今回で9回目を迎える東京国立博物館、秋の恒例企画「博物館でアジアの旅」が、2022年も9月21日(水)から10月16日(日)までの期間で開催!
2022年のテーマは「発見」で、19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパや日本の学術探検隊による「発見」とその物語を堪能できます☆
東京国立博物館「博物館でアジアの旅 アジア大発見!」
観覧料:一般 1,000円/大学生 500円
※総合文化展観覧料で入場できます。
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものを提示してください。
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを提示してください。
会期:2022年9月21日(水)~10月16日(日)
会場:東京国立博物館 東洋館
開館時間:9時30分~17時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、10月11日(火) ※10月10日(月・祝)は開館
※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間等については、今後の諸事情により変更になる場合があります。
東京国立博物館、秋の恒例企画「博物館でアジアの旅」
東洋の美術・工芸・考古遺物が集う「東洋館」を舞台に、毎年独自のテーマを掲げ、それにちなんださまざまな作品を館内随所に展示する催しです。
9回目となる2022年のテーマは「発見」
19世紀末から20世紀初頭の、ヨーロッパや日本の学術探検隊による発見とその物語、作品にまつわる知られざる発見のエピソード、改めて資料を見つめることで明らかになった新知見など、東洋館に集まったコレクションの伝来をたどりながら、さまざまな「発見」を知ることができます。
ミュージアムショップにて販売予定の小冊子と無料配布の「博物館でアジアの旅2022 調査ノート」も用意されており、東洋館の魅力を再発見する旅へ出かけるゲストのガイド役として楽しめます☆
※「博物館でアジアの旅2022 調査ノート」は、会期中、東洋館インフォメーションで無料配布予定(数量限定)。公式ウェブサイトからもダウンロードできます。
東洋館3室「二菩薩立像(にぼさつりゅうぞう)」
中国、敦煌莫高窟蔵経洞(とんこうばっこうくつぞうきょうどう)
五代十国~北宋時代・10世紀
ペリオ探検隊将来品 ギメ東洋美術館交換品
敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)は中国西北部の甘粛省(かんしゅくしょう)に位置する中国最大の石窟寺院です。
1900年に蔵経洞(ぞうきょうどう)が発見され、1908年にフランス人の探検家ペリオがこの地に赴き、この絵を収集しました。
2枚の麻布を継いで菩薩像2尊を描き、その下に男女の供養者坐像各3体、銘文を書くための欄、そして短冊形があります。
また上辺には羂(わな)と呼ばれるパーツが残っており、のれんのように棒を通してこの絵を掛けたことがわかります。
東洋館8室「重要文化財 五龍図巻(ごりゅうずかん)」
中国、伝陳容(ちんよう)筆 南宋時代・13世紀
激しく波立つ水面、雲や岩の間にからみあって見え隠れする5匹の龍、水量を増して流れ落ちる滝が描かれています。
歴史に名高い龍の図の名手、陳容筆と伝えられました。
近年の調査研究により、本作品の兄弟ともいえる作品数点が、アメリカのいくつかの美術館に所蔵されていることが明らかになりました。
東洋館4室「緑釉龍文軒丸瓦(りょくゆうりゅうもんのきまるがわら)」
中国 明時代・14~17世紀 高橋由一(たかはし ゆいち)氏寄贈
日本における洋画の先駆者として知られる高橋由一氏は、慶應2年(1865)の冬から翌年の夏にかけて、遣清貿易使節団の一員として清朝の地を歴訪しました。
「緑釉龍文軒丸瓦」はその際に高橋氏が南京で入手し、東京国立博物館に寄贈されたものです。
裏面には自らの目でアジアを発見した興奮が綴られています。
東洋館3室「如来像頭部(にょらいぞうとうぶ)」
中国、ホータン 3~4世紀 大谷探検隊将来品
東洋館3室にて展示されている「如来像頭部」は、第一次大谷探検隊が、かつて仏教王国として栄えたホータンで発見したもの。
溶けた青銅を型に流し込み、金メッキを施した金銅仏で、西域における最古の作例とされる貴重な作品です。
東洋館10室「獣面装飾付鉄剣(じゅうめんそうしょくつきてっけん)」
推定朝鮮 1世紀
東洋館10室にて展示の「獣面装飾付鉄剣」
獣面の両脇に龍を従えた意匠は発見例が少なく、その起源をめぐって今なお研究者を悩ませ続けています。
東洋館5室「垂飾 平絹綾夾纈羅裂縫い合わせ(すいしょく へいけんあやきょうけちらきれぬいあわせ)」
中国、敦煌莫高窟
曹氏帰義軍期敦煌・9~10世紀
大谷探検隊将来品
1912年に大谷探検隊により発見された祭壇の掛布です。
吊るための輪が上部に縫い付けられ、幅は270cmを超えます。
色は褪せてしまっていますが、1000年を超えてなお、当初の壮麗さを感じ取ることができます。
異なる紋織(もんおり)や染めが施された22種類もの染織品を使用しており、敦煌の仏教荘厳(しょうごん)を伝える貴重な作例です。
東洋館5室「幡 淡茶地花文夾纈平絹・淡茶地平絹縫い合わせ(ばん うすちゃじかもんきょうけちへいけん・うすちゃじへいけんぬいあわせ)」
中国、敦煌莫高窟 吐蕃~曹氏帰義軍期敦煌・8~10世紀
大谷探検隊将来品
敦煌莫高窟で発見された、幡と呼ばれる仏教荘厳に用いられた旗の断片。
かつては、上部に三角形の幡頭(ばんとう)、下部に細長い裂(きれ)を数枚重ねた幡足(ばんそく)をともなっていたようです。
夾纈(きょうけち)とは、文様を彫った1組の板で裂を挟み、染料を注ぐ染色技法で、少しぼやけた輪郭がその特徴となっています。
東洋館9室「松竹梅填漆合子(しょうちくばいてんしつごうす)」
「大明宣徳年製」銘
中国 明時代・宣徳年間(1426~35)
※2022年10月2日(日)まで展示
器体に厚く漆を塗って文様を彫り、そこへ色漆を塗り込める填漆(てんしつ)という技法によって、蓋面には松竹梅が表されています。
明時代の漆芸を再認識させる貴重な作品です。
東洋館5室「越窯址採集陶片(えつようしさいしゅうとうへん)」
中国・越窯 五代~北宋時代・10~11世紀 百瀬治氏・富美子氏寄贈
※2022年10月2日(日)まで展示
呉越国(ごえつこく)が北宋(ほくそう)王朝に納めるためにつくらせた越窯青磁の破片。
その窯址は日本人によって発見されました。
毛彫りの美しい装飾が見どころです。
東洋館8室「行書王史二氏墓誌銘稿巻(ぎょうしょおうしにしぼしめいこうかん)」
中国、黄庭堅(こうていけん)筆 北宋時代・11世紀
北宋の能書、黄庭堅の平生の字姿を伝える墓誌銘の草稿です。
所狭しと捺(お)された印は、珍重されてきた証。
中国書法の名品を鑑賞した近代の日本人も、巻末に眼福の喜びを認(したた)めています。
東洋館12室「重要美術品 紅安南唐草文茶碗(べにあんなんからくさもんちゃわん)」
ベトナム 16世紀 岡野繁蔵氏旧蔵
ベトナムで焼かれた「安南焼(あんなんやき)」
「安南焼」のなかでも、赤を基調に緑や金の上絵具で細やかな文様を施したものは日本で「紅(べに)安南」と呼ばれ、茶陶としての魅力が新たに見出されました。
美術・工芸・考古遺物が集う「東洋館」の魅力を再発見!
東京国立博物館の「博物館でアジアの旅 アジア大発見!」は、2022年9月21日(水)から10月16日(日)までの期間限定で開催です☆
※すべて東京国立博物館蔵。展示期間の記載が無い作品は、通期で観覧できます。