山口県・周防大島発の調味料ブランド「土ノ音(つちのね)」は、2023年3月に販売を開始した調味料が、ブランド設立から10ヶ月で所在地の山口県を中心に全国50ヶ所へ展開していることを発表しました。
ギフトやお土産、セレクトショップにて、ワインにあう料理が作れると評判を集め、ワイナリーやワイン専門店、飲食店・ホテルなどからも支持を集めています。
土ノ音(つちのね)「野菜を奏でる調味料」
価格:各1,080円(税込)
・菜種油ジェノベーゼ
・卵黄酢みそディップ
・島生姜シロップ
・エビ&味噌フォンデュ
料理人目線で開発された「野菜を奏でる調味料」
どれも個性的ではあるものの、ハイクオリティで唯一無二の調味料は、品質維持のため半受注生産。
月間生産本数はトータルで1,500本までと上限も設けています。
野菜を愛する料理人が土ノ音に至るまで
野菜を愛する料理人・「土ノ音」代表 池本 由言 氏は、幼少期を広島県の山間で過ごし、昔ながらの有機農業、約30羽の鶏の飼育、おばあちゃんは川で洗濯へなど自給自足のような暮らしの中で野菜本来の味に触れながら育ちました。
その後阪神淡路大震災の年に料理人となりましたが、扱う野菜の味は全く別物で違和感を覚えました。
料理人のキャリアとしては、大阪の有名料亭の門をたたき、東京・銀座の和食店などで20年間修行した後に独立。
やはり野菜のおいしさを伝えたいという思いから、岡山で野菜料理専門店をオープン。
こだわりの農家さんと提携し生み出された味のおかげで順調な運営の中、さらに料理の表現力に幅を持たせるため、さまざまな国の野菜料理の書籍を読み、フランスやスペインなどに定期的に食べ歩きに行くなど進化をさせていました。
さらに知識に深みを持たせるため、薬膳アドバイザーの資格を取り、土と食と体の結びつきを学び、野菜の素晴らしさに改めて気づかされ、自身の今後を考えさせられるきっかけとなります。
“瀬戸内のハワイ”で調味料の開発
いつかは幼少期のような暮らしに戻り、自然の中で生み出すものを発信できればと想像しつつ日常を過ごす中でコロナがやってきました。
順調だった日々から一転、先が見えずあらがう方法も見つけられない状態に陥ります。
ただ、これは想像をカタチに変えるチャンスなのではないかと捉えて移住先を探しました。
最初に訪れた“瀬戸内のハワイ”と呼ばれる周防大島(すおうおおしま)の人と気候の温かさと雰囲気の良さに引かれて直感で決断。
3カ月後にはお店を閉めて移住することになりました。
自身の思い切りの良さと環境の変化に精神がついてこず、何度かメニエール病で倒れることがありました。
しかし、島の人に助けられながら、築100年超えの古民家をDIYで修繕して暮らし、畑を耕し、工房を作り、調味料の開発に着手、安全基準などを整え、3年の歳月を掛けて、野菜を楽しむ調味料を完成させました。
「土ノ音」のこれから
屋号を「土ノ音」として、畑から瓶詰めまで余計なモノは一切入れずに料理人としての思いを瓶に詰め、2023年3月に4つの調味料をリリース。
わずか1年足らずで全国50箇所に展開。
広島グッドデザイン賞を受賞するなど徐々に認知度を高め、料理に関心のある女性から支持を集めています。
今後はラインアップを増やすとともに、薬膳の知識を基に季節と体の変化に合わせて必要なモノを瓶詰めして届ける味のサブスクを始め、自然と食の情報発信に力を入れていきます。
小さな飲食店ではできなかった、より多くの方へ大切な情報とともに心とカラダに響き渡る一瓶を届けることで、自分にしか出来ない食文化への貢献ができればと思います。