東京都済生会中央病院は、メジャメンツのサポートのもと、視覚障害者の移動を支援するシステム「ナビレンス」を導入し、4月1日より運用を開始しました。
「ナビレンス」の導入は、総合病院カテゴリでは「世界初」となります。
東京都済生会中央病院「ナビレンス」導入
スペイン発祥の移動支援アプリ「ナビレンス」
各所に貼られているアクセシブルなナビレンスコードを読み込むことで、目的地の内容・方向・距離などの案内が表示されるとともに音声で読み上げます。
海外では施設内の移動支援だけでなく、バスや電車の乗り場案内や時刻案内なども行われています。
今回この「ナビレンス」が東京都済生会中央病院に導入されました。
「ナビレンス」を使うことで、視覚障害者が一人で移動する際の不安を和らげることができれば、より行動的になって視覚障害者の世界が広がります。
※「ナビレンス」は不安を和らげるためのアプリであり、障害物や突発的な出来事などは検出できません。白杖や盲導犬などを利用して、ご自身の安全に十分注意しください。
今回の導入にあたって
東京都済生会中央病院には診療分野以外で国内初の医療機関内店舗のUNIQLOやドトールコーヒーショップ、セブンイレブン、銀座スエヒロがあります。
患者さん以外にも地域住民の方や働いている方などどなたでも利用可能。
その中で『ナビレンス』を利用することで視覚障害者の方が安心して病院に通院できる一つの契機になれたらという想いから導入の運びとなりました。
東京都済生会中央病院 院長 海老原 全のコメント
当院は港区三田に位置し、高度急性期総合病院として地域医療に貢献しています。
その事業の一つとしてソーシャルインクルージョン事業があり、近年、障害者の方の人権擁護に対する意識を高め、院内での障害者アート展開催などを展開しています。
今回の最先端アプリの導入は、かかりつけ患者さんからのご意見を基に、視覚障害者や聴覚障害者が安心・安全に受診し易い環境を整備することを目的としています。
お手洗いやエレベーターなど公共性の高い設備への誘導はもとより、院内掲示サインの多言語化にもこのアプリで対応していく予定です。
また、診療以外でも当院の施設が障害者の方にとって利用しやすい空間となるよう、今後も検討していきたいと考えています。
また、当院の導入を契機に多くの公共施設や医療機関への導入が検討されることを願っています。
メジャメンツ 代表取締役 上濱 直樹のコメント
いままで眼科の専門病院への「ナビレンス」導入はあったものの、総合病院への導入は世界初ということで、さまざまな可能性に期待しています。
また、東京都済生会中央病院は港区に立地しているということもあり、外国籍の来院者も多く、ダイバーシティという面でも「ナビレンス」は一役を担えると考えております。
来院者の満足度に応えられるよう注力しながら、今後の双方の発展に期待しています。
ナビレンス(スペイン)のコメント
ナビレンステクノロジーが東京都済生会中央病院に導入されたことは、弊社一同にとって大きな喜びです。
この実装により、視覚障害者の方々をはじめ、全ての方々にとって、更に来院しやすい施設となったことは疑う余地がありません。
また、非常に重要なサービスの一つである「健康」に関わる施設で、安心や自立性を提供する一環となれることを大変光栄に思っております。
東京都済生会中央病院について
済生会は明治44年に明治天皇の済生勅語に基づいて創立された恩賜財団で、現在40都道府県に職員64,000人、病院81を擁する日本最大(※当社調べ)の社会福祉法人であり、医療福祉団体です。
東京都済生会中央病院は大正4年に済生会本部直轄の「済生会芝病院」として開院され、戦後の済生会組織改変により「東京都済生会中央病院」となり、現在に至ります。
創立より「済生の精神(分け隔てなくあらゆる人々に医療・福祉の手を差しのべること)」に基づき、生活困窮者支援を含め、必要とされるあらゆる人々に対し医療を行い続け100年以上が経過しました。
保健・医療・福祉を含めた広い観点から全ての人々を支えていく病院としてあり続けたいと願っており、社会から誰一人取り残さないというソーシャルインクルージョン活動に取り組んでいます。
メジャメンツについて
メジャメンツはウェブサイトコンサルティングやアクセス解析支援、ウェブアクセシビリティ診断を行うコンサルティングファームです。
2018年に障害者専門クラウドソーシングサービス「サニーバンク」サービスを開始し、「障害者だからこそ出来る仕事」「障害者でもやりたい仕事」を創出するためにクラウドソーシングシステムの整備・拡大に取り組んでいます。
また、2022年10月に有料職業紹介業も開始し、障害者雇用支援も行っています。
東京都済生会中央病院の「ナビレンス」導入事例の紹介でした☆