日本の経済に大きな功績を残したふたりの経営者に迫る!『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈 流通革命の旗手』大下英治著

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東峰書房は、2024年10月16日(水)、昭和平成に活躍した怪物を追うシリーズ「昭和平成二大怪物伝」の第一弾として、ダイエーの創業者・中内功とダイソーの創業者・矢野博丈、流通革命を巻き起こしたふたりについて、500冊を超えるルポルタージュを刊行してきた著者が取材・執筆した『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈 流通革命の旗手』(著:大下英治)を発売します。

 

『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈 流通革命の旗手』大下英治著

 

 

 

■『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈 流通革命の旗手』概要

シリーズ名:昭和平成二大怪物伝

判型   :四六判

ページ数 :515ページ

定価   :1,980円(税込) 本体1,800円+税

著者   :大下英治

 

東峰書房は、2024年10月16日(水)、昭和平成に活躍した怪物を追うシリーズ「昭和平成二大怪物伝」の第一弾として、ダイエーの創業者・中内功とダイソーの創業者・矢野博丈、流通革命を巻き起こしたふたりについて、500冊を超えるルポルタージュを刊行してきた著者が取材・執筆した『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈 流通革命の旗手』(著:大下英治)を発売。

 

苛烈をきわめた従軍経験と戦後の闇市を経て「安売り哲学」を掲げ、日本一の流通グループとなったダイエーの創業者・中内功(なかうち・いさお)。

「ひとたび市場に出た商品の価格は、需要と供給の関係で決定されるべきである」、メーカーの許容範囲を上回る値引きに対して、メーカー側は出荷を停止、裁判で争うことになった価格販売競争や赤羽、藤沢、津田沼や所沢を舞台に繰り広げられた競合との決戦。

それは、理屈よりなにより、まず勝つこと。

力こそすべてである、という中内の信仰にも似た考えにもとづき、その根底には、凄まじいコンプレックスがある。

「これ、なんぼ?」「えーい、100円でええ」偶然のドラマから100円ショップを作り出し、国内外で拡大を続けるダイソーの創業者・矢野博丈(やの・ひろたけ)。

没落した家に育ち、絶えず将来の不安について考える癖があり、商売でも先の怖さばかりを読んできた矢野は、商品の一つひとつは徹底して計画するも、経営計画は持たなかった。

「100円でも高級品を売っている」という自負のもと、お客さんの指示を受け、ダイソーはいまや国内4042店舗、海外26の国と地域に2296店舗(令和4年2月現在)と拡大を続けている。

今なお日本の経済に大きな功績を残している、昭和・平成の世の流通革命の旗手となったふたりの「怪物」の歩んだ道のりを追う。

<目次>

●プロローグ ダイエー中内功とダイソー矢野博丈

メーカーと小売りの価格販売競争/語り草となった競合との決戦/「一〇〇円でも高級品を売っている」/商品価値を厳しく見極める目

●第1章 苛烈をきわめた中内功の青年時代

戦う男の生い立ち/「せめて昼飯に一円五十銭のうな重を」/軟派風硬派だった神戸三中時代/港町・神戸が育んだ海外への憧れ/俳句に執心、大森実と同人誌を編集/召集逃がれの日棉入社の効もなく/関東軍から”マレーの虎“部隊に配属/米艦隊を味方とまちがえてつかの間の泰平/山下奉文の斬り込み中止命令で命拾い/飢餓地獄の中で人生最大の哲学を体得/雨が降るとうずきつづける古傷/生き残ったのは六〇〇名のうち二十名/虱だらけの軍服と十円を手にわが家へ/優秀な息子たちを闇屋にした父の思惑/ズルチンの製造、販売で大儲け/儲けの極、札束をハカリで勘定/危機を創出する経営/『サカエ薬品』に一店員として参画/旗上げのダイエー一号店が大当たり/ヒグチと一円きざみの値下げ戦争/わずか三店舗の時代に「全国制覇」を宣言

●第2章 矢野博丈の青春

父は「医は仁術」の医者/祖父は大地主、母は銀行の娘/祖父は農地改革で没落、父は貧乏医者に/父の帝王学/「すいません、すいません」/苦学の中学時代/バカにされボクシングに熱中/数人の不良を返り討ち/東京オリンピックの強化選手に/中央大学理工学部二部にやっと合格/狂うほど働き稼ぎまくる/怖い父が突然の上京/大学生時代に結婚、改名する/要領のよさで、大学を卒業/広島にある妻の実家の稼業の実態に驚く/巨額の借金で潰れかける/夜逃げの日、木賃宿での妻の一言/トラックに一切の家財道具を積んで東京へ/まったく売れない/ちり紙交換屋に転職/一気にトップの成績を/移動販売「サーキット商売」に挑戦/バカ正直で見栄っ張り商売/「矢野商店」を創業/思わず口にした「一〇〇円」/世評は「安もの買いの銭失い」

●第3章 スーパーのパイオニア、ダイエーの流通革命

図に当たった食料品、生鮮食品の販売/売れに売れた牛肉で発展にはずみ/弟が折れて最大の危機・東西分割を回避/「レインボー作戦」ひっさげ東京進攻開始/“宿命のライバル”、赤羽で激突/「兄弟喧嘩して会社つぶしたらあかんぞ」/西武の本拠地・所沢進出を目論む/一坪地主で一矢報いた形の西友側だが/熾烈な“藤沢戦争”、三円バナナまで登場/してやられた琴似での敗北に怒り心頭/スーパー軽視に憤激、稲山会長にかみつく/スーパー商品と百貨店商品との差が問題/不成功に終わった高島屋との提携/五番館との提携、残すは調印のみに/無念! 西武に“提携”さらわれる/「野球は西武、買い物はダイエー」の所沢店オープン/銀座大戦争に生き残るための条件/エンタープライズの銀座店を核に一〇〇〇億/二〇〇円ラーメンと五十円ラーメンのちがいで勝負/「中内イズムの夢を追って長距離全力疾走」

●第4章 よりいい商品を大量に、一〇〇円SHOPダイソー

矢野博丈の苦労と苦難の連続/スーパーの店頭で一日一〇〇万円以上を売る/大手の一〇〇円均一業者に勝つ/東京に進出、イトーヨーカドー北千住店へ/株式会社大創産業がスタート/ダイエーの口座が獲得できた/「ダイソーは潰れる、潰れる」/常設店舗第一号はダイエーの隣/ふたりの息子と遊ぶ暇などない/東京事業所が造反、危機一髪/アルバイトから社員に/毎日トラックに乗り各地で店を出す/「一〇〇円SHOPダイソー」/四階の「わざわざ一〇〇均」が大当たり/新設大学入学と同時に休学届けの就活学生/最初の直営店は高松市/一〇〇円均一のプライド/イトーヨーカ堂伊藤雅俊名誉会長の衝撃/「夜逃げしやすい会社がいい会社」/セブン‐イレブン社長鈴木敏文の怒り/「今日の否定」のすごさ/イオン社長岡田卓也の先見力/一商品、一〇〇万個を仕入れる/中国からの仕入れも開始/日本一怒る社長/五〇〇店舗、年商三〇〇億円、専務である妻が退社/「ダイソーが潰れる」

●第5章 栄光と転落、中内功の晩年

上場以来最大の経常利益の落ちこみ/女性による、女性のための『オ・プランタン銀座店』/石井智恵子社長の、まずはお手並拝見/王者の座を揺がす「不本意な成績」/「四兆円構想はひとつのビジョン」/「中内さんは田中角栄に匹敵する」/戦後最後の英雄はこの危機を乗り切れるか/河島博副社長による「V革」/流通科学大学の開学と経団連副会長への抜擢/中内、リクルートの会長に/江副浩正の要請/ダイエーとは全く社風の違う会社/「金は出すが、リクルートの事業には口を出さない」/平成五年(一九九三)年頭インタビュー 秀和・忠実屋・伊勢丹問題/旺盛な好奇心と「生涯現役」がエネルギーの源泉/人材と土地が支える攻めの経営/バブル崩壊後のダイエー戦略/“フォー・ザ・カスタマーズ”が戦略の物差し/社会の変化が“夢”を紡ぐ/「うまくいって一六〇億、こけたら一四〇億」/グループの黒字化、七年目がメド/“昭和六十年以降生き残り作戦”がスタート/“銭の稼げる社員”づくりが先決/本部芸者論で大転換/資金対策で浮かび上がったデベロッパー会社づくり/広がる事業の夢に意欲満々/福岡ダイエーホークスの誕生/阪神淡路大震災の発生/執務室の壁面に「臥薪嘗胆」/代表取締役の退任/個人資産の相続税対策/“所有する経営”に殉ずる/資産管理会社の特別清算で個人資産を失う/「偉大なる企業家」の死去/中内功との別れ「ワシは、エコノミークラスなんや」

●第6章 怒涛の海外展開と社長の交代

請われて台湾へ進出/邱永漢と合弁で出店/大創台北南西店は三〇〇円ショップ/NHKの特集番組の衝撃/目がクッと変わるとき/シンガポールに進出、「二ドルショップ」で大成功/カナダ店は二カナダドルで成功/ドバイは二〇〇円ショップで大成功/ニュージーランドで異例の出店、大成功/東京でライバル店との競争に/代理店方式も展開/中国進出の教訓/アメリカは一・五ドル商品で進出/「どのような国でもうちの商品を受け入れられる」/十倍働いて、十倍売る/「われながら、これがよく一〇〇円で売れるなあと驚く」/尽きることがない驚きのアイデア商品/九八〇円したものを一〇〇円で売る/長期的経営計画をつくらない/いつも「矢野節」を連発/人間は「素頭」「眼力」「運」/実の息子が入社、新しい風が/十六年間スーパーイズミで働いて/新たなるダイソー/次男靖二と社長をバトンタッチ/矢野博丈との別れ「ワシなど、不幸の連続だったから、いまがある」

●あとがき

●関連年譜

昭和平成怪物譚

■著者プロフィール

著者近影

著者:大下英治(おおした えいじ)

1944年6月7日、広島県に生まれる。

1968年3月、広島大学文学部仏文科卒業。

1970年、週刊文春の記者となる。

記者時代「小説電通」(徳間文庫)を発表し、作家としてデビュー。

さらに月刊文藝春秋に発表した「三越の女帝・竹久みちの野望と金脈」が反響を呼び、岡田社長退陣のきっかけとなった。

1983年、週刊文春を離れ、作家として独立。

以降、政治経済から芸能、犯罪、社会問題まで幅広いジャンルで創作活動をつづけている。

著書は、『十三人のユダ 三越・男たちの野望と崩壊』『美空ひばり・時代を歌う』(以上、新潮社)、『闘争! 角栄学校』(講談社)、『週刊文春 トップ屋魂』(イースト・プレス)など五〇〇冊以上にのぼる。

近著に『「政権奪取」 小沢一郎、三度目の挑戦』(東峰書房)、『論語と経営 SBI北尾吉孝(上・下)』『石原慎太郎伝』(以上、エムディエヌ)、『ハマの帝王 横浜をつくった男藤木幸夫』『任侠映画伝説 高倉健と鶴田浩二(上・下)』(以上、さくら舎)、『安倍官邸 「権力」の正体』(KADOKAWA)、『安倍晋三・昭恵 35年の春夏秋冬』(飛鳥新社)、『ショーケン 天才と狂気』(祥伝社)がある。

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