電子カルテデータベースを活用!倉敷中央病院「小児適応外薬の公知申請に資する エビデンス創出を目指した共同研究」

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倉敷中央病院、JMDC及びJMDCの子会社であるリアルワールドデータは、電子カルテから構築した医療情報データベースを用いて、現在小児適応外薬となっているプラケニル(R)の公知申請時に参考資料として利用可能なエビデンス創出をを目指した共同研究を開始します。

 

倉敷中央病院「小児適応外薬の公知申請に資する エビデンス創出を目指した共同研究」

 

倉敷中央病院、JMDC及びJMDCの子会社であるリアルワールドデータは、電子カルテから構築した医療情報データベースを用いて、現在小児適応外薬となっているプラケニル(R)の公知申請時に参考資料として利用可能なエビデンス創出をを目指した共同研究を開始。

なおこの研究は、難病を含めた小児医療の発展のためにビッグデータを活用してJMDCが始動させた支援プロジェクト「Big Data For Children」の一環として実施されます。

■ 本研究の概要

電子カルテデータベースには、保険適応の有無に関わらず患者さんに処方された医薬品の情報が記録されています。

そこで倉敷中央病院、JMDC及びRWDは、RWDにて従来から構築していた電子カルテデータベース(RWD-DB)を用いて、現在は小児適応外薬となっているプラケニル(R)の公知申請を目指した共同研究を開始します。

プラケニル(R)は現在、日本では全身性及び皮膚エリテマトーデスの治療薬として承認されており、また欧米の治療ガイドラインでは小児の遺伝性間質性肺疾患への治療の一つとして推奨されています。

他方、日本では6歳未満の小児に対しては禁忌とされており、適応外となっています。

出生時から呼吸障害をきたし、他の治療で効果が見られない場合は死亡を含め重篤な経過をたどるため、現状では、倫理審査や保護者の同意を経て、プラケニル(R)を投与するケースが存在していますが、倫理審査には時間がかかり治療計画に影響があるため、適応承認が望まれています。

なお、RWD-DBを使用したDB研究においては、公知申請ではありませんが、過去アセトアミノフェンにおける重篤な腎障害のある患者に対する禁忌解除の際に活用されています。

*1 *2

*1 PMDAが作成した調査結果報告書 https://www.pmda.go.jp/files/000264874.pdf

*2 引用された文献 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=https%3A%2F%2Flink.springer.com%2Farticle%2F10.1007%2Fs11255-020-02596-7

本研究では電子カルテデータベースを解析して、日本国内における小児例へのプラケニルの使用状況及び副作用として懸念されている網膜症の発症率について集計することで、プラケニル(R)の公知申請のエビデンス創出を目指します。

【公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院について】

1923年に倉敷紡績株式会社社長であった大原 孫三郎氏により開設。

岡山県西部の中核医療機関として高度急性期医療および高度先進医療(高額医療機器が必要な医療、高難易度の治療、希少疾患に対する専門的治療など)を担っています。

URL: https://www.kchnet.or.jp/

【Big Data For Childrenについて】

日本では、子ども向けの医薬品開発が非常に少なく、臨床現場では、オフラベルでの薬剤使用や大人用製剤が個々の医師や薬剤師の工夫により使用されています。

疾病負荷(Disease Burden)の観点では、疾病を抱えた子どもにかかる生活負担や経済的負担など、様々な負担の詳しい調査・分析は十分行われていません。

子どもたちがどんな疾病にどのくらいかかり、どのくらいの通院や入院をしているか、といった基礎的な記述疫学も十分行われていません。

「Big Data For Children」は、JMDCが有する国内最大級のヘルスビッグデータを活用し、小児における疾患・治療の実態についての研究が困難な状況を解消するためのユニークな取り組みを推進するプロジェクトです。

病気に苦しむ子どもたちの実態を社会に伝えることで、日本の未来をつくる子どもたちを救うきっかけづくりを行っています。

URL: https://www.bigdataforchildren.jp/

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