FARMER'Sは、特殊素材「ハイドロゲルシート」の鮮度維持機能を検証。
検証実験として、山形県産の桃がシンガポールへ試験輸出されました。
FARMER'S「ハイドロゲルシートの鮮度維持機能の検証」
農産物の販売・輸出を行う「FARMER'S(ファーマーズ)」は、山形県産の桃をシンガポールへ輸出。
特殊な梱包資材「ハイドロゲルシート」の桃における鮮度維持機能を検証しました。
水分を内部に含んだシート素材のハイドロゲルシート。
梱包資材として使用することで、箱内部の温度・湿度を調整する鮮度維持機能が期待されます。
ドン・キホーテを展開する「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」が運営するシンガポールの店舗へ、山形県産の桃5品種、計100キログラムを輸出。
2022年9月20日に山形から出荷された桃は船便で輸送され、2022年10月7日にシンガポールへ到着。
その後、鮮度維持機能の検証が行われました。
検証は山形大学で有機材料システムや高分子・プラスチック材料を研究し、さくらんぼの鮮度維持パッケージ技術を開発している「東原 知哉」教授が監修。
品種・シート貼付位置ごとのロス率を比較し、検証の結果、特定の品種・位置へのハイドロゲルシート貼付で鮮度維持機能が確認されました。
シンガポールへ輸出したのは山形県産の「白根白桃」、「西王母」、「さくら」、「伊達白桃」、「黄貴妃」の桃5品種。
1品種につき梱包箱内部の側面、上面、底面にハイドロゲルシートを貼付した箱と、リファレンスとしてシート無しの箱の4種類でケース分けし、5品種分計20種類の箱で比較検証が行われました。
検証の結果、果肉が硬い品種「さくら」の箱側面、上面、底面にシートを貼付した場合とシート無しのロス率はそれぞれ、「側面」3%、「上面」10%、「底面」0%、「シート無し」20%。
同じく果肉が硬い品種「黄貴妃」の箱側面、上面、底面にシートを貼付した場合とシート無しのロス率はそれぞれ、「側面」20%、「上面」20%、「底面」13%、「シート無し」25%。
これにより、果肉が硬い品種の桃については、箱底面へのハイドロゲルシート貼付で、良好な鮮度を維持できることが確認されました。
シンガポールの店舗スタッフからは、「顧客へ自信を持って提案できる味・クオリティだった」と、好評。
出荷から2週間以上経っての到着でしたが、効果があった品種については通常より高い鮮度と品質を保ったまま海外の消費者へ届けることができました。
ハイドロゲルシートの鮮度維持機能を活用すれば、桃のようなデリケートな農産物を高い鮮度のまま輸出できる可能性がアップするため、海外の消費者はより高品質な状態で日本の産品を楽めるように。
日本の農産物の輸出拡大につながるような検証でした。
良好な鮮度を維持できる特殊素材「ハイドロゲルシート」
FARMER'Sが行った、山形県産の桃を使用した「ハイドロゲルシート」の鮮度維持機能の検証の紹介でした。