記事ポイント
- 宿泊予約サイトの利用率は67.7%で、公式サイト(24.9%)の約2.7倍に達する
- 公式サイト確認後もOTAで予約する理由の76.0%がポイント・キャンペーン還元
- 全体68.0%が施設独自ポイントより「すぐに使える・選べるデジタルギフト」を支持
宿泊施設の公式サイトへの直接予約(直販)を増やすには何が鍵となるのか、その実態が数値で明らかになります。
DIGITALIOが運営する法人向けデジタルギフトサービス「デジコ」は2026年4月、全国の20代〜60代の男女1,674名を対象に「宿泊予約の利用実態と特典に関する意識調査」を実施しました。
OTA(宿泊予約サイト)に依存するユーザーが公式サイトへ切り替えるインセンティブの実態と、世代ごとの意識差が詳細に分析されています。
DIGITALIO「デジコ」宿泊予約の利用実態と特典に関する意識調査

- 調査名:宿泊予約の利用実態と特典に関する意識調査
- 実施期間:2026年4月14日〜2026年4月19日
- 事前調査対象:全国20代〜60代の男女1,674名
- 本調査対象:宿泊予約サイトをメイン利用する316名
- 調査方法:Webアンケート
- 実施:株式会社DIGITALIO「デジコ」
本調査は2段階構成で実施されました。
事前調査として「直近1年以内に宿泊施設を自分で予約した」585名を対象に利用チャネルの実態を調査し、そのうち宿泊予約サイトをメインで利用する316名を対象とした本調査が行われています。
公式サイト離脱の真因と、直販予約へのチャネルスイッチを促す特典の最適解が、数値とともに明らかにされています。
事前調査では585名のうち67.7%が「宿泊予約サイト」を最も頻繁に利用する手段として回答しており、「宿泊施設の公式サイト」をメインに使う層は24.9%にとどまっています。
宿泊予約サイトの利用率は公式サイトの約2.7倍に達しており、利便性の高いプラットフォームへの集中が浮き彫りとなっています。
宿泊予約チャネルの現状と公式サイト直予約の理由

3区分のドーナツグラフでは宿泊予約サイトが全体の3分の2超を占め、電話・窓口などインターネット予約以外は7.4%にとどまっています。

公式サイトをメインで利用している146名の理由として最も多いのが「公式サイトが一番安いから」(43.8%)で、「公式サイト限定の特典が魅力的」(38.4%)が続いています。
「詳細な空き状況や情報が正確」(31.5%)、「直接要望を伝えやすい」(27.4%)といった直接性への評価も上位に入っており、「お得感」と「安心感」の両面が公式サイト選択の主な動機となっています。
OTAユーザーが公式サイトを確認する動機と離脱の実態

宿泊予約サイトをメインで利用する316名が公式サイトを確認する場面として、「宿泊予約サイトとの価格・プラン比較」が57.9%で最多となっています。
次いで「宿泊予約サイト満室時の空室状況の確認」(37.7%)、「客室詳細やアメニティ・設備の詳細確認」(30.7%)、「公式サイト限定特典への期待」(18.7%)の順に続いています。
一方で全体の16.5%はそもそも「公式サイトは閲覧しない」と回答しており、宿泊予約サイト内で検討・予約を完結させてしまい、比較検討の候補にさえ入らない層が一定数存在しています。

宿泊先を最終決定する際に最も信頼する情報源として、「宿泊予約サイトに掲載されている利用者のクチコミ」が46.0%で突出しており、「宿泊施設の公式サイトに掲載されている施設情報や写真」を信頼する層は19.3%にとどまっています。
公式サイトは価格や空室の最終確認の場に限定されており、宿泊先を選ぶ情報源としては宿泊予約サイトがより強い影響力を持っています。
公式サイト比較後もOTAに戻る理由

「公式サイトとの比較後、最終的に宿泊予約サイトで予約する最大の理由」として「予約で貯まるポイントが欲しいから」が32.9%で最多となっています。
「ポイント付与を含めるとより安く予約できるから」(26.3%)、「キャンペーンでより安く予約できるから」(16.8%)を合わせると、76.0%がポイントやキャンペーン還元を重視しています。
ユーザーの予約チャネル選択は表示価格の比較ではなく、ポイント還元分を差し引いた実質的な総支払額の合理的な計算に基づいています。
公式サイトが「最安値」を提示していても、宿泊予約サイトのポイント還元分による実質価格を下回らない限り、公式サイトは相対的に割高な選択肢として映る構造となっています。

世代別では20代が12.0%と最も高く、60代以上の4.1%の約3倍に達しています。
デジタルネイティブ世代において、公式サイトが最初から比較検討の選択肢に入らないケースはシニア層と比較して目立つ結果となっています。
直販を促す特典の最適解

公式サイトと宿泊予約サイトの価格が同じ条件の場合に公式サイトから予約したくなる理由として、「朝食無料・施設利用割引などの特典」(50.0%)と「客室の無料アップグレード」(41.8%)が上位を占めています。
注目されるのはこれらに次いで「普段の買い物に使える共通ポイントの即時付与」が29.8%と、「レイトチェックアウト」(24.1%)や「最安値保証」(22.8%)を上回る支持を集めている点です。
宿泊体験を直接向上させるサービスが依然として強い訴求力を持つ一方で、日常生活を支える汎用ポイントの即時還元へのニーズが台頭しており、ユーザーの期待が施設内完結の価値から多様化していることが数値に表れています。

公式サイトの予約特典として「すぐに使える・選べるデジタルギフト」と「次回の予約で使える、施設の独自ポイント」のどちらが魅力的かを尋ねたところ、全体の68.0%が「すぐに使える・選べるデジタルギフト」を選択しています。
50代ではこの傾向がさらに強まり、77.6%に達しています。
特定の施設に縛られる特典よりも、自身の生活圏で活用できる汎用性が幅広い世代で合理的に評価されています。
施設独自ポイントへの不満と即時付与の優位性

「次回の予約で使える施設独自ポイント」を支持しなかった215名の不満点として、「次回の宿泊予定が未定で利用の見通しが立たない」が60.0%で最多となっています。
「特典を管理・保持し続ける負担」(28.4%)、「利用先が限定される不自由さ」(25.5%)が続き、再訪を前提とした仕組みへの根本的な抵抗感が浮き彫りとなっています。
「選べるデジタルギフトが公式サイトの予約特典だった場合に利用意欲が高まるか」を尋ねると、73.7%が「高まる」と回答しています。
付与形式の比較では59.8%が「金額は少額でも、その場で全員がもらえる」形式を選択し、「後日抽選で高額特典が当たる」(40.2%)を上回ります。
確実性と即時性が、直販スイッチへの有効な動機付けとなっています。
公式LINE登録促進への波及効果
公式LINEの登録ハードルを下げる要因として「即時でもらえるデジタルギフト」が50.6%で最多となり、「館内サービス」(49.1%)がこれに続いています。
「シークレット配信」(20.9%)や「チェックイン・問い合わせ等の便利機能」(13.3%)への支持は相対的に低く、登録ボタンを押す初期の心理的ハードルを超えさせるトリガーとしては、その場で実感できる実利がより直接的な効果を持っています。
デジタルギフトは直販予約の誘引にとどまらず、公式LINE登録を促してその後の配信や便利機能への接点を築く入り口としても機能します。
直販化から顧客との継続的な関係構築へとつなげる一連のプロセスで、多面的な役割を果たすことが調査から示されています。
物価高騰を背景に消費者の「合理的な実利」志向が強まるなか、宿泊施設の直販比率向上には、予約時の「その場」で還元される即時性・日常的に使える汎用性・ユーザー自身が使い道を選べる選択の自由度を備えたデジタルギフトが有効であることが、今回の調査で裏付けられます。
全体の68.0%が施設独自ポイントより「選べるデジタルギフト」を支持し、50代では77.6%に達するなど、幅広い世代に直販スイッチの動機付けとして機能する設計となっています。
DIGITALIO「デジコ」宿泊予約の利用実態と特典に関する意識調査の紹介でした。
よくある質問
Q. 宿泊予約サイト利用層が公式サイトを確認する最大の動機は何ですか?
A. 「宿泊予約サイトとの価格・プラン比較」が57.9%で最多です。
次いで宿泊予約サイト満室時の空室確認(37.7%)、客室詳細やアメニティの確認(30.7%)の順となっています。
一方で16.5%はそもそも公式サイトを閲覧しないと回答しており、比較検討の候補に入らない層も存在します。
Q. 施設独自ポイントよりデジタルギフトが好まれる理由は何ですか?
A. 独自ポイントを支持しなかった215名の60.0%が「次回の宿泊予定が未定で利用の見通しが立たない」と回答しています。
管理の手間(28.4%)や利用先の限定(25.5%)も不満として挙がっており、即時性・汎用性・選択の自由度を持つデジタルギフトへの需要が高まっています。