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芸術の大衆化がテーマ!滋賀県立陶芸の森陶芸館「岡本太郎 アートの夢-陶壁・陶板・21世紀のフィギュア造形」

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滋賀県立陶芸の森陶芸館にて、特別企画展「岡本太郎 アートの夢-陶壁・陶板・21世紀のフィギュア造形」が2023年7月15日より開催されます。

 

滋賀県立陶芸の森陶芸館「岡本太郎 アートの夢-陶壁・陶板・21世紀のフィギュア造形」

 

※背景の写真提供:川崎市岡本太郎美術館

 

会期:パート1:2023(令和5)年7月15日(土)~9月24日(日)

パート2:2023(令和5)年9月30日(土)~12月17日(日)

※月曜日休館(7/17・9/18・10/9は開館し、翌日振替休館

会場:滋賀県立陶芸の森 陶芸館

観覧料:一般700円(560円)、高大生530円(420円)、中学生以下無料

※( )内は20人以上の団体料金

主催:滋賀県立陶芸の森

後援:滋賀県教育委員会、甲賀市、NHK大津放送局、京都新聞

協力:大塚オーミ陶業株式会社、

滋賀県工業技術総合センター信楽窯業技術試験場、京セラ株式会社、

株式会社カプコン、株式会社ニトロプラス、

株式会社グッドスマイルカンパニー、株式会社SUM ART、

株式会社フレア(順不同)

企画協力:GILL GILL(株式会社ディープケース)、ほっぺふき子

 

芸術家・岡本太郎氏は、「一般大衆にじかにぶつかる、社会に開かれた芸術を実現したい」と記し、1952年に初めてのパブリックアートとなるモザイクタイルを手掛けました。

1954年には、量産を目指し粘土で≪犬の植木鉢≫を常滑で制作、その後刈谷でも類似の造形を手掛けました。

1963年に信楽で制作された≪坐ることを拒否する椅子≫は、人と直に触れ合うアートの在り方を探り、代表作として全国に多数存在しています。

戦後、建築家・デザイナー・芸術家による建築陶器が人とアートとの結びつきを強めていくなか、岡本太郎氏が信楽で手掛けた日本万国博覧会 (大阪万博)の≪太陽の塔≫の<黒い太陽>(1970)は、多くの人々の記憶に刻まれています。

このように産地と岡本太郎氏の出会いのなかで培われた技術力は、大塚オーミ陶業株式会社の大型陶板などに受け継がれます。

また、岡本太郎氏は絵画に比べ「彫刻はより肉体的であり、直接的である。実体がそこにある彫刻の強さ。」と記しています。

アニメ・マンガのキャラクター造形は21世紀の大衆が求めたアートのひとつです。

クリエイターらの世界観を再現した高精度なフィギュアが生まれています。

本展覧会では、<芸術の大衆化>をテーマに、近代の建築装飾陶器、パブリックアートや量産品のデザインを手掛けた岡本太郎らの作品を紹介。

またフィギュア造形の世界や壁画の可能性を併せて取り上げつつ、岡本太郎が思い描いた夢の先、21世紀アートの息吹を見つめます。

 

【序章】近代建築と装飾陶器-建築と現代アートの原流

 

滋賀県庁本館「アカンサス紋レリーフタイル」1939年 製作:信楽糸取鍋合名会社/指導:滋賀県立窯業試験場

 

19世紀末、ワグネルが創業した旭焼釉下彩装飾タイルを先駆けに、明治から昭和初期に美術工芸化をテーマに近代建築に装飾陶器が組み込まれました。

ここ信楽では、滋賀県庁本館の為のレリーフタイルが製作されました。

 

【シーン1】建築と現代アートの融合

 

大塚製薬株式会社Hi-zタワー「いのち躍る」 1983年(2000年改修) 原画:岡本太郎/製作:大塚オーミ陶業株式会社

 

戦後1960年代から信楽で制作されたパブリックアートを紹介。

特に、岡本太郎氏が産地の技術力を得て生み出した数々のレリーフ・陶板作品を中心に、熊倉順吉の陶壁や大塚オーミ陶業株式会社が現代作家と手掛けた美術陶板なども併せて紹介します。

 

デザイン:岡本太郎/製作:近江化学陶器株式会社 「足」1964年 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立代々木競技場蔵

 

【シーン2】岡本太郎が目指したアートの大衆化

 

岡本太郎「犬の植木鉢」1954年 滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵

 

1954年に常滑で岡本太郎氏が制作した「犬の植木鉢」は、その後量産が試みられました。

信楽で制作され、全国各地に送られた「坐ることを拒否する椅子」、その他「むすめ」や「歩み」など、陶芸を通して実現させた岡本太郎氏の量産への想いをたどります。

 

近江化学陶器株式会社/原型:岡本太郎「むすめ」 1960年代中頃 個人蔵

 

【シーン3】21世紀のフィギュアの世界-新しいアートの息吹

 

藤本圭紀「The Garden~Take your time~」 2020年 個人蔵

 

二次元のアニメやマンガを三次元に仕上げる仕組や技術は、当初からフィギュア造形が模索されていました。

近年では積み上げられた技術に、クリエーターの独自の世界観やデジタル技術を駆使した表現など、多彩な作品が生み出されています。

フィギュア造形の世界は、大衆が待ち望んだ21世紀アートの息吹をみせてくれます。

石崎紗央里/植田明志/榎木ともひで/大山竜/大畠雅人/九千房政光/さと/竹内しんぜん/塚田貴士/藤本圭紀/真辺菜月(CREA MODE)/吉沢光正/ゆま

 

石崎紗央里「DOLLEL retro style - Dressup Custom Color ver」 2023年 個人蔵(C)Ishizaki Saori

 

【シーン4】川田知志「太郎の色とカタチ×パブリック」(パート2の陶芸館ギャラリーにて展示)

 

川田知志「ノーサイド」2017年当時 撮影:怡土鉄夫(※参考画像)

 

日本国内で数少ない壁画家の川田知志が、岡本太郎が手掛けた作品とドローイングから、社会に対して公共空間で発信し続けたメッセージや建築とカタチとの関連性を考察し、新たな解釈を描き加えることで、壁画の新境地を探ります。

 

滋賀県立陶芸の森陶芸館の特別企画展「岡本太郎 アートの夢-陶壁・陶板・21世紀のフィギュア造形」は、パート1:2023年7月15日(土)から9月24日(日)まで、パート2:2023(令和5)年9月30日(土)から12月17日(日)までの期間で開催です☆

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