北陽電機は、Lumotive社と共同で開発した独自のソリッドステートスキャニング技術を活用した3D LiDARのプロトタイプモデル「YLM-X001」の量産モデル「YLM-10LX」を商品化することが決定しました。
北陽電機 ソリッドステート3D LiDAR「YLM-10LX」
2024年6月に発表した「YLM-X001」と比較して小型のLCM(TM)(Light Control Metasurface)チップLM10を採用することでサイズとコストを最適化し、より小さな筐体に収まるように内部構造を再設計しました。
北陽電機は、本製品の核となる機能を実現するために、独自のLiDAR設計技術とLumotive社の最先端ビームステアリング技術LCMを統合しました。
この製品では1ラインのレーザ光を垂直に走査しながら投光し、1ラインずつ受光します。
そのため、視野全体に光を照射するToFカメラと比べて、マルチパス干渉を軽減できるため、移動体の環境でもより正確な距離測定が可能となります。
機械的なスキャンとは異なり、FoV(視野)の範囲、FoVの数、およびその解像度をソフトウェアによって動的に変更することができます。
また複数のFoVを同時に設定することもできます。
本製品は、従来のメカニカルスキャン技術では実現できなかった革新的なアプリケーションを可能にし、今後LiDARの利用拡大が見込まれるAGV/AMRやサービスロボットなど、将来の搬送機器を中心に事業拡大を目指します。
■主な仕様
検出距離 :0.5~10m(反射率10%時)
視野(FoV) :水平:120度(固定)
垂直 :90度(ソフトウェアにて変更可能)
距離精度 :σ<0.7%(反射率10%時)
画像解像度 :最大 640×480(VGA)、デフォルト 320×240(QVGA)
角度分解能 :最小 0.188度(VGA)、デフォルト 0.375度(QVGA)
フレームレート:10Hz以上(QVGA)
サイズ :W120.0mm×D57.2mm×H63.5mm