リスクモンスターの連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(リスクモンスターチャイナ)が、利墨リスモン調べ「第2回中国日系企業の従業員数ランキング」を発表しました。
中国に進出している日系企業の従業員数(社会保険加入者数)を独自に調査・分析し、各企業の市場対応力や戦略転換の実態を明らかにしています。
利墨リスモン調べ「第2回中国日系企業の従業員数ランキング」

調査対象:2025年4月時点で開示されていた法人登記情報において日本企業が出資する中国企業およびグループ企業27,148社
集計基準:2025年9月時点の工商年報で公開されている社会保険加入者数
前回の2023年調査から約2年が経過し、中国市場では自動車製造業や電機製造業を中心に競争激化による効率化や再編が進んでいます。
今回の調査結果からは、成長分野への積極的な投資を行う企業と、市場縮小に伴う人員削減を行う企業の「攻め」と「守り」の戦略の違いが浮き彫りとなりました。
従業員数ランキング トップ10

親会社別の従業員数ランキングでは、前回同様に自動車関連や電機機器関連の製造業が上位を占めました。
首位は「日産自動車株式会社」で、前回調査から約6,500名の減員があったものの、76,956名でトップを維持しています。
5位「株式会社日立製作所」、6位「住友電気工業株式会社」、7位「ダイキン工業株式会社」はいずれも3,000名以上の増員が見られましたが、順位に変動はありませんでした。
一方、前回10位だった「矢崎総業株式会社」は大幅な減員により、今回はトップ10圏外となっています。
従業員増加数ランキング

現地法人ごとの従業員増加数では、「住友電気工業株式会社」の現地法人である「天門武住電装有限公司」が、新工場への移転を背景に2,559名増加しトップとなりました。
4位には「株式会社ゼンショーホールディングス」の現地法人「泉盛三餐飲管理(北京)有限公司」がランクインし、北京での事業拡大により1,130名増加しました。
その他、EV駆動部品や環境対応分野など、中国が推進する新エネルギー政策に関連する企業での増員が目立ちます。
従業員減少数ランキング

減少数ランキングでは、「本田技研工業株式会社」の現地法人「広汽本田汽車有限公司」が3,112名の減少でトップとなりました。
ガソリン車中心の構成によりEVシフトへの対応が遅れたことや、販売台数の低迷が影響しています。
また、4位の「佳能(中山)弁公設備有限公司」は生産停止と閉鎖を発表しており、市場環境の変化に応じた組織再編が進んでいる様子がうかがえます。
今後も中国市場での持続的な競争力維持に向け、環境変化に応じた柔軟な戦略転換に注目が集まります。
リスクモンスターチャイナ「第2回中国日系企業の従業員数ランキング」の紹介でした。