約760万点)
  • 素材:黒曜石(赤石山産)
  • 展示場所:遠軽町埋蔵文化財センター(北海道紋別郡遠軽町白滝138-1 白滝総合支所内)
  • TEL:0158-48-2020
  • 開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
  • 入館料:一般320円・高校生以下160円・未就学児無料

白滝遺跡群の出土品は、重要文化財に指定されてから国宝へ格上げされるまで足かけ12年を要しました。

北海道内では2007年に指定された函館市の中空土偶に続く2件目で、オホーツク地域では初の国宝となります。

後期旧石器時代(約3万〜1万5千年前)のものとしては質量ともに国内で群を抜く規模で、専門家から世界的な価値を持つと評価されています。

出土品の多くは、遠軽町白滝地域の北部にそびえる赤石山(標高1,147メートル)一帯で採取された黒曜石を素材としています。

これまでに約760万点の石器や破片が出土し、そのうち1,965点が今回の国宝指定を受けます。

石器群と接合資料が豊富に揃っていることが、高い評価の根拠となっています。

 

国宝指定の3つの学術的意義

 

白滝遺跡群の出土品が示す意義は、大きく3点に整理されます。

第一に、石器群や接合資料から石器製作技術の変遷が段階的に確認でき、旧石器時代の人類がどのように道具を進化させたかを具体的に示している点です。

第二に、黒曜石の原石を産地から搬入し、加工した石器を各地へ搬出した記録が残り、当時の人々の組織的な行動が裏付けられている点です。

第三に、白滝産黒曜石の分布域がサハリンから東北地方にまで及ぶことが確認されており、後期旧石器時代における人の移動範囲と広域ネットワークを知る重要な手がかりとなっています。

この3点が組み合わさったことで、国内の旧石器時代研究において唯一無二の位置づけが与えられます。

 

「天然ガラス」黒曜石の特性と赤石山

 

黒曜石は約220万年前の火山活動で噴出したマグマが急速に冷え固まった火山岩で、「天然ガラス」とも呼ばれる黒く輝く石です。

割ると断面に鋭い刃面が生まれるため、旧石器時代から縄文時代にかけて金属器が普及するまで、やり先・ナイフ・矢じりなど多様な道具の主要材料として広く用いられます。

遠軽町白滝地域の赤石山は国内最大級の黒曜石産地で、山中に複数の露頭が確認されています。

旧石器時代には大形石器を製作する傾向があったため、良質な大形原石を求めて山頂部まで人が入っていたと考えられています。

この産出量と品質の高さが、石器のサハリンから東北地方への広域流通を支えた背景となっています。

 

遠軽町埋蔵文化財センターでの観覧と体験

 

国宝指定を受けた石器群を含む出土品は、遠軽町埋蔵文化財センターの常設展示室(2階)で見られます。

入館料は一般320円(10名以上の団体は260円)、高校生以下160円(団体130円)で、未就学児は無料です。

年間パスポートは一般1,050円・高校生以下530円で、発行日から1年間有効となっており、体験学習室の使用料にも適用されます。

センターでは本物の黒曜石からやり先(石器)を作るものづくり体験が実施されています。

予約不要で参加でき、考古学専門の学芸員や専門スタッフが指導を担当します。

常設展示室の展示解説も学芸員が無料で行っており、センターには考古学専門の学芸員が常駐しています。

開館時間は9:00〜17:00(入館は16:30まで)で、夏期(5月〜10月)は無休、冬期(11月〜翌4月)は土・日・祝日と年末年始(12月31日〜1月5日)が休館日です。

約3万年前に赤石山で採取された黒曜石から作られた石器が、2023年に日本の国宝として最古の指定を受けます。

 

総出土数約760万点という圧倒的なスケールと、サハリンから東北地方に及ぶ広域な分布が、専門家から世界的な価値を持つと評価される根拠となっています。

遠軽町埋蔵文化財センターでは実物の観覧に加え、黒曜石を割って石器を作る体験も予約なしで参加できます。

遠軽町埋蔵文化財センター「白滝遺跡群出土の石器」の紹介でした。

 

よくある質問

 

Q. 白滝遺跡群の石器が「国宝の中で最古」とされる根拠は何ですか?

 

A. 後期旧石器時代(約3万年前〜1万5千年前)の遺物が国宝に指定されるのは日本で初めてのことで、これが現存する国宝の中で最も古い年代となります。

それまで北海道内唯一の国宝だった函館市の中空土偶(縄文時代)よりもさらに古い時代の遺物です。

 

Q. 遠軽町埋蔵文化財センターへの問い合わせ先はどこですか?

 

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