誠実さが伝わる音声の特性など!ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所「グローバル化社会における幼児期からの英語教育の有効性や重要性に関する情報」

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「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」が、グローバル化社会における幼児期からの英語教育の有効性や重要性に関する情報を2023年7月20日より公式ホームページにて公開。

 

ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所

 

 

「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」が、グローバル化社会における幼児期からの英語教育の有効性や重要性に関する情報を2023年7月20日より公式ホームページにて公開。

 

 

今回は、謝るときの誠実さが伝わるかどうかに影響する音声の特性について共同研究を行う、首藤 佐智子教授、

 

 

小西 隆之講師(早稲田大学)のお話が掲載されています。

 

<インタビュー記事のまとめ>

 

●日本語では、謝るときの言い方(音声)によって、その謝罪が相手に誠実に聞こえるかどうかが変わることが実験でわかった。

●英語では、誠実さが伝わる音声の特性や日本語との違いはまだ研究されていない。世界的にも珍しい研究テーマとして、英語を対象とした実験準備が進んでいる。

●日本人が英語で謝るときは、言い方だけではなく、その状況で謝るか謝らないか、どのようなことばで謝るか、という選択も英語母語話者と違うことにより、自分の意図がうまく伝わらない可能性がある。

●英語を使って良い人間関係を構築できるようにするためには、文脈や音声(リズムやイントネーションなど)を意識した英語教育も大切。

 

優しい声と怒った声では、相手に伝わる誠実さが変わる

 

早稲田大学の首藤先生が学生たちを対象に実施してきたアンケート調査によると、口論のあとに「わかったよ。君が正しいよ。」と言われたときに、それが「優しい口調」だった場合のほうが「怒った口調」だった場合よりも謝罪をしている」と感じる人が多いことがわかりました(Shudo,  2016)。

この結果をもとに、音声学を専門とする小西先生とともに共同研究を開始。学生たちに実際に「優しい口調」「怒った口調」の音声を聞かせる実験を行い、その影響を分析しています。

小西先生は、「音声学の分野では、音声によって『怒っている』『喜んでいる』といった感情がどのように伝わるか、ということが最近注目されています。しかしながら、音声が発話行為(この場合は謝罪しているかどうか)にどのように影響しているかに関する研究はほとんどないので、そういう意味でも今回の研究は新しい。」と話します。

首藤先生は、「分析の結果、怒った声の場合は『謝っていない』と思った人が多かったのに対し、優しい声の場合は『謝っている』と思った人が多く、謝罪における音声の影響が明確に示されました。

この結果は、実際の音声を用いなかったアンケート調査の結果とほぼ同じなので、これまでの仮説が実際の音声を使った実験でも証明されたと言えます」と話します。

今回の結果成果は、7月にベルギーで開催される国際語用論学会で発表することが決まっています。

インタビューでは、他にも次のテーマでお話を伺っています。

 

●英語で謝るときは、言い方だけではなくことば選びも重要か

●“I’m sorry.” が伝えるメッセージは、「ごめんなさい」と本当に同じ? 

●英語では、「謝る」という発話行為そのものに大きな意味がある

まとめ:英語の音声を教える・学ぶ意義について考えるきっかけに

私たちは、母語であっても、自分の意図をうまく伝えられなかったり、相手の意図を間違って解釈してしまったりすることがあります。

特に「謝る」という行為では、相手との人間関係がうまくいくかどうかを左右する大きな問題になりえます。

このようにうまく伝わらない原因の一つが言い方(音声)であることは、多くの人がさまざまなコミュニケーション場面を経験するなかで実感していると思われます。

しかし、これまで具体的にどのような言い方が適切か、また、それは言語や文化によってどのように違うのか、という点についてはあまり研究されてこなかったことが今回わかりました。

首藤教授・小西講師の共同研究によると、良い人間関係を築くためには、文字通りの意味を伝えるための音声知識だけでは不十分であり、文脈に合わせて発話の意図をうまく伝えるための音声知識も必要です。

また、日本語と英語、その背景にある考え方の違いにも注意しなければいけません。

ことばを使って相手と良い関係を築くことは、誰にとっても身近な課題です。「人間関係の構築」ということばの機能に意識を向けることで、英語の音声を教えること・学ぶことの意義や奥深さが新たに見えてくると同時に、日本語でのコミュニケーションについても理解が深まるのではないでしょうか。

(取材:IBS研究員 佐藤 有里)

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