さくら情報システムは、同社の樋口大志が執筆した研究論文「Fair-Anonymity: A Novel Fairness Notion for Cryptocurrency」を、第18回ネットワークセキュリティとアプリケーションに関する国際会議、CNSA 2025で発表しました。
さくら情報システム「Fair-Anonymity」
さくら情報システムは、同社の樋口大志が執筆した研究論文「Fair-Anonymity: A Novel Fairness Notion for Cryptocurrency」を、第18回ネットワークセキュリティとアプリケーションに関する国際会議、CNSA 2025で発表。
■注目ポイント
今回の論文ではブロックチェーンを用いた暗号通貨における「匿名性と法令順守」を両立させる新たなアプローチとして「Fair-Anonymity」を提案されました。
■発表の概要
・発表者:樋口大志
さくら情報システム/情報セキュリティ大学院大学 大塚研究室 博士後期課程在籍
・会議名:第18回ネットワークセキュリティとアプリケーションに関する国際会議
(18th International Conference on Network Security & Applications 〔CNSA 2025〕)
・開催地:デンマーク・コペンハーゲン
・日程 :2025年1月25日~26日
この国際会議は、ネットワークセキュリティ分野の学界および産業界の研究者・実務家が一堂に会し、現代のセキュリティ脅威への対策や新たな協力関係の構築について議論を行う場です。
・発表内容のポイント:
1. 「Fair-Anonymity」という新しい概念・スキームの提案
ブロックチェーン上の取引額に応じて、信頼機関のみが取引の送金者を追跡可能とする仕組み
2. 技術的な工夫(「Exponential Saturation Function」を応用)
分割送金による追跡回避を防ぎ、より安全なシステムを実現
3. 改良された情報交換技術(改良型 k-out-of-n コミットメント忘却伝送(Committed Oblivious Transfer))の採用
取引の透明性を保ちながら、必要に応じて追跡できる技術を導入し、システムの信頼性を高める
上記により、善意の利用者は、必要に応じて自分の身分を信頼機関に開示することに前向きである可能性が高くなります。
一方で、犯罪者は少しでも追跡される可能性があると、それを避けようとする心理が働きます。
この理論に基づき、暗号通貨の送金において、「Fair-Anonymity」を利用するクリーンな経済圏と、これを利用しない不正な取引が行われる可能性のある経済圏を明確に区別する方法を提供します。