中津川市が、歴史的建築物「落合宿本陣」の修復に向けたふるさと納税型クラウドファンディングの結果を発表。
目標額を大幅に上回る寄付を集め、文化財保護への高い関心が示されたプロジェクトの成果をお伝えします。
中津川市「落合宿本陣」修復プロジェクト

実施期間:2025年7月1日~2026年1月31日(ふるさとチョイスは2025年12月31日まで)
寄付総額:108,103,000円(540.5%達成)
寄付者数:6,350人(12月22日時点)
使途:耐震補強、屋根修理、内部整備など
今後の予定:2026年 修復工事着手
岐阜県中津川市が実施した「落合宿本陣」の修復プロジェクトが、ふるさと納税型クラウドファンディングを通じて目標額の540.5%となる寄付を獲得しました。
当初目標の2,000万円に対し、1億810万3,000円もの支援が寄せられています(12月22日時点)。
支援者は全国から6,350人にのぼり、文化財保存への関心の高さと共感の広がりを証明する結果となりました。
「落合宿本陣」は、江戸時代に整備された中山道69宿のうち、44番目の宿場「落合宿」に設けられた幕府公認の宿泊施設。
現存する本陣建築としては岐阜県内唯一であり、大名、公家、幕府役人などが利用した由緒ある建物です。
200年以上にわたり当時の面影を色濃く残す貴重な文化遺産として、地域の人々に守られてきました。
落合宿本陣主屋内部

本陣主屋には、高貴な人物専用の「上段の間」が現存。
敷地内には土蔵、離れ、渡り廊下などの歴史的建造物が残されています。
明治期には明治天皇の巡幸時にも御小休所として使用された記録があり、日本近世・近代の交差点ともいえる重要な場所です。
離れの応急的な構造補強工事

文化的価値が高い一方で、建物は築後100年~200年以上が経過し、老朽化が進行。
構造の歪みや耐震性の不足、屋根の損傷や雨漏りといった課題が深刻化しており、現在は限られた部分のみの公開に留まっています。
今回のプロジェクトで集まった寄付金は、これらの耐震補強、屋根修理、内部保存整備などに充当される予定です。
外国人観光客に英語で応対する地元高校生

「落合宿本陣」は地域アイデンティティの象徴としても活用されています。
地域住民による「ガイドボランティアの会」が案内を担当するほか、地元中高生が英語ガイドに挑戦するなど、国際交流の場としても機能。
2024年には地元団体による新作歌舞伎の上演も行われ、その際の「おひねり」が全額整備のために寄付されるなど、地域ぐるみの連携が進んでいます。
集まった多額の寄付を背景に、今後は寄付者が継続的に関われる制度の導入も検討されます。
2026年からは本格的な修復工事が開始される予定。
中津川市「落合宿本陣」修復プロジェクトの紹介でした。