脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のための、環境、エネルギー分野向け最先端技術を研究開発する「GSアライアンス」
GSアライアンスが、植物、天然バイオマス由来の乳酸系可塑剤を開発しました。
GSアライアンス「植物、天然バイオマス由来の乳酸系可塑剤」開発
人口爆発に伴う気候変動、地球温暖化、海洋汚染などの環境問題は深刻な問題であり、生態系を破壊する壊滅的なレベルになりつつある「プラスチック汚染」
既に人体にマイクロプラスチック、呼吸している大気中からナノプラスチックが入りつつあり、人体への影響が懸念されています。
生分解性プラスチックは、使用後、生分解され、土などの自然環境中に戻る材料であり、このようなプラスチック汚染問題を解決できる可能性のある1つの手段です。
プラスチックには主な組成となる樹脂と、それ以外にも安定剤、難燃剤、滑剤、核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤など多数の添加剤が含まれています。
また、その中でもプラスチックに柔軟性を与える可塑剤は非常に重要な添加剤です。
可塑剤は、主に塩化ビニル樹脂(PVC)などの熱可塑性樹脂に柔軟性を与え、製造時に成形や加工しやすくなる添加剤で、混合される樹脂によっては、数十%以上添加されていることもあります。
用途としては、食品用ラップフィルムや、ゴム手袋などの食品接触材料、テキスタイル印刷用色材インキ、家電製品の電源ケーブル被覆材、自動車内装材、床材、壁紙、建材など、非常に多岐にわたります。
可塑剤にはいくつかの種類があり、フタル酸系、トリメリット酸系、シクロヘキセンジカルボン酸系、アジピン酸系、リン酸系やポリエステル系のものがあります。
しかし、これらの石油由来の可塑剤は、生分解性もなく、また再生資源から作られているものではないので、廃棄後、CO2を放出。
また特にフタル酸系可塑剤は、環境や人体への悪影響が懸念されている化学製品でもあります。
植物、天然バイオマス由来の乳酸系可塑剤のメリット
これらの観点から、GSアライアンスの神野 卓彦研究員と、森 良平博士(工学)は、植物、天然バイオマス由来の乳酸系可塑剤を開発しました。
最近はポリエステル系、クエン酸系や大豆油エポキシ系の天然可塑剤が他社から提案され始めていますが、乳酸系可塑剤は海外を含めてもあまり見受けられません。
乳酸の原料は再生可能資源である植物を原料とすることから、低炭素社会の実現にも貢献できます。
簡易的な試験で、塩化ビニル樹脂(PVC)に対して、可塑剤としての効果があることを確認。
また現在のバイオマス度は約55 - 60%ですが、今後は、バイオマス度をさらに向上させる検討を続けます。
脱炭素、カーボンニュートラル社会構築に貢献。
GSアライアンスが開発した「植物、天然バイオマス由来の乳酸系可塑剤」の紹介でした。