コプラスが企画・設計監理を行った集合住宅「NIFIT KOISHIKAWA」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。
NIFIT KOISHIKAWA「2024年度グッドデザイン賞」
<物件概要>
名称 :NIFIT KOISHIKAWA
所在地 :東京都文京区小石川5丁目4番13号
主要用途 :共同住宅
構造・階数 :鉄筋コンクリート造・地上5階
住戸面積 :34.84~67.92m2
総戸数 :21戸
事業主 :東京アセットソリューション
企画・設計監理:コプラス
施工 :興建社
コプラスが企画・設計監理を行った集合住宅「NIFIT KOISHIKAWA」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞。
<コンセプト>
アフターコロナの影響で、私たちの働き方や生活様式が変化しました。
人との距離感、オンラインとオフラインのバランス、家族との充実した時間が重要視される中、従来の間取りでは新しいライフスタイル(=ニューフォーマルな生活様式)に応えることが難しくなっています。
一方で、土地や建築費の高騰が居住者に重い負担を強いているため、家賃を下げるためのデザインが求められています。
こうした2つの社会課題に対し、「兼ねる」「無くす」「抜ける」課題解決の糸口を見出し、小さな面積でもリモートワークやステイホーム慣れした住まいの間取り、子どものオンライン授業スペース、防災・収納庫の確保、万が一の隔離場所など、換気や日照といったオープンエアーの環境づくりと合わせて、日中に家族が明るく心地よく過ごせるようにプランニングを再編集しました。
<ニューフォーマルな生活様式の定義>
アフターコロナ時代における新たなライフスタイルをニューフォーマルな生活様式と定義しました。
従来の生活様式からの変化について、具体的には以下の要素が特徴となります。
1. フレキシブルな働き方:リモートワークやハイブリッド勤務が一般化し、働く場所や時間の自由度が高まります。
これにより、家庭内での作業スペースの確保が重要になります。
2. オンラインとオフラインの融合:デジタルコミュニケーションの普及により、オンラインでのつながりが増加しましたが、対面での人間関係も重視されています。
この二つのバランスを取る新しい生活が求められます。
3. 家族との時間の重視:家庭内で過ごす時間の価値が再認識され、家族との絆を深めるための空間づくりが重要視されます。
4. 効率的なスペース利用:小さな住戸でも多機能性を追求し、スペースの省力化や収納、ワークスペースの一体化など、生活の質を向上させる工夫が求められます。
5. 健康とウェルネスの意識:換気や自然光を取り入れた住環境の整備が、心身の健康を保つための重要な要素となっています。
これらが組み合わさることで、ライフスタイルの多様性に応える新しい空間の選択肢を提供します。
<審査員のコメント>
コロナ禍を経て、人々の働き方だけでなく、住まい方も大きく変わった。
家で働くことも当たり前になり、それに伴い家族との過ごし方にも大きな変化が訪れた。
従来のようなnLDKでは受け止めきれない家族相互の距離感や居場所が新しいテーマとして浮上したのである。
こうした動向に対し、小さな働く場所を設けたり、様々な場所同士が繋がったりするなど、新しい平面計画にチャレンジしているこの作品は、時代に敏感に反応した試みとして、大変優れたものである。
画一的な平面計画が今後大きく変わっていく契機にもなるだろう。