【『トイ・ストーリー5』公開記念対談】シリーズ30年!おもちゃたちが教えてくれた、「相棒」のつくり方

Disney(ディズニー)

【『トイ・ストーリー5』公開記念対談】シリーズ30年!おもちゃたちが教えてくれた、「相棒」のつくり方

投稿日:2026年7月10日 更新日:

日本公開30周年の節目に最新作『トイ・ストーリー5』が公開された本作は、スクリーンの枠を超え、プロダクトや体験として私たちの日常に拡張し続けてきました。

今回は、長年その進化を定点観測してきたブロガー・インフルエンサーのMezzoMiki氏とDtimes編集長・あずさゆみが特別対談を実施。

豊富な取材アーカイブや日常のグッズ、名台詞をフックに、ディズニーの物語がいかに私たちの人生に根付いてきたかを2人の視点から紐解きます。

 

【『トイ・ストーリー5』公開記念対談】シリーズ30年!おもちゃたちが教えてくれた、「相棒」のつくり方

 

1995年、世界初のフルCG長編アニメーションとして映画の歴史を塗り替えた『トイ・ストーリー』

日本公開から数えて、今年でちょうど30周年を迎えます。

その記念すべき節目に、シリーズ最新作『トイ・ストーリー5』が7月3日(金)、ついに劇場公開されました。

この30年、ウッディやバズたちおもちゃの物語は、単なるスクリーンの枠を超え、私たちの日常を彩るプロダクトや数々の体験へと拡張し続けてきました。

長年その進化を定点観測してきたブロガー・インフルエンサーのMezzoMiki氏と、物語のテーマを大人の日常や感情へと翻訳するDtimes編集長・あずさゆみが特別対談。

過去の豊富な取材アーカイブや日常に置かれたグッズ、そして心に刻まれた名台詞をフックに、ディズニーの物語がいかに私たちの人生に根付いてきたのかを、2人の視点から紐解きます。

あずさゆみ/テーマパーク・キャラクター系ジャーナリスト

Dtimes編集長。数々の現場経験を活かしライター、ジャーナリスト、フォトグラファーとしても活動。

MezzoMiki/ブロガー・インフルエンサー

自ら撮影する高画質の写真で人気のブロガー・インフルエンサー。ディズニーグッズやパークに関する情報をブログ・SNSで発信している。総フォロワー70万人以上。

 

「もしも、おもちゃが動いていたら?」——すべてはこの問いから始まった

 

 

あずさゆみ:
今回は、MezzoMikiさんと一緒に「トイ・ストーリー」シリーズが私たちの人生にどう根付いてきたかを振り返っていきます。
第1作の日本公開から、今年でちょうど30周年。
そんな年に最新作『トイ・ストーリー5』が公開されるというのは、ファンとして感慨深いものがありますね。

MezzoMiki:
当時の衝撃は本当に大きかったですね。
世界初のフルCGということで、いまなお語り継がれていますが、おもちゃ特有のつややかなプラスチックの質感が、画面越しにも驚くほどリアルに伝わってきて。
そして何より大きな魔法は、「もしも、自分たちがいない間におもちゃが動いていたら?」という、誰もが子どもの頃に一度は想像した原体験を、見事に映像化してくれたことだと思います。
実はこの「もしも」という問いかけこそ、のちの『モンスターズ・インク』や『インサイド・ヘッド』へと受け継がれていく、ピクサーの物語づくりの原点でもあるんです。『トイ・ストーリー』は、その記念すべき最初の一歩でした。

あずさゆみ:
その「もしも」に、フルCGという当時の最先端技術が合わさったからこそ、私たちは一気にあの世界へ引き込まれたのでしょうね。

もうひとつ印象的なのが、第1作では「ウッディのようなアナログなカウボーイ人形」と「レーザー光線や飛び出す翼などの機能を備えた最新型アクションフィギュア」の対比が描かれていることです。
大人になって見返すと、あれは「古いものと新しいものの共存」や、新しい環境への適応という、現実社会の縮図のようにも見えてきます。

MezzoMiki:
おもちゃ箱の中での世代交代であり、誰にとっても避けては通れない環境の変化ですね。

しかも興味深いのは、まさにその構図が最新作へ受け継がれていることです。
ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるピート・ドクターは、『トイ・ストーリー5』のテーマの一つとして「Toy Meets Tech(トイ・ミーツ・テクノロジー)」と表現しています。
第1作でウッディとバズの間にあった「新旧」の対立が、30年の時を経て、今度はおもちゃたちと最新テクノロジーの対立へとスケールアップしている。
第1作を知るファンほど、この縦のつながりが胸に迫るはずです。

あずさゆみ:
シリーズの原点にあった問いが、時代に合わせて形を変えて還ってくるわけですね。

それともうひとつ、私がこのシリーズで大切だと思っているのが、どんなに時代や環境が変わっても、おもちゃたちは人間の前では決して言葉を話さないし、動かないというルールなんです。

MezzoMiki:
「アンディが来た!」の一声で、おもちゃたちが一斉に元の場所へ駆け戻り、何食わぬ顔で“ただのおもちゃ”に戻る・・・シリーズを象徴する、あの名場面ですね。

あずさゆみ:
そうです。「おもちゃが生きていたらきっと楽しい」というワクワク感の根底には、実はことばを話さないからこそ、どんな時も黙ってそばにいてくれる「絶対的な味方」としての安心感があるのだと思います。

この作品が30年経っても色褪せない理由は、最新の技術だったからではなく、私たちが子ども時代に経験したその「絶対的な味方との記憶」を、見事に言語化し、可視化してくれているからなのでしょうね。

 

おもちゃは、いつから大人の日常に溶け込んだのか

 

 

MezzoMiki:
その安心感は、30年を経たいま、映画のスクリーンの外、私たちの日常のすぐそばにまで広がっています。
普段取材しているディズニーストアのグッズを見ても、キャラクターをかたどった“おもちゃ”だけでなく、大人のライフスタイルに溶け込む上質なデザインのアイテムが数多く生まれていますね。

あずさゆみ:
過去の取材アーカイブや写真を見返しても、ここ10年ほどの拡張ぶりには目を見張るものがあります。
かつては子ども向けの玩具が中心だったのが、いまは大人がオフィスで使えるさりげない文具や、インテリアに馴染む絶妙なトーンのファブリックまで揃っています。

 

 

MezzoMiki:
アパレルブランドやスニーカーなどの商品も数多く展開されていますね。また、映画を観るだけでなく、世界観を「体験」する手段も増えました。過去にD23 EXPO Japanで開催された「アンディの部屋」を再現した展示や、『ピクサーの世界展』のような没入型の立体展示など、あの世界に直接入り込めることは、ファンにとって大きな喜びです。ゲームの分野でも、『キングダム ハーツIII』でおもちゃの世界(トイボックス)が再現された際には、その再現度の高さが大きな話題になりました。

あずさゆみ:
ゲームをきっかけに、新しく作品の入り口に立つ方も多いですよね。
特に『キングダム ハーツIII』での「トイ・ストーリー」についてはピクサー側との完全監修で作られているので、ファンが見たい場面や物語のテンポ感を丁寧にすくい上げてくれています。
ライブエンターテインメントでは、ディズニー・オン・アイスや、ディズニー・オン・クラシックのようなオーケストラコンサートもあります。
生演奏を聴きながら、自分の人生と作品の思い出を重ね合わせられる、あの時間は本当に豊かです。

 

 

MezzoMiki:
体験という意味では、今年の夏はパークも大きく動いています。
東京ディズニーリゾート®では、映画の公開に合わせたスペシャルイベント「ファンタイム・ウィズ・トイ・ストーリー5」が始まりました。
ウッディやバズたちおなじみの仲間に会える、まさに“おもちゃ箱の中に飛び込む”ような体験で、劇場で受け取った感動をそのままパークで追体験できる、素晴らしいタイミングの企画だと思います。

あずさゆみ:
こうして振り返ると、映画・グッズ・ゲーム・音楽・パークと、あらゆるタッチポイントが連動し、2世代、3世代で楽しめるルートが完成しているんですよね。
どこから入っても、必ずあのおもちゃ箱にたどり着ける。

 

ツムツム

ディズニー ツムツム

 

MezzoMiki:
グッズの展開にも興味深い潮流があります。
象徴的なのがエイリアン(リトル・グリーン・メン)で、さまざまなピクサーキャラクターのコスチュームをまとってグッズ化されるなど、非常に懐の深い存在としてファンに愛されています。
ディズニーストアの「ディズニー ツムツム」のぬいぐるみは、私も部屋に積み重ねて、コレクションとして飾っています。

あずさゆみ:
エイリアンはもはや、さまざまなアートやアイデアを受け止めるキャンバスのような存在になっていますよね。
劇中に登場する「ピザ・プラネット」のロゴも、いまや日常のファッションアイコンとして成立していますし。
作品の世界観を多様な角度から日常に取り入れられることが、ライフスタイルへの拡張につながっているのだと思います。

 

デスクの上のウッディが、今日も応援してくれている

 

 

あずさゆみ:
そうして大人も普段使いできるグッズが数多く生まれているわけですが、大人がいまもキャラクターグッズを手元に置いておきたい心理とは、何だと思われますか?

MezzoMiki:
やはり「みんなで仲良くしている空気感」がグッズから伝わってくることでしょうか。
例えばエイリアンには、ファンの間で「3人一緒にいるのがスタンダード」という感覚があります。
1人だけでは寂しそうだから、店頭で見かけると3人まとめて迎えたくなる、それがファンの間では半ば暗黙の了解になっているんです。
「トイ・ストーリー」のグッズには、キャラクター単体のものもありますが、複数のキャラクターが組み合わさって、あの賑やかな空気感をまとっているものが本当に多い。そこが大きな魅力です。
加えて最近のぬいぐるみは「素材感」へのこだわりも徹底していて、ロッツォのふわふわとした手触りなど、劇中の再現度の高さについ手が伸びてしまいます。

あずさゆみ:
3人まとめて、というのはファン心理として実によく分かります。
あの賑やかな関係性ごと手元に置きたくなるんですよね。

MezzoMiki:
素材のクオリティが高いと、なおさらそう感じますね。

あずさゆみ:
ええ。現実に彼らがそこにいるような気がしてくるんです。
私は仕事の合間、ふとデスクの上のウッディたちと目が合うと、彼らが劇中でアンディやボニーをずっと見守っていたように、いまの私のこともひそかに応援してくれている気がして、静かに励まされています。
大人がグッズを日常に置くのは、単なる消費ではなく、作品の世界観や安心感を、日常の支えとして「可視化」して手元に置く行為に近いのかもしれませんね。

 

ふとした瞬間によみがえる、名台詞たち

 

MezzoMiki:
グッズといえば、名台詞がタイポグラフィで美しくデザインされたアイテムも多いですね。
日常のふとした瞬間に、口をついて出るセリフはありませんか?
例えばエイリアンの「選ばれた〜」とか。

あずさゆみ:
あれは、大人の私たちが「抗えない運命や、急ぎの仕事」を受け入れるときに、思わず心の中で唱えたくなる言葉ですよね。
「アーム様が選んだのだから、やるしかない!」という、ある意味で究極のポジティブな学びです。

MezzoMiki:
それから、『トイ・ストーリー4』で新登場したフォーキーが、ウッディにひたすら「どうして?」「なぜ?」と無邪気に質問を重ねるやり取り。
あのテンポには思わず惹き込まれました。

あずさゆみ:
フォーキーは世界に誕生したばかりで何も知らないからこその「なぜ?」なのですが、私たちが日常で当たり前だと思って通り過ぎていることを、彼に「なぜ?」と問われている気がして、はっとさせられるんです。
そんなフォーキーがさまざまな物事に切り込んでいく短編シリーズ(『フォーキーのコレって何?』)も、軽やかに笑えて、それでいて深いのでお気に入りです。

MezzoMiki:
切なさで言えば、『トイ・ストーリー2』でジェシーの過去が描かれるシーンと、そこに流れる歌(「When She Loved Me」)は、ファンの間でも涙なしには語れない名場面として知られています。

あずさゆみ:
ジェシーが持ち主のエミリーに見返りなく愛された記憶と、成長とともに手放された悲しみですよね……。
初めて観たときはただ寂しいシーンだと思っていましたが、見返すたびに、あれは人生における「卒業」や「過去を受け入れて次に進むこと」のメタファーに思えて、大人になったいまのほうが深く胸に刺さります。
そして、最新作『トイ・ストーリー5』で物語の中心にいるのが、そのジェシーなんです。
誰よりも痛みを伴う「別れ」を経験した彼女だからこそ、ボニーの変化に最初に気づき、立ち上がる。
『2』のあのシーンを胸に刻んでいるファンほど、今回のジェシーの一挙一動が深く響くはずです。

MezzoMiki:
過去作の記憶が、そのまま最新作の解像度を上げてくれる。シリーズ作品ならではの贅沢ですね。
そして何より、バズの「無限の彼方へ、さあ行くぞ!」と、ウッディの「あんたは俺の相棒だぜ」は、不動の殿堂入り名セリフです。

あずさゆみ:
「無限の彼方へ〜」は、バズが強がっているときだけでなく、等身大の自分を知ったうえで、それでも自らを奮い立たせるときに発する言葉です。
だからこそ、現実世界で一歩踏み出そうとする私たちの背中を強く押してくれる。
「あんたは俺の相棒だぜ」は、味方がいてくれることの温かさと嬉しさという、大人が忘れがちな心の原点に立ち返らせてくれます。

 

いつでも帰れる「おもちゃ箱」、そして新しい相棒へ

 

あずさゆみ:
そしていまはDisney+(ディズニープラス)が普及したことで、その言葉や世界観に、いつでも自分のタイミングで帰れるようになりましたね。

MezzoMiki:
ピクサー作品はカメオ出演やイースターエッグ(隠れ要素)が非常に多いので、ディズニープラスで一時停止や巻き戻しをしながら、何度も見返して新しい発見ができるのは、ファンにとって最高の環境です。
映画本編だけでなく、先ほどのフォーキーの短編や、『ハワイアン・バケーション』のような『トイ・ストーリー トゥーン(短編)』も充実しているので、いつでもあの賑やかなおもちゃ箱に帰れる安心感があります。
『トイ・ストーリー5』を劇場で観る前の“予習”にも、観たあとにもう一度シリーズを辿り直す“復習”にも、これ以上ない環境ですね。

あずさゆみ:
シームレスに何度でもアクセスできるからこそ、かつて私たちが受け取った「魔法」が、そのまま次世代の子どもたちへも自然に受け継がれていく。
そうして体験がつながり続けるなかで、いよいよ『トイ・ストーリー5』が公開されました。

MezzoMiki:
今回、監督・脚本を務めるのは『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』のアンドリュー・スタントン。
これまでのシリーズでも原案や脚本を手がけてきた、いわばシリーズの“生き字引”ですから、原点回帰への期待は公開前から高まっていました。
日本語吹替版では、ウッディ役の唐沢寿明さん、バズ役の所ジョージさんが今回も続投。
30年間ずっと“あの声”で聴けること自体が、日本のファンにとってかけがえのない財産だと思います。
音楽もランディ・ニューマンが5作連続で担当し、さらに本作のためにテイラー・スウィフトがオリジナル曲を書き下ろしたことも大きな話題になりました。

 

リリーパッド

手作りのリリーパッド装飾

 

あずさゆみ:
シリーズを支えてきた顔ぶれと、新しい風。
その両方が揃っているのは心強いですね。
……実は私、『トイ・ストーリー5』のプレミア取材に持っていったタブレットに、手作りでリリーパッドの装飾を施したんです。

MezzoMiki:
手作りですか!それは素敵ですね。
しかもリリーパッドは、劇中ではおもちゃたちの前に立ちはだかる、カエル型の最新タブレット。
その“ライバル”を、ご自身の手で相棒に変えてしまったわけですね。

あずさゆみ:
そうなんです。ただの無機質なタブレットだったはずなのに、自分で手を動かして少し手を加えてみたら、驚くほど愛着が湧いてしまって。
そのときに、はっと気づいたんです。
ウッディやバズがアンディにとってそうだったように、「自分で手をかけたり、一緒に時間を過ごしたりすることで、ただのモノが“自分だけの特別な相棒”に変わる」。
これこそが、この作品が30年前の第1作からずっと、形を変えながら私たちに教えてくれていたことの本質なのだと。
おもちゃかテクノロジーか、という二択ではなくて。

MezzoMiki:
まさに、自分だけの相棒が誕生した瞬間ですね。
手作りだからこそ、世界にひとつの特別なおもちゃ(相棒)になった。
それは奇しくも、『トイ・ストーリー5』が投げかける問いへの、ゆみさんなりの答えになっている気がします。

あずさゆみ:
そうかもしれません。大人の私たちの日常にも、形を変えてそうした「相棒」はたくさん存在しているはずです。
劇場のスクリーンで、おもちゃたちが次はどんな姿で私たちの日常に並走し、背中を押してくれるのか。
新しく相棒になったこのタブレットとともに、一人のファンとして、その一期一会の瞬間をしっかりと見届けたいと思います。
皆さんもぜひ、ディズニープラスで過去作の思い出を辿り直してから、劇場へ足を運んでみてください。

 

『トイ・ストーリー5』作品情報

 

『トイ・ストーリー5』:日本版本ポスター

©2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 

公開日:大ヒット公開中

監督:アンドリュー・スタントン

共同監督:ケナ・ハリス

声の出演:唐沢寿明(ウッディ)、所ジョージ(バズ)、日下由美(ジェシー)、広瀬アリス(リリーパッド)、佐野勇斗(スマーティー・パンツ)、井上和(スナッピー)、松井ケムリ(アトラス)、竜星涼(フォーキー)ほか

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

 

『トイ・ストーリー5』は全国の劇場で公開中。

過去作および関連短編はディズニープラスで配信中です。

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