マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパンは、パネルディスカッション「障がい者と共に働く‐日本における障がい者雇用と包括的な職場の作り方」を2023年1月18日に開催。
日本の障がい者雇用にまつわる課題とチャンスに着目したイベントが行われました。
マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン「障がい者と共に働く‐日本における障がい者雇用と包括的な職場の作り方」
英国ロンドンに本社を置くペイジ・グループの日本支社「マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン」は、「障がい者と共に働く‐日本における障がい者雇用と包括的な職場の作り方」を2023年1月18日に開催。
様々な企業から50名以上の採用担当者が参加したイベントには、長年障がい者雇用に携わってきた2名の専門家、EY JAPANからダイバース・アビリティズ・センターのリーダーを努める「加藤喜久」氏、日本アイ・ビー・エムからIBM東京基礎研究所でアクセシビリティ・リサーチ・プログラム・マネージャーを務める「及川政志」氏が登壇。
日本における障がい者雇用にまつわる課題とチャンスに光を当てたパネルディスカッションにて、それぞれの経験や知見を発表されました。
インクルーシブな文化を築くためのヒント
日本では、身体、知的、精神に障がいを持つ約60万人が働いており、障がい者雇用数は年々着実に増加し、この20年間で倍増。より包括的な企業文化を築くためには、「成功体験が鍵」だと及川氏は話します。
日本アイ・ビー・エムでは、障がいを持つ求職者を対象とした「Access Blue Program」という7ヵ月に及ぶインターンシッププログラムを実施。
及川氏は「参加者は基礎的なスキルを学びながらグループワークやプロジェクトに携わることが出来ます。
またカリキュラムの最後には2週間に及ぶOJTも含まれており、参加者には就労に向けて幅広い経験を提供しています。」とプログラムの内容を紹介した上で、本インターンシップには多くの社員が積極的に関わっていることを説明。
「インターンシップの機会を通じて、実際にIBMで働いている社員が『障がい者と一緒に仕事をする』という経験を持つ。
それが本当の意味での理解へとつながり、成功体験に繋がります」と語りました。
障がい者雇用を進めるためには、障がい者への理解が必要不可欠。
まずはインターンシップ等、小さな成功体験を積み上げていくことが、やがて大きな力となり、インクルーシブな企業文化への一歩に繋がることが明らかになりました。
社員とのコミュニケーション
よりインクルーシブな職場環境を目指すには必要。
また障がい者雇用を推進する上で重要なのは社員同士のコミュニケーションや理解だと語られました。
障がい者雇用に関する社員の意識改革をはじめ、より包括的な職場環境作りに関して、加藤氏はコミュニケーションだけでは効果があまりないと話します。
「障がい者の特性や雇用する時に気をつけるべきポイントを社員に口頭で説明してもあまり響かない。
大切なのは『障がい者だから』と決めつけるのではなく、一緒に働き、彼らの実情に目を向け、障がい者がもつ特有のスキルこそが社員にとって大きなメリットになることに気づくことが意識の変革に繋がる」と、実体験を交えながら語り、参加者の中には大きく頷く人の姿も見られました。
イベントの最後に行われた質疑応答では、イベントに参加した採用担当者の疑問や実際の採用や選考方法のヒントについても回答し、障がい者雇用に役立つ情報が紹介されました。
ユニークな視点や才能を持つ障がい者を雇用することは、どんな組織にも豊かな利益をもたらします。
より包括的で多様性のある職場を実現するためにも、課題ではなくチャンスに目に向けて、まずは一歩を踏み出してみることが大切であることを考えさせられるディスカッションになりました。
長年障がい者雇用に携わってきた2名の専門家が登壇し、それぞれの経験や知見を発表。
マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパンが2023年1月18日に開催した、パネルディスカッション「障がい者と共に働く‐日本における障がい者雇用と包括的な職場の作り方」の紹介でした。