東京書籍と、一般社団法人教育のための科学研究所は、同研究所が提供する「リーディングスキルテスト」(以下、RST)を、東京書籍が提供する評価と学びのサポートシステム「マイアセス」上で受検し、結果を閲覧できるサービス「RST-マイアセス連携版」を開始しました。
東京書籍/教育のための科学研究所
東京書籍と、一般社団法人教育のための科学研究所は、同研究所が提供する「リーディングスキルテスト」(以下、RST)を、東京書籍が提供する評価と学びのサポートシステム「マイアセス」上で受検し、結果を閲覧できるサービス「RST-マイアセス連携版」を開始。
マイアセスは、東京書籍が提供する「調査」「結果閲覧・分析」「学習・指導」のサイクルに沿って、蓄積されたデータから効率的な指導と学習をサポートする、評価と学びのサポートシステムです。
また、RSTは、教科書や新聞など、知識や情報を伝達するために書かれた文書の意味を正確にとらえる力(シン読解力)を測定・診断するツールです。
RST-マイアセス連携版では、東京書籍の販売ルートやマイアセスのID(total ID)を利用できるため、学校・教育委員会がRSTの受検を申し込む際の手続き、および、受検する児童生徒のID入力作業の負担が軽減されます。
また、受検結果はマイアセスのフォーマットにあわせて表示されるため、レーダーチャートを用いた問題タイプ別の能力値比較や、教育委員会資料の無償提供が加わります。
児童生徒の読解力の傾向がより詳細に掴め、授業改善をさらに進めることができます。
RST結果帳票「学校カルテ」
さらに、RSTで大切なことは、どのようにして児童生徒のリーディングスキル、すなわち、「シン読解力」を高めていくかということです。
東京書籍は2025年2月7日に『新井紀子の読解力トレーニング』を刊行しました。
この書は、教育のための科学研究所、代表理事・所長である新井 紀子氏の新刊です。
かわいいキャラクターたちといっしょに、「視写ノート」、「自習チェックリスト」、「毎日の予習・復習」などを通して、「教科書をきちんと読み解く力」をつけるためのトレーニングを実践することができます。
教科書には、日常会話ではあまり使わない、「~をはじめとする」や「〇〇を▲▲といいます」という「教科書ならではの言い回し」があります。
『新井紀子の読解力トレーニング』新井 紀子/著
RST-マイアセス連携版では、今後データ連携をより強化し、東京書籍が提供する標準学力調査や総合質問紙調査i-check(アイチェック)、タブドリLive!(デジタルドリル教材)の学習履歴とRSTとのクロス集計を提供するなど、シン読解力と他の学力との相関を探れるような機能を盛り込むことも企画しています。
東京書籍の標準学力調査と併用することで、読解力は高いのに学力が発揮できていない「アンダーアチーバー」や、その逆の「オーバーアチーバー」を発見することができるようになります。
東京書籍は引き続き、教育データの利活用を通じた個別最適な学びの推進と、教科書を中心としたシン読解力を育む授業を提案することで、日本の教育の質的向上に貢献していきます。
■RSTについて
RSTは、教科書や辞書、新聞などで使われる「知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結的な文書」を読み解く力(シン読解力)を測定・診断するツールです。
読解プロセスごとに6つのタイプから構成されており、それぞれのタイプで読解の能力値を診断し、学習アドバイスを提供します。
■「アンダーアチーバー」と「オーバーアチーバー」について
知能テストの結果(IQ)は学力と正の相関があることが、知られています。
IQのレベルに対して学力が高い人を「オーバーアチーバー」、IQのレベルに対して学力が低い人を「アンダーアチーバー」といいます。
リーディングスキルテスト(RST)の能力値と学力でも、「オーバーアチーバー」(RSTの能力値で期待される以上の学力を発揮する受検者)と「アンダーアチーバー」(RSTの能力値で期待される学力を発揮できていない受検者)がいます。
(出典:一般社団法人教育のための科学研究所Webページ)