サイレックス・テクノロジーは、最新のWi-Fi 7(IEEE 802.11be)規格に対応した産業向け組込み無線LANモジュール「SX-PCEBE」およびアクセスポイント用モジュール「SX-PCEBE-AP」を発表しました。
サイレックス・テクノロジー「SX-PCEBE/SX-PCEBE-AP
サイレックス・テクノロジーは、最新のWi-Fi 7(IEEE 802.11be)規格に対応した産業向け組込み無線LANモジュール「SX-PCEBE」およびアクセスポイント用モジュール「SX-PCEBE-AP」を発表。
販売開始は、「SX-PCEBE」が2025年3月、「SX-PCEBE-AP」が2025年4月を予定しています。
■ Wi-Fi 7による安定した高速通信
近年、Wi-Fiデバイスの増加に伴い電波干渉が多く発生し、産業や医療現場における無線LANの安定性に影響を及ぼしています。
Wi-Fi 7は、こうした干渉を抑え、通信効率を向上させる技術で、大容量データも安定して通信できるため、各分野での期待が高まっています。
サイレックスは、Wi-Fi 7の技術を産業・医療機器に適用し、業界特有のニーズに応える組込み無線LANモジュールを提供します。
■ ユーザーの声を反映した設計で産業・医療現場に適した無線通信を提供
産業機器の無線化に際しては、用途によって異なる課題が発生します。
サイレックスは、お客様の課題解決を支援し、以下の特長を備えた無線LANモジュールを開発しました。
● 同社従来品と比較し、設計上約2倍の通信距離を実現※
SX-PCEBE-APは高出力設計により、より遠くまで電波が届くよう工夫されています。
例えば、ウェアラブルカメラと接続するアクセスポイントにSX-PCEBE-APを搭載すれば、作業員がアクセスポイントから離れた場所でも安定した通信が可能です。
※障害物の無い理想環境での計算値です。
● 移植作業を効率化する無線LANドライバ
サイレックスの無線LANドライバは、NXP社製Layerscape(R)プロセッサとの動作確認が完了しており、効率的な移植作業をサポートします。
これにより利用者はメイン機能の開発に集中でき、迅速な製品開発が可能です。
● 電波干渉を抑えて安定した同時通信の提案も可能
SX-PCEBEとSX-PCEBE-APは同じ機器に搭載し、同時に使用することが可能です。
通常、複数の無線LANモジュールを同時に使用すると電波干渉が生じますが、サイレックスはこれを低減し、安定した通信を実現する仕組み(特許出願中)を提案することも可能です。
この技術は変化する電波環境に追従し、車両など移動する設備での無線化にも効果を発揮します。
■ 製品概要
● SX-PCEBE
Qualcomm製QCC2076チップセットを搭載し、産業温度対応のWi-Fi 7組込み無線LANモジュールです。
2.4GHz、5GHz、6GHzの各帯域で安定した通信が可能です。
・同時通信:2.4GHz×2ストリームと5GHz×2ストリームまたは6GHz×2ストリーム
・帯域幅 :20MHz~160MHz
・動作温度:-40 ~ + 85℃
● SX-PCEBE-AP
Qualcomm製QCN9274-1チップセットを搭載したアクセスポイント用組込み無線LANモジュールで、高出力により広範囲に通信が可能です。
・対応帯域:2.4GHz、5GHz
・同時通信:2.4GHz×2ストリームと5GHz×2ストリーム
・帯域幅 :20MHz~160MHz
・動作温度:-40 ~ + 85℃
※製品の仕様は開発中のため変更される可能性があります。
■ サイレックスの技術力が可能にする高度な無線通信
サイレックスは、日本国内唯一のQualcomm(R) Authorized Design Center(ADC)として、Qualcomm Wi-Fiチップセットを提供し、以下のような製品・サービスを提供しています。
・標準およびカスタム無線LANモジュール
・無線LANドライバおよびセキュリティサプリカントライセンス
・RF設計/開発サポート、各種コンサルティングサービス
【提供価格と販売開始時期】
・SX-PCEBE :2025年3月予定
・SX-PCEBE-AP:2025年4月予定
・価格:オープン価格での提供となります。