「Sky 星を紡ぐ子どもたち」2

Dream(キャラクターグッズ・テーマパーク) インタビュー

思いやりをわかちあう優しい世界観!ソーシャルアドベンチャーゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」インタビュー

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アメリカに拠点を構えるゲームスタジオthatgamecompany(ザットゲームカンパニー)が、贈るゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」

2019年にリリースされて以降、「Apple2019ベストiPhoneゲーム」受賞をはじめ、世界中で25ものアワードを受賞し、現在、全世界で合計1億6000万ダウンロードを記録している人気ゲームです。

今回は、そんな「Sky」の開発に携わった3名の日本人クリエイターにDtimesがインタビュー!

モバイル、そしてNintendo Switchで遊べる無料のゲームながら、「体験できるアート」とすら呼べる話題の本作。

世界中の幅広い世代からの支持を集め続けている本作の魅力について伺いました☆

 

ソーシャルアドベンチャーゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」インタビュー

 

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」2

 

2019年にリリースされて以降、「Apple2019ベストiPhoneゲーム」受賞をはじめ、世界中で25ものアワードを受賞し、現在、全世界で合計1億6000万ダウンロードを記録している人気ゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」

モーション・デザイン・物語・音楽・日本語翻訳にいたるまで細部にこだわりが宿り、競争や圧力のない優しい世界観が魅力のゲームです。

今回は、そんな「Sky」の開発に携わった3名の日本人クリエイターにインタビュー。

 

Sky日本人クリエイター1

 

リード・オーディオ・デザイナー/ジャパン・ブランド・リード 水谷 立さん、

ビジュアル・デベロップメント・リード 田邊 裕一朗さん、

ジャパン・コミュニティ・マネージャー 椎名 貴恵さんにお話をうかがいました。

 

ゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」とは

 

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」3

 

ーー 「Sky 星を紡ぐ子どもたち」はどのようなゲームなのですか?

 

水谷 立さん

 

水谷さん:

2019年にスマートフォン向けにリリースされたゲームです。

その後、Nintendo Switchなどでも配信され、2022年7月で3周年を迎えます。

「Sky」の大きなストーリーとしては、「星のこども」となって世界に降り立ったプレイヤーが、フレンドと出会いながら協力して世界を冒険。

各地にいる精霊を空に帰していきます。

 

ーー プレイヤーがマップ内を自由に移動できる“オープンワールド”に近いものでしょうか?

 

水谷さん:

感覚としては近いと思います。

ただ、一般的なオープンワールドと呼ばれるゲームとは異なり、ざっくりとしたストーリーラインはあるのですがどういう風に遊ばれるかはプレイヤーにお任せしています。

 

田邊 裕一朗さん

 

田邊さん:

その中での過ごし方は本当にプレイヤー次第で、もちろんストーリーを追って使命を果たすために精霊を助ける物語を進めるのも遊び方のひとつ。

あるいは気の合うフレンドたちとゆっくり景色を見ながらお散歩したり、楽器を演奏したするのも遊び方のひとつです。

ゆったりとした時間を過ごすだけでも楽しめることが「Sky」の大きな特徴になっています。

 

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」4

 

ーー “精霊を助ける”というキーワードがありましたが、戦闘などが行われるのでしょうか

 

水谷さん:

thatgamecompanyのゲームは、競争や戦いというものをしないというのが特徴のひとつで、「Sky」もその理念をもれなく受け継いでいます。

 

田邊さん:

「Sky」は冒険ゲームなんですけど、戦うのではなくて協力したり“繋がる”ということに重点を置いたゲームになっています。

ゲーム内で出会う精霊たちの記憶を呼び戻させたり、他のプレイヤーと協力して進んでいくパズル的なものもあります。

 

水谷さん:

ひとりでは超えるのが難しい高いところや遠いところでも、フレンドたちと助け合うことでより遠くまで飛べるようになったり、探索できる世界を広げることができます。

 

ジェスチャーでつながる優しい世界

 

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」5

 

ーー 「Sky」は言葉を使わないゲームと聞いています

プレイヤーたちはどのようにコミュニケーションを取るのでしょうか?

 

椎名 貴恵さん

 

椎名さん:

「Sky」には感情表現というのがあって、精霊を助けて精霊の記憶を解放すると新しい感情表現をどんどん覚えていくんです。

あっちにいこうとか、それはだめだよとか、やったね!とか、いろいろあるんですけど、それをどう解釈してもらうかもプレイヤー次第。

フレンドと友情を深めることでチャットを解放することもできますし、特定の場所でアイテムを使えばチャットを解放していないフレンドともお話すること自体は可能です。

でも、無理にお話しなくても感情表現とか動きとかでコミュニケーションは取ることができます。

・・あと、星の子どもたちは“なく”ので。

 

ーー なく・・?

 

椎名さん:

「泣く」のではなくて「鳴く」というか、音で呼びかけることができるんです!

“ぽわぁ〜”のような音で呼びかけることができて。

なくことで「どうしたの?」と近づいてきてくれるプレイヤーもいます。

 

水谷さん:

そのゆるいつながり方が特徴のひとつで。

国を限定することなく世界中の人となんとなく繋がって、なんとなく深めていける、そんなゲームです。

 

ーー その呼びかけや感情表現の意図を推し量りなから親交を深めていくんですね

「Sky」をプレイすることで優しくなれそうな気がします

 

水谷さん:

言葉を使えないわけではないのですが、基本的にはジェスチャーや鳴き声でコミュニケーションをとるので、相手がどういう気持ちなのか、どういうことを言いたいのかっていうのをこちらから考えようとするんですね。

そこで人の気持ちや感情を遊びながら考える体験をすることができるんです。

他のプレイヤーからの優しさを感じたり、相手を思いやりる気持ちを育んでいただけるような。

 

田邊 裕一朗さん2

 

田邊さん:

デザインのコンセプトとしてもキャラクターが子どもであることが重要なポイントです。

大きな世界にポツンとひとり子どもとして生まれるという始まり方をするのですが、主人公であるプレイヤーは、スーパーヒーローでもなければたくましい戦士でもありません。

力の弱いひとりの子どもが冒険していくうちにもう一人の子ども(他のプレイヤー)と出会う。

お互いの脆さを知っていると自然と寄り添いあえる。

出会いがポジティブになるようにデザインを試みました。

 

ーー アバターをつくれる一般的なゲームと比較すると、キャラクターの主張が控えめでありながら個性を表現できる絶妙なバランスだと感じました

 

田邊さん:

そうなんです。

実はキャラクターをデザインするにあたって我々がこだわったことのひとつです。

年齢を問わず・性別を問わず・国籍を問わず、誰でも自分を投影できるキャラクターにしたいというのが「Sky」のキャラクターデザインのコンセプトなんですね。

それを実現するにはどうしたらいいのか試行錯誤した結果、主張を減らすというところにたどり着きました。

キャラクターをカスタマイズできるのはゲーム上で自分を表現するのに重要な要素なんですが、主張しすぎるとキャラクターが一人歩きしてしまうので、世界中の誰が遊んでも自分を投影できるバランスを保てるように意識しました。

 

ーー 主張が強すぎないので、フレンドになっていないプレイヤーにもコミュニケーションを持ちかけやすいですね

 

田邊さん:

テスト段階で髪の色や肌の色、表情を変えられるなどを試したことはあります。

最終的には人種に関わらず全てのプレイヤーが自分を投影できるように、肌は全ての色が混ざったような色(グレー)、髪は全ての人が行き着くであろう白、ということになりました。

 

ーー お顔は仮面をつけていて本当の表情はわからないようになっていますね

 

田邊さん:

顔の表情も自分自身を投影しやすいようにという意味を込めて仮面をつけています。

「Sky」は優しく温かいゲームでありたいと願っていますが、かといってキャラクターが常に微笑んでいればいいかというとそうではないんです。

キャラクターが微笑んでいてもゲームをしている人が同じ気分であるとは限らないんですよね。

笑顔になれないけれどゲームをやりたいということもあるわけで、そういうときにキャラクターが微笑んでしまっているとプレイヤーとの間にギャップが生まれ、自分を投影できなくなってしまう。

最終的には仮面をつけているデザインを採用して、ゲーム中で獲得した仮面を自分で選ぶことで、能動的に感情を表現できるようにしました。

 

椎名 貴恵さん2

 

椎名さん:

他のプレイヤーはそのままの状態ではハッキリとした姿が見えないんですよ。影みたいな。

グレーのシルエットだけの状態で。

お互いにろうそくで火をともすことでやっと姿を見ることができるんです。

シルエットの状態のままでも一緒に行動することはできるんですが、どういう風に相手と交流したいかはプレイヤー次第で。

 

田邊さん:

「手を繋ぐ」というアクションひとつにとっても、お互いが了承してはじめて成り立つようにしています。

コミュニケーションを押しつけないという考え方があって。

いきなり誰かの手を取って歩けるわけではなくて、手を差し伸べるアクションに対して、許可することで初めて一緒に歩くことができるようにしています。

 

体験を深める美しい音

 

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」6

 

ーー「Sky」は美しい音も魅力です

ヘッドフォンを推奨したいというプレイヤーの声も多く上がっています

 

水谷 立さん2

 

水谷さん:

「音」というのも「Sky」のこだわりのひとつで、世界への没入感は音によっても引き出されています。

多くのゲームにおいて、音は状況を通知する役割が主だと思うのですが、「Sky」では音を聞きながらゲームを遊ぶことによってより深く感情を動かすような体験をしてほしいという願いを込めてサウンドをデザインしています。

足音、空を飛ぶ音、手を繋ぐ音など、様々な音の工夫が体験の心地よさを増幅させています。

据え置き機に比べるとスマホで音を出してゲームをしている人は少ないかもしれないのですが、ヘッドフォンをつけてプレイするのはおすすめです。

 

「Sky」に興味を持っている方・これからプレイする方へ

 

Sky日本人クリエイター2

 

ーー最後に、どんなかたに「Sky」を遊んでほしいですか?

 

椎名さん:

どんな方でも!なんですけど・・もし興味をお持ちいただけたら、いちどSkyの世界に降りたってみてほしいです。

 

田邊さん:

2019年のリリースから3年経って、結果的にすごく優しい方が集まってくださって、プレイヤー層がとても温かいんですね。

新しくこの世界に来て遊んでいただいている方にもきっとそれは感じていただけるかと思います。

出会う星の子たちに積極的にコンタクトを取っていただけると「あれっ、このソーシャルゲームはちょっと違うぞ!」とほかのプレイヤーの方から感じてもらえると思います。

それは我々が意図した以上の結果がいまのゲームに表れていることなので、注目してほしいですね。

 

水谷さん:

国籍・人種・性別問わずに本当にいろんな人に遊んでほしいという思いもありますし、「Sky」が対象としているプレイヤーのイメージは本当に広いんです。

ゲームは子どもが遊ぶものだとか、暇つぶしの娯楽だとか、大人になったら卒業するものだと思っている人にこそ遊んでほしくて。

ゲームってこんなに感情を動かせるものなんだ、表現できるものなんだと知ってほしいというのが我々の思いなんです。

昔ゲームを遊んでいたけどしばらく離れている人、ゲームに苦手意識があってあんまり遊んだことがない人、ご家族などでも世代を超えて遊んでほしいと思っています。

 

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」概要

 

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」

 

開発元・配信元:thatgamecompany

ジャンル:ソーシャルアドベンチャー

プレイ人数:1~8名(オンライン通信)

価格:基本プレイ無料

対応フォーマット:iOS・Android、Nintendo Switch

公式サイト:https://www.thatskygame.com/ja

 

 

全世界で1億6000万以上ダウンロードされている、争いのない優しいゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」

その人気には人の感情を揺さぶる、クリエイターの哲学とこだわりが隠されていました。

プレイヤー同士の思いやりをわかちあい、ポジティブなつながりを育むことができる「Sky 星を紡ぐ子どもたち」は、iOS・Android、Nintendo Switchで配信中です。

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