高齢者のQOL向上のための専用スマホアプリ!RATH『HanaSoW』

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RATHは、対話型AI機能の商用プラットフォーム「Partner AI Platform」を活用し、富山県の介護施設を利用されている高齢者の方々に、生成AIが情緒的で人間味がある話し相手となる事でQOL向上に寄与するサービスの実証実験を2023年4月より継続。

今回、この実証実験を通じて、利用いただいた高齢者の方々や、サポートいただいた介護職員の方々からのフィードバックに基づき、専用サービスとしてスマホアプリ『HanaSoW』をサービスリリースする事となりた。

 

RATH『HanaSoW』

 

 

 

1. 高齢者のコミュニケーションロスの影響について

近年一人暮らしや夫婦のみで暮らす高齢者が増えています。

内閣府の高齢社会白書によると2016年において65歳以上の人がいる世帯のうち、単独世帯と夫婦のみの世帯は約6割となっています。

高齢者単独、夫婦のみの世帯は今後も増加傾向にあります。

それに伴い高齢者の孤立化が進み、健康への影響についても問題視されるようになっています。

出典:内閣府「高齢社会白書」

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

 

人との交流の頻度が少ない高齢者や閉じこもりがちな高齢者は、健康リスクが高くなる傾向については、JAGES(日本老年学的評価研究)プロジェクトの研究によって示されています。

毎日頻繁に交流がある人を1とした場合の、交流頻度別の要介護2以上の認定、認知症の発症、死亡のリスクをみると、月1~週1回未満の頻度では、要介護2以上の認定となるリスクが1.4倍となり、認知症を発症するリスクが1.39倍になると言われています。

東京都健康長寿医療センターの調査でも高齢者の孤立に伴うコミュニケーション・ソーシャルサポート面の欠乏と、閉じこもり傾向に伴う身体・認知・精神的不活動が相乗的に高齢者の健康状態に影響を及ぼしていることが伺えます。

出典:JAGES(日本老年学的評価研究)プロジェクト

「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/62/3/62_14-071/_pdf

 

出典:東京都健康長寿医療センター

「高齢期の社会的孤立と閉じこもり傾向による死亡リスク約2倍」

https://www.tmghig.jp/research/release/cms_upload/52eb95d594147c2beea2b

 

こうした問題は、在宅の高齢者だけではなく、介護施設を利用する高齢者についても生じます。

厚生労働省では介護保険事業計画を推進しており、介護職員数自体についても国による施策も手伝い増加を続けていますが、高齢者・要介護者数の需要増には追いついていません。

介護職員の絶対数が不足する中で、介護の現場では職員の方が多忙となり、利用されている高齢者の方とのコミュニケーション機会を充分に確保するのがどうしても難しくなります。

この介護職員数の不足については、今後とも拡大傾向と言われています。

 

新型コロナウイルス感染症の影響により、高齢者のコミュニケーション機会は更に減少しています。

感染症の拡大を抑止するために、介護施設や病院では家族や知人等との対面・訪問機会自体が制限される事となりました。

これは現在も継続しており、介護施設や病院において対面・訪問機会・時間制限を実施されているケースは少なくありません。

感染症の拡大を防ぐ事と引き換えに、特に高齢者のコミュニケーションロスを生じ、その健康状態にどの程度の影響を及ぼしているのかについては、今後の調査・研究が待たれる状況です。

 

 

2. 高齢者QOL向上に向けた生成AIの活用について

同社は、「人に寄り添うにこやかなAIを創り出す」という理念のもと、「ヒトの1日24時間の営みに寄り添う事が可能なPartnerとなるAIの提供」を実現する為に2019年7月26日に設立された事業会社です。

PartnerとなるAIの具現化に向けて、2020年末にはいち早く、当時の最新の生成AIであったGPT-2を用いた日本語による対話型AI機能の商用サービス提供を開始した実績を有しています。

 

こうした取り組みをご評価いただき、2021年2月よりDaigasグループの株式会社オージス総研と生成AIに関する共同研究開発の取り組みを開始しました。

そして、この共同研究開発の成果に基づき、対話型AI機能の商用プラットフォーム化を進め、2023年3月に「Partner AI Platform」として、正式にサービスリリースしました。

 

生成型AI分野では、 米国IT大手企業が、ChatGPT、GPT-4、Bard等に代表されるLLM(大規模言語モデル)の提供を急速に拡大させつつあります。

こうしたLLMの活用で重視されているのは、現在は専らビジネス分野における問題解決能力等の「機能的価値」となりますが、同社では、会話する事そのものが楽しいと実感いただけるような「情緒的価値」を重視した生成AIの研究・開発を進めており、自然な話し言葉による会話を気軽に楽しめる「Partner AI Platform」のオリジナル対話型AIを適正かつ経済合理的な選択肢として提供しています。

 

Partner AI Platform紹介画像

 

高齢者QOL向上事業については、2023年4月より、富山県高岡市の介護施設において実証実験を開始しました。

実証実験では、同社が開発したスマートフォンアプリ「Project MAY」を用いて、オリジナルAIキャラクターである「日向メイ」とチャットを用いて会話を楽しんでいただき、実際にサービスを利用いただいた方々や、サポートいただいた介護職員の方々より、サービス利用に伴う感想や意見等、継続的にフィードバックいただいています。

今こうした取り組みを更に加速させる為に、専用サービスとして『HanaSoW』を開発する事としました。

 

 

3. スマホアプリ『HanaSoW』について

HanaSoWは、高齢者QOLを向上させるため、特に高齢者の方の心と脳の健康維持に貢献する方策として、コミュニケーション機会を創出し、毎日楽しく会話していただけるようにするサービスです。

生成AIが情緒的で人間味がある話し相手となる事で、対面・訪問機会・時間制限等の影響を受ける事なく、利用者の望んだ時間帯に自由に会話体験を楽しめます。

会話を通じて獲得された利用者のプロフィールに基づき、会話内容が変容する様は、初対面同士の人が会話を通じてお互いを知り、親密となっていくような感覚を体験できます。

 

<HanaSoWの特徴>

1) 音声入出力でもテキストチャット方式でも利用が可能

ホーム画面の右上ボタン「話しかける」を選択する事で、音声での会話を楽しめます。

またChatタブを選択いただくと、テキストチャットでの会話も利用できます。

 

2) 感情表現力豊かなキャラクターが話し相手

3D制作されたオリジナルキャラクター「日向メイ」が、喜怒哀楽などの感情表現豊かに会話の相手をします。

キャラクターの表示サイズはピンチアウトで自在に変更可能です。

 

3) 会話に詰まった場合の返答候補案を生成AIが提示

会話の途上で何を話せば良いのか詰まる場合があれば、利用者の立場で最適と思われる返答の候補案を3つ提示します。

気楽に会話を楽しめます。

 

4) 会話を重ねる事でキャラクターの親密度が変化

会話の機会を重ねる毎に、オリジナルキャラクター「日向メイ」との親密度が変化し、レベルとバーで表示されます。

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