記事ポイント
- 日本電子と浜松ホトニクスの技術を融合したレーザー加工SEMシステムが2026年5月25日に販売開始
- 試料室内でレーザー加工から電子顕微鏡観察・元素分析まで一気通貫で完結
- 本体標準価格1億7,000万円〜、年間10台の販売を予定
日本電子が、走査電子顕微鏡(SEM)にレーザー加工装置を搭載したシステム「LazEdge(レイズエッジ)」を2026年5月25日より販売開始しました。
浜松ホトニクス社製の独自レーザー技術と日本電子のSEM技術を組み合わせた製品で、研究機関・大学・産業界の科学技術分野に向けて提供されます。
日本電子「LazEdge(レイズエッジ)」

- 製品名:LazEdge(レイズエッジ)
- 販売開始日:2026年5月25日
- 本体標準価格:170,000,000円〜
- 販売予定台数:10台/年
- 販売元:日本電子株式会社
LazEdgeは、SEMの試料室内でレーザー加工と電子顕微鏡観察を一体で行えるシステムです。
従来の集束イオンビーム発生装置(FIB)を中心とした断面加工装置では、加工面の品質や大面積・高速加工への対応が課題となっています。
LazEdgeは浜松ホトニクス社製の独自光学系を採用することで、高速かつ広領域にわたる断面加工を試料室内で実現しています。
加工後は試料を試料室外に取り出すことなく、SEM観察・元素分析・結晶方位解析といった各種解析にシームレスに移行できます。
金属試料解析をはじめ、大気に触れさせてはならない電池解析、高速断面加工が求められる半導体の故障解析まで、幅広い用途に対応します。
高品質な断面加工を試料室内で実現
LazEdgeは、空間的にレーザー光の位相変調を行う独自の光学系を搭載しています。
この光学系により、試料室内で高速・広領域にわたってリップス構造が少ない高品質な断面加工が可能です。
大面積の断面試料作製をSEM試料室内で完結させる点が、従来のFIBシステムとの大きな差異となっています。
LazEdge Shieldによるクリーンな加工環境
独自のシールド技術「LazEdge Shield」は、レーザー加工時に発生するデブリの飛散を最小限に抑えます。
検出器・鏡筒・試料室内壁を汚染することなく、クリーンな状態での加工を維持します。
試料加工位置とシールド上でのレーザー照射位置に対して同時にフォーカスできる設計により、加工と同時にシールドのコンタミ防止クリーニングも実施できます。
これらの技術が組み合わさることで、常に安定したパワーによる高品質な断面加工が持続されます。
加工と観察のシームレスな連携
SEM試料室内にシールドを設置した構成により、加工と観察をスループットよく切り替えられます。
EBSD(電子線後方散乱回折)測定では、レーザー加工のみでEBSD測定に必要な品質の断面が得られるため、加工と測定の自動繰り返しによって3D EBSDの取得にも対応します。
大気非暴露が必須の電池解析においても、試料を試料室外に出すことなく一連の工程を完了できます。
標準価格1億7,000万円〜という価格帯からも、本製品が最先端の研究・産業現場を対象とした高性能機器であることが分かります。
半導体や電池といった近年需要が急拡大する分野の解析ニーズに応える製品として、年間10台の販売が計画されています。
日本電子「LazEdge(レイズエッジ)」の紹介でした。
よくある質問
Q. LazEdgeはどのような解析分野に対応していますか?
A. 金属試料解析・大気非暴露が必要な電池解析・高速断面加工が求められる半導体の故障解析など、幅広い科学技術分野に対応します。
試料を試料室外に取り出すことなく、加工から元素分析・結晶方位解析までをSEM試料室内で完結できます。
Q. 従来のFIBシステムとの主な違いは何ですか?
A. 従来のFIBでは大面積・高速加工への対応に制約がありましたが、LazEdgeは独自の光学系によりリップス構造の少ない高品質な断面を高速・広領域で加工できます。
LazEdge Shieldがデブリ飛散を抑えることで、試料室内をクリーンに保ちながら加工と観察をシームレスに行える点も特徴です。