フードバンクと食品提供事業者をマッチング!G-Place「フーディール」

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自治体向けの業務支援を行う「G-Place」の公共イノベーション事業グループは、都道府県の食品ロス削減を目的としてフードバンクと食品提供事業者をマッチングさせるサービス「フーディール」の全国展開を2024年4月1日に開始します。

 

G-Place「フーディール」

 

 

本サービスの利用により、規格外やパッケージの印字ミスなどにより一般流通させられない商品や余剰在庫品といった食品ロスになりうる食品を、必要としている方々へ提供を促す取り組みとして、都道府県主体で進めることができます。

また、企業が抱える規格外商品や余剰在庫に留まらず、自治体の防災用備蓄食品の有効活用にも利用できます。

「フーディール」は、岡山県から相談を受け開発に着手し、2023年3月から同県に向けて提供していますが、全国の食品提供事業者が利用できる仕組みであるため、全都道府県とフードバンクに活用いただけるようにサービスを拡張します。

※フードバンクとは、食品の生産や製造加工で発生する規格外商品や余剰在庫などを引き取り、児童養護施設、障碍者福祉施設、ホームレス支援団体など食品を必要とする法人・企業等に無料で提供する活動および団体を指します。

 

サービス概要

 

サービス名称 :Foodeal (アルファベットが正式表記、読み:フーディール)

提供先    :全国の都道府県

利用料金   :導入費 1,100,000円(税込)、月額利用料 165,000円(税込)

※ともに自治体のみ

利用者    :都道府県下のフードバンク団体 および食品の提供を希望する全国の食品メーカー、食品小売企業等(食品提供事業者)

提供バージョン:ウェブブラウザ版、アプリ版

 

担当者のコメント

 

フーディールは、食品ロスを削減するだけでなく、福祉支援の側面もあるサービスです。

食品を必要とする社会福祉団体等を支えるフードバンクのニーズと、食品を寄付したいが実施できていないという事業者の課題、その双方に有効な解決策の一つだと考えています。

食品ロスに対する取組が盛んな岡山県から依頼を受けて開発・リリースした当サービスですが、今回の全国展開を機により多くの地域の“食品ロス削減”と、“社会福祉施設が安定的に食品を確保できるようになること”を期待しています。

(株式会社G-Place公共イノベーション事業グループ西日本営業チームチーフ 食品ロス関連サービス開発担当 中島 啓介)

 

フーディールの仕組みと特徴

 

 

「フーディール」は、フードバンク団体と全国の食品提供事業をマッチングさせるサービスで、ウェブブラウザ版とアプリ版が提供されています。

サービス導入の主体は都道府県で、フードバンク団体、食品提供事業者ともに無料で利用することができます。

域内のフードバンク団体は登録申請を行い、承認されたのちに利用を開始できます。

一方の食品提供事業者は所在地に関わらず利用することができ、そのままでは消費されない商品をシステム上に出品します。

フードバンク団体は出品された中から希望する食品を選び、数量や受け取りの希望日時を入力することで依頼、出品者が承認すれば、そこで取引が成立します。

また都道府県は、取引完了数や食品ロスの削減量の集計結果を確認することができます。

フードバンク団体は、「フーディール」を利用して安定的かつ簡易な手続きで必要な食品を確保できるようになります。

なお、食品の受け取りに際した配送関連の条件や、食品を保管できる量などは団体によって異なるため、システム内で設定ができるようになっています。

食品提供事業者は、食品ロスの削減や社会福祉団体の支援の取り組みの一つとして「フーディール」を活用できます。

また、同サービスを通じて食品を寄付すると受領書が発行され、国から税金控除を受ける際の証明書として利用することができます。

食品を提供する側の利便性も確保することで、定期的な食品の出品を促し、フードバンクのニーズに応えられる仕組みを作っています。

なお「フーディール」は、自治体ごとに個別のシステムを開発するのではなく、専用アカウントを発行された複数の自治体が一つのシステムを利用する「プラットフォーム型」のサービスです。

2024年3月現在、自治体向けに、こうした形式でフードバンクと食品提供事業者のマッチングを助ける仕組みを提供している国内唯一のサービスとなります。

 

世界でも注目される「食品ロス問題」について

 

2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に基づく「持続可能な開発目標(SDGs)」(※3)でも、食料廃棄の削減が重要な柱として位置付けられるなど「食品ロス」は国際的に重要視されており、日本でも2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されました。

そして、家庭系及び事業系の食品ロスのいずれについても2030年度までに2000年度比で半減するとの目標が定められています。

その背景には、世界の食料廃棄量が年間約13億トンにのぼり、人の消費のために生産された食料のおおよそ3分の1が廃棄されているという実情があります。

また、IPCC土地関係特別報告書で人為的な温室効果ガス排出量の8-10%が食品ロスおよび排気に由来する可能性が示されたこともあり、温暖化対策の観点からもこの問題が注目されています。

日本の食品ロス量は年間523万トンであり、これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量の1.2倍に相当します。

日本の食料自給率(カロリーベース)は37%にとどまっており、食料の多くを海外からの輸入に依存している中で、大量の食品ロスを出していることも問題です。

 

日本のフードバンク支援と食品ロス対策

 

日本では、2019年10月に施行された「食品ロスの削減の推進に関する法律」において、国の基本的施策のひとつとしてフードバンク支援が明記されており、翌2020年に閣議決定された「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」においてフードバンク活動の支援のための具体的方策が示されています。

農林水産省でも、食品原材料価格の高騰等を受け、安定的な食料供給の観点から食品ロスの削減を重視しており、農林水産省が食品ロス削減緊急対策事業としてフードバンクの支援を実施するなど、フードバンクの活用と食品ロスの対策の両立に注目が集まっています。

こうした中で都道府県は、「フーディール」を導入することで食品ロスと福祉支援のニーズへの対策を主体的に進める事ができます。

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