国立文化財機構 文化財活用センター〈ぶんかつ〉が作品輸送費等を支出し、東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館の4つの国立博物館が収蔵品を貸し出す「国立博物館収蔵品貸与促進事業」において、2024年度事業の実施対象館が決定しました。
国立博物館が所蔵する各地域ゆかりの文化財86件が、鹿児島、岐阜、福井、愛知、栃木、茨城の6つの施設で順次公開される予定です。
国立博物館収蔵品貸与促進事業 実施対象館
対象館 :鹿児島市立美術館(鹿児島県)
展覧会名 :鹿児島市立美術館開館70周年記念「没後100年 黒田清輝とその時代」
会期 :2024年7月24日(水)~2024年9月1日(日)
貸与予定件数:43件
対象館 :岐阜県美術館(岐阜県)
展覧会名 :「清流の国ぎふ」文化祭2024 PARALLEL MODE:山本芳翠展
会期 :2024年9月27日(金)~2024年12月8日(日)
貸与予定件数:6件
対象館 :福井市立郷土歴史博物館(福井県)
展覧会名 :鉄(くろがね)の名工 越前明珍(えちぜんみょうちん)
会期 :2024年10月19日(土)~2024年12月1日(日)
貸与予定件数:6件
対象館 :豊橋市美術博物館(愛知県)
展覧会名 :銅鐸の国 -伊奈銅鐸出土100年-
会期 :2024年11月30日(土)~2025年2月2日(日)
貸与予定件数:14件
対象館 :佐野市立吉澤記念美術館(栃木県)
展覧会名 :佐野市合併20周年記念特別企画展
「丸山瓦全と佐野の文化財保護
~天明鋳物を護り、エラスムス像を見つけた~」(仮称)
会期 :2025年1月25日(土)~2025年3月9日(日)
貸与予定件数:9件
対象館 :茨城県立歴史館(茨城県)
展覧会名 :開館50周年記念 春の特別展「雪村 -常陸に生まれし遊歴の画僧-」
会期 :2025年2月15日(土)~2025年4月6日(日)
貸与予定件数:8件
■2024年度 国立博物館収蔵品貸与促進事業 展覧会概要(会期順)
<鹿児島市立美術館>
鹿児島市立美術館開館70周年記念「没後100年 黒田清輝とその時代」
貸与予定件数: 43件
会期 : 2024年7月24日(水)~2024年9月1日(日)
URL :
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みどころ:2024年に開館70周年を迎える鹿児島市立美術館では、没後100年となる日本近代を代表する郷土作家・黒田清輝(1866~1924)の足跡を多角的に紹介する展覧会を開催します。
鹿児島で生まれた黒田は、法律の修学を志して留学したフランスで絵画の道へ転向しました。
帰国後、清新な画風で日本の洋画を開拓し、生涯にわたって日本の美術振興に力を注いだその存在は、鹿児島において藤島武二(1867~1943)や和田英作(1874~1959)をはじめとした作家たちの輩出にも影響を及ぼしました。
本展では、黒田清輝筆「湖畔」(重要文化財)をはじめ、東京国立博物館が所蔵する黒田、そして同時代に活躍した画家の作品をあわせ43件を貸し出す予定です。
<岐阜県美術館>
「清流の国ぎふ」文化祭2024 PARALLEL MODE:山本芳翠展
貸与予定件数: 6件
会期 : 2024年9月27日(金)~2024年12月8日(日)
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みどころ:日本洋画の素地を築いた山本芳翠(1850~1906)は、美濃国恵那郡野志村(岐阜県恵那郡明智町)生まれの近代洋画家です。
五姓田芳柳(1827~1892)に学び、のちフランスで本格的な油彩画技法を身に着けました。
帰国後の活動は、明治美術会や白馬会などの美術団体結成、日清・日露戦争への従軍画家としての参加、演劇等他の芸術分野との交流など多彩なものでした。
本展では、山本芳翠や黒田清輝(1866~1924)らの作品を通して彼らがフランスから日本へもたらした明治洋画が、今日までどのように受け止められてきたのか考察します。
東京国立博物館から、山本芳翠筆「月夜虎」ほか、黒田清輝作品とあわせて6件の作品を貸し出す予定です。
<福井市立郷土歴史博物館>
鉄(くろがね)の名工 越前明珍(えちぜんみょうちん)
貸与予定件数: 6件
会期 : 2024年10月19日(土)~2024年12月1日(日)
URL :
http://www.history.museum.city.fukui.fukui.jp/
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みどころ: 福井藩主越前松平家のお抱え甲冑師「越前明珍」は代々小左衛門吉久を名乗り、甲冑・自在置物・鉄鐔など、鍛鉄とその加工技術を巧みに用いた名作を遺しています。
本展では、明珍を中心とする越前の鍛冶の作品の数々、全国の明珍派はじめ名工が手がけた「自在置物」などを一堂に集め、江戸時代の金属加工技術の粋と、その中で確かな位置を占める越前明珍の軌跡を追います。
東京国立博物館から「自在鷹置物」、「甲冑金物」など6件を貸し出す予定です。
<豊橋市美術博物館>
銅鐸の国 -伊奈銅鐸出土100年-
貸与予定件数: 14件
会期 : 2024年11月30日(土)~2025年2月2日(日)
URL :
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みどころ:大正13年(1924)12月27日に、宝飯郡小坂井村伊奈字松間の麦畑(現・豊橋市立前芝中学校校庭)から3口の三遠式銅鐸が出土し、その後、東京帝室博物館に収蔵されました。
本展は、出土から100年を記念し、国内有数の銅鐸集中地帯として知られる三河・遠江地方から出土した銅鐸を一堂に会し、銅鐸の果たした意義と弥生時代の社会を考える展覧会です。
東京国立博物館から13件、奈良国立博物館から1件の銅鐸を貸し出す予定です。
<佐野市立吉澤記念美術館>
佐野市合併20周年記念特別企画展
「丸山瓦全と佐野の文化財保護~天明鋳物を護り、エラスムス像を見つけた~」(仮称)
貸与予定件数: 9件
会期 : 2025年1月25日(土)~2025年3月9日(日)
URL :
https://www.city.sano.lg.jp/sp/yoshizawakinembijutsukan/index.html
Instagram :
https://www.instagram.com/yoshizawa_muse_sano/
みどころ:佐野市立吉澤記念美術館では佐野市合併20周年を記念し、足利の考古学者・丸山瓦全(1874~1951)を取り上げた展覧会を開催します。
丸山瓦全は、少年期を母の実家である葛生(佐野市)の吉澤家で過ごしました。
同家は江戸時代後期以来書画に親しんだことから、瓦全も幅広い文物に深い関心を持ちました。
龍江院(佐野市)にあったリーフデ号船尾像の発見・調査と旧国宝指定、天明鋳物研究と戦時下における梵鐘保護活動など、栃木県の文化財保護に大きな功績を残しました。
本展では「銅梅竹透釣燈籠」(重要文化財)をはじめ、東京国立博物館から9件を貸し出す予定です。
<茨城県立歴史館>
開館50周年記念 春の特別展「雪村 -常陸に生まれし遊歴の画僧-」
貸与予定件数: 8件
会期 : 2025年2月15日(土) ~ 2025年4月6日(日)
URL :
https://rekishikan-ibk.jp/
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https://www.instagram.com/ibareki.official/
みどころ:茨城県立歴史館は開館50周年を記念し、常陸の国の部垂(現在の茨城県常陸大宮市)を出生地とする戦国時代の画僧・雪村周継の名品を紹介する展覧会を開催します。
雪村は常陸北部を領した佐竹一族として生まれ、幼くして出家すると正宗寺などで画業の修練を重ねます。
のちには会津や小田原、鎌倉などを訪れて画才を磨き、晩年は会津や三春(現在の福島県田村郡三春町)を往来しながら多くの傑作を生み出しました。
本展では、雪村の作品とともに雪村を育んだ時代や地域に関連する資料を紹介し、茨城県および周辺地域の歴史と文化の奥深さや交流の様子などにも触れていきます。
東京国立博物館からは「鷹山水図屏風」(重要美術品)を含む4件、京都国立博物館からは「雪景山水図」など4件、あわせて8件を貸し出す予定です。
■2025年度「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」募集予定
2025年度から事業名称が「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」となり、従来の4つの国立博物館に加えて東京・奈良の2つの文化財研究所の所蔵品も貸出対象となります。
2024年4月1日(月)から、2025年度国立文化財機構所蔵品貸与促進事業実施対象館の申請受付を開始します。
申請受付期間:2024年4月1日(月)~6月28日(金) [17時必着]
貸与促進事業の申請、展覧会情報に関する詳細は、以下の〈ぶんかつ〉公式ウェブサイトで確認できます。
URL:
https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_free_page/index.php?id=3
全国の美術館・博物館からのご応募をお待ちしています。