MS&ADインターリスク総研は、一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム及びHR総研と共同で、人的資本経営と開示に関する企業・団体等の取組状況を大規模調査する「人的資本調査2023」を2023年の9月から12月にかけて実施しました。
本調査は昨年度に引き続き第二回目の実施となり、今回、申込総数は470社を超え、233社から調査票が提出されました。
本調査レポートを公開するとともに、併せて受賞企業の表彰イベントについて案内します。
MS&ADインターリスク総研「人的資本調査2023」分析レポート
1. 「人的資本調査2023 分析レポート」の発表
【調査の実施概要】
アンケート名称 人的資本調査2023
調査期間 2023年9月11日~12月15日
有効回答 233件(上場企業、非上場企業を含むすべての企業・団体)
【調査結果サマリー】
●全体的に取組みレベルに課題がある項目
(1) 人事システムの統合的管理
調査項目の中で「取組みレベルに課題がある3項目」の1つ目は、「人事システムの統合的管理」です。
9割近くの企業で、人事の複数領域にまたがるデータを効率的に連携できていないことが分かりました。
本調査の多くの項目では前回調査に比べ取組みの水準が向上していますが、本設問については前回調査からほとんど変わらない回答分布となっています。
(2) 人的資本に係る取組みと財務指標との関連性の整理
2つ目は「人的資本に係る取組みと財務指標との関連性の整理」です。
7割近くの企業で、人的資本の取組と財務指標の関連を検討できておらず、8割以上の企業で関連性の分析ができていない状況となっています。
人的資本の取組みが企業価値向上につながることをデータに基づき検証できている企業はまだ少数と言えるでしょう。
(3) 社内の優秀人材が重視する指標や取組みの開示
3つ目は「社内の優秀人材が重視する指標や取組みの開示」です。
8割近くの企業で、優秀人材が重視する指標や取り組みについて、従業員に数値データで開示できていないことが分かりました。
自社従業員のエンゲージメント向上のためにも、従業員向けの開示を今後充実させていく必要があることが示唆される結果となりました。
以上の「取組みレベルに課題がある3項目」の結果を見ると、現状の課題として「人的資本情報(データ)の効率的な活用」と「ステークホルダーへの定量情報を用いた説得力の高い開示」が挙げられます。
その他、レポート本編では主に以下の観点における分析結果から、人的資本経営・開示に取組む企業の最新の傾向を発表していますのでぜひご参照ください。
● 全体的に特に取組みが進んでいる項目
● 重要視しているKPI項目の傾向
● 外部に開示している指標の傾向
【人的資本調査2023の全体分析レポートのダウンロード】
人的資本調査2023の全体分析レポート本編は、下記URLからダウンロードいただけます。
https://www.atpress.ne.jp/releases/388958/att_388958_1.pdf
「人的資本リーダーズ2023表彰イベント」のオンライン配信
「人的資本調査2023」の結果報告を含めた「人的資本リーダーズ2023表彰イベント」のオンライン配信を開始しました。
同イベントでは、「人的資本リーダーズ2023」に選出された企業様の取組紹介に加え、選考委員の先生方によるパネルディスカッション、特別講演として厚生労働省参事官(総合政策統括担当)の平嶋様による「三位一体の労働市場改革について」と金融庁企画市場局企業開示課課長補佐の面谷様による「有価証券報告書における人的資本開示の好事例について」などが含まれます。
以下の表彰イベント視聴お申込ページからお申込み後、すぐに視聴いただけます。
<表彰イベント視聴申込みページ>
https://hcs-award2023.peatix.com/
【プログラム】
A) 人的資本リーダーズ2023表彰式
リーダー企業8社の表彰と取組みの紹介
B) 人的資本リーダーズ2023選考委員セッション
選考委員によるリーダー企業選考における評価ポイントの解説
C) 特別講演(1)「三位一体の労働市場改革について」(厚生労働省)
厚生労働省参事官(総合政策統括担当)の平嶋様より、2023年5月に新しい資本主義実現会議が示した三位一体の労働市場改革についてのご講演
特別講演(2)「有価証券報告書における人的資本開示の好事例について」(金融庁)
金融庁企画市場局企業開示課課長補佐の面谷様より、金融庁がとりまとめた「記述情報の開示の好事例集2023」のうち人的資本に係る内容についてご講演
D) 人的資本調査2023全体分析(HR総研)
人的資本調査2023の分析から日本企業の人的資本経営における現状や課題を解説