日本イベント産業振興協会は、2026年6月16日に虎ノ門ヒルズフォーラムで「第12回JACEイベントアワード」を開催し、各賞の受賞作品を発表しました。
「JACEイベントアワード」は、2014年より国内外で行われるイベントを対象に実施されている総合的な表彰制度です。創造的で革新的なイベントを広く募集し、時代をリードする人材の発掘・顕彰を行うことで、イベント業界全体の底上げを目指しています。
第12回では応募総数174作品の中から部門賞が選ばれ、最優秀賞 経済産業大臣賞(日本イベント大賞)には、NTTドコモの「ばくモレ展」が選定されました。
日本イベント産業振興協会「第12回JACEイベントアワード」

- 名称:第12回JACEイベントアワード
- 表彰式:2026年6月16日(火)
- 会場:虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー5階)
- 主催:一般社団法人 日本イベント産業振興協会
- 応募対象:2025年1月1日から2025年12月31日までに実施された国内外のイベント
- 公式サイト:https://award.jace.or.jp/
第12回JACEイベントアワードでは、イベントの規模にかかわらず幅広いジャンルを対象とするため、主催者の属性に応じて「企業・業界団体」「政府・自治体・公的団体」「学生・NPO・各種団体・個人」の3部門を設定。
選考では「アイディア・コンセプト」「インパクト・経済効果」「マネジメント・ホスピタリティ」の3つの視点から評価されます。
また第12回から、ポップアップストアや期間限定ショールームなど、空間デザインに優れた作品を評価する「スペースデザイン賞」も新設されています。
最優秀賞 経済産業大臣賞(日本イベント大賞):ばくモレ展
- 賞金:300,000円
- 主催者:株式会社NTTドコモ
- 開催日:2025年2月22日~2025年2月23日
- 開催場所:LIGHT BOX STUDIO(東京都港区南青山5丁目16-7)
- 部門賞:企業・業界団体部門 ゴールド
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ

最優秀賞 経済産業大臣賞(日本イベント大賞)には、NTTドコモの「ばくモレ展」が選定されました。企業・業界団体部門のゴールド受賞作品でもあります。
「ばくモレ展」は、SNSで起こり得る情報漏洩問題を啓発する写真展イベント。瞳に映る景色や背景に写り込む電柱などから生活圏が特定され、犯罪に巻き込まれる危険性があることを、若年層にも伝わりやすい体験として提示しました。
会場では「人気インフルエンサーのよくある写真展」のように見せながら、展示されている写真や映像から個人情報が漏れていたことが明かされる構成を採用。
「“盛れ”ていると思ったら“漏れ”ている」という気づきを通して、SNS投稿時のリスクを疑似体験できる内容です。
選考委員コメントでは、堅くなりがちなリスク喚起をポップな見せ方で届け、若年層の興味・関心を引き出した点が評価されています。
ネーミングを含めたギャップ設計により、社会テーマと企業ブランドへの共感醸成を両立した取り組みです。
イベントプロフェッショナル賞:映画『8番出口』東京メトロ脱出ゲーム
- 賞金:200,000円
- 主催者:株式会社メトロアドエージェンシー、東宝株式会社、STORY株式会社、ESCAPE合同会社
- 開催日:2025年8月29日~2025年11月3日
- 開催場所:東京メトロ駅構内、及び地下直結施設
- 部門賞:企業・業界団体部門 ブロンズ
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ

イベントプロフェッショナル賞には、「映画『8番出口』東京メトロ脱出ゲーム」が選定されました。全国のイベント業務管理士によるネット投票で選ばれる賞です。
映画『8番出口』の世界観をリアルに体験できるイベントとして、東京メトロ全線を舞台にした周遊型謎解き企画を実施。参加者は専用キットを手に、駅や地下直結施設を巡りながら“異変”を探し、出口を目指します。
不気味な地下通路や異変探しといった映画の象徴的な要素を現実の駅空間へ拡張。
特徴的な黄色の専用バッグを持つ参加者の姿も駅構内で注目を集め、原作・映画ファンだけでなく一般通行者にも話題が広がりました。
開催終了を待たず累計55,000キットが完売したこと、参加者満足度が90%を記録したこと、参加者の約7割が謎解き初心者と話題に!
東京メトロ各駅や地下施設の乗降人員数・来場者数が前年比110%を記録し、映画の累計興行収入51億円突破にもつながる相乗効果を生みました。
企業・業界団体部門 シルバー:FUNclusion Week
- 賞金:70,000円
- 主催者:株式会社大広
- 開催日:2025年12月5日~2025年12月6日
- 開催場所:東京都世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 他
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
「FUNclusion Week」は、企業・業界団体部門のシルバーを受賞した参加型イベントです。インクルーシブな社会づくりを「学ぶもの」ではなく、Fun(楽しさ)を通じて体験するものとして再定義しました。
日本ではDE&Iの認知が進む一方、障害のある方との関わりに対する不安やためらいが行動を妨げ、理解が実践につながりにくいという課題があります。
本イベントではその心理的ハードルに着目し、視覚や聴覚といった感覚の前提を変える体験型コンテンツを街中に展開しました。
「しずかでうるさい洋食屋さん」「見えないお花屋さん」など、参加者が障害のある人の世界を同じ立場で共有する企画を実施
来場者数は4,947人と当初目標の250%を達成し、16の企業・団体が自発的に参画、メディア露出換算は約5,000万円を記録しました。
政府・自治体・公的団体部門 ゴールド:託児銭湯
- 賞金:100,000円
- 主催者:株式会社ヒャクマンボルト
- 開催日:2025年3月29日
- 開催場所:松本湯(東京都中野区東中野5-29-12)
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
「託児銭湯」は、政府・自治体・公的団体部門のゴールドを受賞した作品です。
保育士に子どもを預けて、松本湯で入浴できるイベントとして実施されました。
会場の松本湯にはぬるめの浴槽やベビーバスがあり、子どもと一緒に入浴することも可能。
親同士で育児の悩みを相談したり、子どもたちが一緒に遊んで仲良くなったりと、入浴だけでなく地域のつながりをつくる場にもなっています。
公式詳細では、2022年8月から2023年3月、2023年7月から2024年3月、2024年7月から2025年3月の期間に毎月1回開催された継続的な取り組みとして紹介されています。
選考委員コメントでは、親が安心して自分を取り戻せる“心の拠り所”へ銭湯をアップデートした点が評価されています。
政府・自治体・公的団体部門 シルバー:Diriyah Season Souq Al-Mawsim
- 賞金:70,000円
- 主催者:Diriyah 財団
- 開催日:2025年11月9日~2025年12月8日
- 開催場所:サウジアラビア王国 リヤド ディルイーヤ
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
「Diriyah Season Souq Al-Mawsim」は、政府・自治体・公的団体部門のシルバーを受賞した作品です。
サウジアラビア王国の首都リヤドにある歴史文化地区ディルイーヤで開催された同国最大級の祭典に、日本文化を発信する取り組みとして参画しました。
2025年の日本とサウジアラビア外交樹立70周年を機に、両国の伝統文化を相互に発信する舞台として実施。
屋外会場の空間演出とステージプログラムの企画・運営を一体で担当し、日本とディルイーヤ地区様式を融合したゲート装飾などで没入感のある導入体験をつくりました。
椰子の森には提灯、竹照明、行灯などを配置。阿波踊り、傘回し、琴、尺八などの伝統芸能を招き、30日間にわたり4ステージで計300公演を実施しました。
現地メディアや海外通信社にも取り上げられ、国際的な文化交流として波及しています。
政府・自治体・公的団体部門 ブロンズ:ひろしまドリミネーション2025
- 賞金:50,000円
- 主催者:ひろしまライトアップ事業実行委員会
- 開催日:2025年11月17日~2026年1月3日
- 開催場所:広島県広島市中区 平和大通り南北緑地帯を中心とした市内中心部一帯
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
「ひろしまドリミネーション2025」は、政府・自治体・公的団体部門のブロンズを受賞した作品です。
被爆80年を迎える2025年、広島の平和大通りを舞台に「笑顔になれる平和な世界」を創出する大規模イルミネーションイベントとして展開されました。
子どもたちの夢の中で生まれたキャラクター「星の子どりみ」が魔法で命を吹き込んだという物語を軸に、全12エリアにおよぶ没入型の「おとぎの国 ストーリー体験」を構成。平和への祈りを込めた新シンボル「ピースオブツリー」も設置されました。
鍵盤を踏むと音と光が奏でられる体験型アトラクション「ミュージックツリー」、調光技術を用いた巨大な「波の演出」、アプリ不要のAR・デジタルスタンプラリーなど、光の演出とDXを融合。
広島東洋カープ、サンフレッチェ広島、広島ドラゴンフライズの地元プロスポーツマスコットを光のオブジェ化し、地域文化も表現しています。
学生・NPO・各種団体・個人部門 ゴールド:農道音楽祭-nouon- 2025
- 賞金:100,000円
- 開催日:2025年10月4日
- 開催場所:北海道深川市
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
「農道音楽祭-nouon- 2025」は、学生・NPO・各種団体・個人部門のゴールドを受賞した作品です。北海道深川市で初開催された、農業とエンターテインメントを軸にした住民主体型の野外音楽フェスです。
市職員、農業者、商業者、クリエイター、学生など、多様な市民有志による「農と音楽のまちおこしイベント実行委員会」が、1年半をかけて構想から企画・運営までを担いました。
人口減少や担い手不足に向き合い、住民のシビックプライドを取り戻すまちづくりの取り組みです。
会場では、はさがけ、牧草、丸太、花など深川の地域資源を活かした空間づくりを展開。
農業者による炊き立ての新米販売、廃棄されるスターチスを活用したフラワーウォールやスワッグ装飾など、食と農の価値を体験できる企画も実施されました。
学生・NPO・各種団体・個人部門 シルバー:地域が世界平和の当事者になる「世界とつながる学び」講演会
- 賞金:70,000円
- 主催:なかよし学園
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
地域が世界平和の当事者になる「世界とつながる学び」講演会は、学生・NPO・各種団体・個人部門のシルバーを受賞した作品です。なかよし学園主催の「世界とつながる学び(CoRe Loop)体感型・平和講演会」として実施されています。
“講演を聞いて終わらない”を合言葉に、紛争地・難民キャンプなどの教育現場のリアルと、地域の学びが世界に届く循環モデルを共有。参加者は講演直後に、教材制作、寄贈、参加申込など自分にできる具体行動を選択します。
第2段階では希望者が海外活動に参画し、現地での活用状況や子ども・教員の声を収集。
最後にフィードバック講演会を行い、現地からの動画、手紙、成果報告を“里帰り”として共有することで、自分たちの行動が世界平和へどうつながったかを体感できる仕組みです。
全国の自治体・学校と連携し、累計1万人規模の児童生徒・地域住民が関わる取り組みとして評価されています。
学生・NPO・各種団体・個人部門 ブロンズ:令和7年度 第111回別府八湯温泉まつり
- 賞金:50,000円
- 開催地:大分県別府市
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
「令和7年度 第111回別府八湯温泉まつり」は、学生・NPO・各種団体・個人部門のブロンズを受賞した作品です。大分県別府市で毎年4月1日の「温泉感謝の日」と4月第1週の週末を中心に開催される、別府八湯の温泉の恵みに感謝するお祭りです。
まつり期間中は、温泉の神々に春の訪れを告げる「扇山火まつり」をはじめ、お神輿の練り歩き、温泉の恵みを肌で感じる「湯ぶっかけまつり」などを実施。各地域会場でも多彩な催しが行われる5日間の祭典です。
公式詳細では、観光協会や自治会が主導する別府最大の春の祭典として紹介。最大の目玉である「湯ぶっかけまつり」では、213トンの湯をぶっかけ合う熱量ある企画として、温泉への感謝という伝統と観光客を巻き込むエンターテインメント性が評価されています。
スペースデザイン賞:Marunouchi Street Park 2025 Summer
- 賞金:100,000円
- 開催日:2025年9月5日~2025年9月21日
- 会場:丸の内仲通り
- 公式詳細:第12回JACEイベントアワード受賞作品詳細ページ
「Marunouchi Street Park 2025 Summer」は、第12回から新設されたスペースデザイン賞を受賞しました。
空間デザインに優れた作品を評価する賞で、ポップアップストアや期間限定ショールームなど、従来の枠では評価されにくかった取り組みにも機会を広げる目的で設けられています。
「Marunouchi Street Park」は2019年からスタートした社会実験です。
より歩行者に開かれた“人”中心の道路を目指し、丸の内仲通りの今後のあり方や活用方法を検証しています。
2025年は東京2025世界陸上競技選手権大会の機運醸成も兼ねて、9月5日から21日まで開催。
大会期間中はASICSによる特設エリアを設け、就業者参加型の期間限定コンテンツも実施しました。
選考委員コメントでは、都市空間を通行や消費だけの場ではなく、人々が滞在し関係を育む“街の縁側”へ再定義した実践として評価されています。
特別賞:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)

特別賞には、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が選出されました。
第12回JACEイベントアワードでは、万博関連の取り組みも複数ノミネート。
大阪・関西万博の開会式および主催者催事「Physical Twin Symphony」、大阪ウィークの世界最大・最多国籍盆おどり、静けさの森アートプロジェクトなど、万博を舞台にした多様なイベントが評価対象となっています。
開会式では、式典プログラムと日本の伝統美・現代テクノロジーを融合したパフォーマンスを展開。
「Re-Connect 巡り、響き、還り、繋がる」をテーマに、生命のつながりや伝統から未来へのつながりを表現しました。
大阪ウィークの盆おどりでは、「世代の絆」をテーマに3,946人が参加し、「世界の絆」をテーマに62カ国の参加者が同じ振り付けで5分以上踊り続け、2つのギネス世界記録を達成。万博の会期後半へ向けた話題発信にもつながりました。
選考委員
選考委員長は、日本イベント産業振興協会顧問、イベント学会会長、日本商工会議所顧問、全国中小企業振興機関協会会長の中村利雄さんです。
選考委員には、経済産業省商務・サービスグループ文化創造産業課、俳優でGet in touch代表の東ちづるさん、クラスター代表取締役CEOの加藤直人さん、スペースコンポーザーでJTQ代表の谷川じゅんじさん、宣伝会議取締役兼月刊『宣伝会議』編集長の谷口優さん、画家で女優、大正大学客員教授の蜷川有紀さん、HI代表で青年版ダボス会議One Young World日本代表・アドバイザーの平原依文さん、JACEイベントアワードプロデューサーでLanda代表取締役の宮本倫明さんが名を連ねています。
最優秀賞のNTTドコモ「ばくモレ展」をはじめ、全国のイベント業務管理士によるネット投票で選ばれたイベントプロフェッショナル賞、新設のスペースデザイン賞など、国内外の多様なイベントが表彰されています。
日本イベント産業振興協会「第12回JACEイベントアワード」の紹介でした。