コトブキ印刷が展開する、企業で発生する廃材を障がいのある方々の手によって手漉き紙に生まれ変わらせるプロジェクト「めぐる、手漉紙。」が、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会主催の「ソーシャルプロダクツ・アワード2024」においてソーシャルプロダクツ賞を受賞しました。
コトブキ印刷「めぐる、手漉紙。」
「めぐる、手漉紙。」とは
「めぐる、手漉紙。」は、今まで捨てられていた廃材を福祉施設で手漉き紙にアップサイクルし、資源の循環や障がいのある方の自立支援を目指すプロジェクトです。
企業や工場で日々発生する廃材を新しい紙に生まれ変わらせることで、環境にやさしい循環型社会に貢献したい。
また、福祉作業所の利用者さんたちに紙漉きの仕事をお願いして工賃アップにつなげることで、障がいのある方々を苦しめる工賃格差問題という社会課題を解決したい。
そんな思いから始まった取り組みです。
広島県府中市はデニムや家具、味噌など、ものづくりが盛んなまち。
伝統産業を担う地元企業から製造過程で生じる廃材を提供いただき、これまでに同社のオリジナル商品として「インディゴデニムペーパー」「家具の木くずぺーパー」「みそペーパー」を開発・発売しました。
素材の配合や手漉き作業などは、紙漉き事業を行っている障がい者施設にご協力いただいています。
一枚ずつ手作業で丁寧に漉き込まれた紙を通して、廃材の背景にある物語を伝えるとともに、紙を使う人、手漉きをする人、SDGsに取り組む企業、子どもたちが暮らす地球のあいだに「喜びの循環」を生み出すことを目指しています。
地域での資源循環や障がいのある方々の雇用創出に向けた第一歩として、広島県福山市の自立支援施設との協働も始まりました。
全国の福祉施設で作られた手漉き紙も「めぐる、手漉紙。」として販売を行っています。
*「めぐる、手漉紙。」詳細URL:
https://meguru-tesukigami.com/
審査員コメント
環境と社会の両面に焦点を当てた非常に意義深い取り組みである。
企業の廃材を有効活用する環境的側面と、障がい者の工賃格差の問題・福祉施設の苦手分野である販売領域に新たな可能性をもたらす社会的側面をうまく融合させている。
廃材を出した企業が名刺として再利用するストーリーは、洗練されたブランドの世界観を作り上げている。
まさに「廃材は物語の種」であり、出発地点。
今後も本商品のストーリーが社会に伝わっていくことが嘱望される。