千葉県内に認可保育園を11園運営する株式会社ハイフライヤーズは凸版印刷と保育園での園児の生体データ・ストレス値を可視化する実証テストの第2弾を2023年7月11日より開始。
2021年10月に実施した第1弾から対象年齢や人数を増やし、保育園を利用する0歳児~5歳児全ての年齢での有効性を測ります。
ハイフライヤーズ×凸版印刷「子どもの生命を見守るシステムの実証テスト第2弾」
実施期間: 2023年7月11日~2023年8月10日
実施場所: キートスチャイルドケア桜木
目的: 園児の生体データの活用による見守りの検証
対象年齢、人数: 0歳~5歳児、計30名程度を予定
各社の役割
ハイフライヤーズ: 実証テスト場所の提供、園児への機器装着支援
凸版印刷: ID-Watchy(R)Bio機器の提供、実証テスト後の報告書作成
近年、保育園等では、園児の安全や健康状態の把握など、より一層の園児の見守りに関する対応の強化が必要となってきています。
ハイフライヤーズは、昨今における園バス内での園児死亡事故などをきっかけに、人の目や経験に頼らない命を見守るシステムを導入することでヒューマンエラーを補い、悲劇を繰り返さないことが必要であると考えているため、2021年に1回目の実証テストを行いました。
凸版印刷は、Bluetooth技術による位置情報と、ネットワークカメラによる映像データを組み合わせ、クラウド上で人や資材の動態を可視化し作業員等の労務状況を分析できるサービス「ID-Watchy(R) (アイディーウォッチー)」シリーズを提供。
さらに「ID-Watchy(R)」に、ホシデン株式会社製のリストバンド型生体センサー「MEDiTAG(R) (メディタグ)」を連携させ、個人のバイタルデータ(パルス・転倒検知・ストレスレベル・歩数検知)をリアルタイムに取得、健康状態を把握できる機能を追加したサービス「ID-Watchy(R)Bio(アイディーウォッチーバイオ)」を提供しています。
現在、位置情報はUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線通信)※による精度向上、映像情報は低遅延・高精細化と顔認証機能の追加など、高機能化・高付加価値化を進めています。
また、凸版印刷が提供する製造DXソリューション「NAVINECT(R)」との連携で、製造現場の労務管理や認証管理、位置管理、トレーサビリティ、遠隔監視などを実現しています。
※UWBの位置精度は15cm程度
今回の実証テストでは、前回5歳児のみであった対象を0歳児~5歳児に広げ、保育園を利用する全ての年齢の子どもの見守りにおいての有効性を測ることを目指します。
また、ハイフライヤーズの運営する認可保育園「キートス」には、全保育室に園児の様子を確認することができる「見守りカメラ」※が設置されています。
今回の実証テストでは特に生体データの計測に重点をおき、ID-Watchy(R)Bioで収集した乳幼児の脈拍や血圧、ストレス値と見守りカメラの映像データを組み合わせることでまだ言葉をうまく話すことができない子どものストレスや異変を可視化し、身体の不調や虐待・事故を防止し、命を見守るための仕組みを検討します。
※見守りカメラとは、子どもの怪我の検証や職員の保育の振り返りのために、全保育室(トイレは除く)に死角なく設置しているカメラのこと
今後の展開
本実証テストの結果を基に凸版印刷のID-Watchy(R)Bioをハイフライヤーズが千葉県内で運営する保育園、「キートスチャイルドケア」・「キートスベビーケア」11園への導入の検討、自治体や企業、大学等の研究機関との協力展開も視野に入っています。
また、このシステムを活用し、将来的に乳幼児突然死症候群(SIDS)や熱中症の予兆検知ができるようになることが期待され、未来の子どもたちの生命を守れる可能性が考えられます。
生体データを活用した子どもの見守りが実現できれば、日々の生命の見守りのみならずいじめ・自殺・虐待の防止等も望めることから、新設された「こども家庭庁」が目指す「切れ目のない、子どもを中心とした社会作り」の一助となることを期待し、今後も取り組んでいきます。