2024年2月18日、第72回中野区珠算競技大会(中野区 なかのZERO)で「フラッシュ暗算」のギネス世界記録(TM)挑戦がおこなわれました。
第72回中野区珠算競技大会「フラッシュ暗算」ギネス世界記録(TM)更新
フラッシュ暗算とは、スクリーン上に点滅する数字を計算していくものです。
挑戦権は会場にいる「フラッシュ暗算検定(日本フラッシュ暗算検定協会主催)十段以上」を保持している者に与えられました。
今回、挑戦した問題は、15個の3桁の数字を「1.61秒」で計算するという内容です。
会場にいた宮本 理香子さんが見事正答。
ギネス世界記録(TM)が更新されました。
フラッシュ暗算のギネス世界記録(TM)認定
「フラッシュ暗算」は1978年に開発されました。
その開発された地が「中野区」です。
今回は、その開発の地で、72年間続く珠算大会の中で挑戦がおこなわれました。
大会当日は、酒井 直人区長(中野区)も見守る中、1.61秒(3桁の数字を15個表示)の記録が更新。
記録後、ギネスワールドレコーズリミテッドに申請をおこない、2024年2月29日に認定がされました。
「フラッシュ暗算」は、頭の中でそろばんをイメージして計算をする方法(=そろばん式暗算)で計算がおこなわれている。
そろばんでの計算方法を習得していなければ、ギネス世界記録(TM)にもなる問題の計算は不可能に近い。
「フラッシュ暗算」が初めてギネス世界記録(TM)に認定されたのは2010年(当時の記録:1.83秒/3桁の数字を15個表示)。
当初「フラッシュ暗算」のギネス世界記録(TM)を申請した段階では、英国本社ギネスワールドレコーズリミテッドに「フラッシュ暗算」を理解してもらうことは難しかった。
これは数字を読み取る競争なのか、計算をするなど不可能だ、というのが最初の反応でした。
「フラッシュ暗算」のギネス世界記録(TM)の申請に辺り、担当者へ日本のそろばん技術を説明する必要があった。
そろばんの歴史から、競技大会・検定試験、フラッシュ暗算の開発経緯、プログラムの内容を事細かく説明をし、英国の担当者へ理解してもらえたのだ。
日本の誇るべき「そろばん」の計算技術が「フラッシュ暗算」を通して、世界に認められました。
フラッシュ暗算がギネス世界記録(TM)に初めて認定されてから、14年の時を経て「1.61秒(3桁の数字を15個表示)」という速さまできた。
フラッシュ暗算の競技がおこなわれる「珠算界」では「競技そろばん(TM)」と呼ばれる世界があります。
彼らは、人間の能力の限界に挑み、速さと正確さを競い続けている。
スポーツの世界と同様、0.01秒のタイムを削るために、何万回もの練習を重ねる。
競技そろばん(TM)に向き合う選手の姿はアスリートそのものです。
一般的に、人は計算をする時に、言語脳である「左脳」を使います。
しかし、そろばん式暗算習得者は「右脳」で計算をおこなうので、計算をしながら会話をすることも可能。
そろばんを習得すると、イメージ力や記憶力がアップし、右脳が鍛えられるという所以は、このそろばん式暗算の習得からきています。
今後も人間の計算能力というのは、フラッシュ暗算を通して、限界を超えていくことでしょう。
宮本 理香子さんについて
両親の営むそろばん教室(宮本暗算研究塾Max)で2歳からそろばんを習ってきた宮本 理香子さん。
現在は、八王子市でそろばん教室(宮本暗算研究塾Max八王子教室)で先生としてそろばん指導をおこなっています。
一流選手と先生の二刀流です。
宮本 理香子さんのコメント
「フラッシュ暗算のギネス世界記録(TM)というのは、一つの大きな目標でした。
フラッシュ暗算の問題は、一瞬で終わってしまいますが、練習に懸けてきた時間は数えきれません。
一人ではここまでこれなかったと思っています。
日々、支えてくれる家族、一緒に競い合うライバルたち、応援してくれる全国の先生方に、感謝の気持ちでいっぱいです。
さらに、今回は自分が指導している生徒たちの前で挑戦できたことが何よりも力になりました。
生徒たちにかっこいい姿を見せることができ、また夢を与えることができ、とても嬉しかったです。
自分の記録を超える生徒を育てることが、今後の目標です。
私自身も更なる記録更新に向けて頑張ります。」
ギネス世界記録(TM)は、2024年3月19日に一般社団法人日本フラッシュ暗算検定協会名誉会長の東尾 理子氏から授与されました。
一般社団法人日本フラッシュ暗算検定協会主催の「フラッシュ暗算検定」は、文部科学省後援の検定試験。
インターネットに繋げて自宅で受験が可能。
受験者数は延べ150万人を超えます。