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窒素、リン、カリウムの成分が含有された量子ドットを最適化!GSアライアンス「光る肥料」

投稿日:2023年2月17日 更新日:

脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のための最先端技術を研究開発する「GSアライアンス」

そんな「GSアライアンス」が、量子ドットを合成最適化して「光る肥料」を開発しました。

 

GSアライアンス「光る肥料」

 

 

脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のための最先端技術を研究開発する「GSアライアンス」

そんな「GSアライアンス」が、量子ドットを合成最適化して「光る肥料」を開発しました。

近年、原油、食糧価格高騰が大きな問題となってきています。

食糧と同じく、農産物を育てる豊かな土壌にするために必要な肥料の価格も高騰しています。

肥料の重要な元素は3つあり、リン、窒素、カリウムで、日本はこれらの元素を含む肥料の原料をほぼ全て海外から輸入しており、自国内に原料が無いことが懸念されています。

「光る肥料」では、GSアライアンスが合成している量子ドットを最適化し、肥料として使用。

量子ドットは、肥料の代表的な成分である窒素、リン、カリウムの成分が含有された組成で合成されています。

量子ドットとは、量子化学、量子力学に従う光学特性を持つシングルナノスケール(0.5~9nm)の超微細構造の最先端材料です。

量子ドット1個あたりの原子、分子数は数個~数千個といわれており、人工原子、人工分子とも言われています。

 

 

GSアライアンスの森良平博士(工学)は、肥料成分(窒素、リン、カリウム)を含有して、かつ発光するグラフェン量子ドットを合成。

それを肥料として水菜を発芽させ、水菜の発芽した植物体を紫外線照射下で蛍光(発光)させることに成功しました。

肥料として種子が吸収した量子ドットが、水菜の植物体の中で発光しているものと推測できます。

また、量子ドット組成を調整することにより、市販の肥料と同等の肥料としての能力を持つ、量子ドット肥料を作ることにも成功しています。

植物体内に取り込まれ、発光する量子ドット型ナノ肥料は、肥料としての効果以外にも、様々な利点が期待できます。

植物が何らかの外部環境(疫病、天候、飢餓状態)が原因でストレス下に置かれる状況で、これまでは農作物が弱くなっても見かけではわからず、農作物が育たず無駄になってしまうことがあります。

しかしながら、量子ドット型ナノ肥料がストレスにより発生している植物体内の物質(H2O2 、Ca2+、NOなど)に対して結合すれば、紫外線照射下で発光しなくなったり、スペクトルの状態が変化するので、早めに作物のストレス状態を検出することが可能になります。

また、農業において殺虫剤、除草剤、抗菌剤は非常に重要ですが、過剰で土壌中に余った残留している農薬、殺虫剤、除草剤、抗菌材成分は食品安全、生態環境、人間の健康の観点から有害です。

クロマトグラフィー、電気泳動、質量スペクトルなどの機器を用いて、残留農薬分などを測定することは可能ですが手間がかかります。

これらの残留農薬成分を検出する例として、ダイアジノン、グリホサート、セミカルバジドの残留物が、量子ドットの蛍光を消失させ、センサーとして応用できたという研究報告があります。

この実験においては、クロマトグラフィーの検出限界にも匹敵する0.25、0.5や2ng/mLぐらいの濃度でも検出可能であることも明らかになりました。

他にも、トリアジン、芳香族含有殺虫剤成分、また重金属も炭素系ナノ材料で検出できたという報告もあります。

量子ドット型ナノ肥料を用いると、有毒、過剰な残留農薬、除草剤、重金属などを検出することが可能です。

さらに、量子ドット型ナノ肥料は植物の生育に必要なZn(亜鉛)、Cu(銅)やFe(鉄)などの、金属元素成分を量子ドット型ナノ肥料に含有、担持させ、効率良く植物内に取り込ませることができます。

 

窒素、リン、カリウムの成分が含有された量子ドットを最適化し、発光する肥料の生成に成功。

GSアライアンスが開発した「光る肥料」の紹介でした☆

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