J&J事業創造は、「伝統の技」×「現代の技・アイデア」で未来の伝統工芸の形を創造するプロジェクト「Bank of Craft」の一環として、京都・西陣織柄のリ・デザインを活用したNFT商品を「JINNAN HOUSE STORE」で販売を開始しました。
J&J事業創造 西陣織柄のリ・デザインNFT
販売場所:JINNAN HOUSE STORE:
Bank of Craft
販売期間:2024年2月20日~
販売数 :4個限定
テーブルランナーお届け時期:購入者に別途ご連絡します。
本NFT商品はリ・デザインのデジタルデータのほかに、京都・西陣織の工芸事業者がそのリ・デザイン柄で購入後にテーブルランナーを織ってくれる権利がセットになったもので、テーブルランナーは後日購入者に届けられます。
販売数は限定4個です(NFTマーケットプレイス「OpenSea」にも掲載)。
今回の取り組みは昨年12月にスタートした、現代のクリエイターが伝統工芸の文脈や歴史からインスピレーションを受け、それぞれの解釈で考案したデザイン柄=リ・デザインを活用した4つのコラボレーションのひとつです。
本コラボレーションはデジタルコラボレーションと称し、西陣織の織元である京都西陣おおば、株式会社安田、今河織物株式会社の3社の後継者が西陣の新たな文化を発信するために立ち上げたグループ「N180(ニシジンワンエイティー)」と、クリエイターのMasahiko Kajima氏がコラボ。
Masahiko Kajima氏が考案した西陣織柄をリ・デザインした6種類のデジタルデータをNFTアートとして発売するとともに、今河織物の今河宗一郎氏がテーブルランナーを織りあげます。
<リ・デザインのポイント(Masahiko Kajima氏)>
織物と対極にあるデジタル的な要素を織物にも表現できないかという着想から、西陣織の縦織や丸い糸の束を円と線で表現したタイポデザインを制作しました。
当プロジェクト名である「Bank of Craft」と西陣織の職人チーム「N180」をマテリアルとし、ランダムにレイアウトした幾何学的なグラフィックとなっています。
<テーブルランナーを織るポイント(今河織物の今河宗一郎氏)>
今回の話がきた際、デジタルデータと織物それぞれの特性を引き出すコラボレーションが果たして成り立つのか、正直不安でした。
デジタルからアナログである西陣織に変換する試みには様々な制約が伴います。
Kajima氏に織物の構造を説明させていただき、後日「そのままの再現ではなく、リ・デザインされたNFTアートと織物が生まれる」というテーマと共に提案いただいたことで、これは私にとって難しいだけでなく、同時にワクワクする挑戦になりました。
織物の厚みは1mmにも満たないですが、その薄さの中で複数本の糸が複雑に重なり合い、色や柄が表現されます。
デジタルと織物では表現できる細かさが異なるため、通常とは異なる工夫が必要でした。
平面で表現されるデジタルに対し、織物では厚みや素材の変化を利用することによる表現も試みました。
【協力】N180:
https://nishijin180.localinfo.jp/
【監修・製造】今河織物株式会社:
【デザイン】Masahiko Kajima氏:
https://www.instagram.com/106hkaji
<リ・デザインは現代クリエイターが“伝統”を学ぶことから始まる>
今回実施された4つのコラボレーションでは、現代クリエイターが伝統工芸柄を自身の解釈によってリ・デザインしていることが重要なポイントとなっています。
リ・デザインは単に伝統工芸の柄を新たなデザインに作り変えることではありません。
実際に伝統工芸事業者や職人の方の話を聞いたり、仕事を見学したり、伝統工芸が作られている地域を知るなどして交流し、伝統を受け継いできた人の誇りや想い、伝統に裏打ちされた高度かつ確かな技術、伝統があるゆえの美意識など脈々と受け継がれてきた “伝統”を多方面から理解します。
そしてそこからインスピレーションを得ることで、伝統を活かしながら、若い方々や海外の方々にも広く支持される新しい伝統工芸のデザインや商品を、伝統工芸事業者とともに生み出します。
<その他の3つのコラボレーション>
(1)企業コラボレーション:福岡「博多織」×株式会社伊藤園×Masatoo Hirano氏
1928年創業の博多織メーカー・株式会社鴛海織物工場と、緑茶飲料の世界No.1ブランド「お~いお茶」を生産販売する株式会社伊藤園、そしてクリエイターのMasatoo Hirano氏がコラボ。
福岡空港の国際線旅客ターミナルビルに設置されている株式会社伊藤園の自動販売機1台に、Masatoo Hirano氏がリ・デザインした博多織柄をラッピングし、海外からの旅行者にも広くアピール。
(2)SDGsコラボレーション:群馬「桐生織」×廃棄ビニール傘から生まれたブランドPLASTICITY(株式会社モンドデザイン)×Emi Arihisa氏
1877年から桐生織の生産を開始した森秀織物株式会社と、廃棄ビニール傘を再利用するアップサイクルブランド「PLASTICITY」、そしてクリエイターのEmi Arihisa氏がコラボ。
Emi Arihisa氏が桐生織から着想して制作したリ・デザインを活用し、廃棄されたビニール傘を再利用したマルチショルダーケースを販売。
(3)地域コラボレーション:静岡「駿河和染」×茶屋すずわ(静岡のお茶問屋)×Hal Shibata氏
静岡ならではの天然染料を使ったお茶染めに、製造工程で出る商品にならない茶葉を使い環境にも配慮した技法を考案したお茶染め Washizu.(鷲巣染物店の5代目)と、170年こだわりのお茶を作り続けてきた茶屋すずわ(静岡のお茶問屋)、そしてクリエイターのHal Shibata氏がコラボ。
Hal Shibata氏が駿河湾や富士山から考案した新しい駿河和染のデザインで、お茶染め Washizu.が茶染・型染による茶巾袋を制作し、茶屋すずわがブレンドした煎茶、和紅茶、和烏龍茶を詰めたお茶パックを販売。