JMDCとアレクシオンファーマが、難病患者が初期症状から確定診断を受けるまでの期間(診断ラグ)の実態と、その期間中に生じる負担について定量的に評価した調査結果を公表。
難病患者における診断までの期間の長期化や、それに伴う医療費、専門医療機関へのアクセス状況などの課題が浮き彫りとなっています。
JMDC・アレクシオンファーマ「難病患者の『診断ラグ』に関する実態調査」

公表時期:2025年
調査主体:JMDC、アレクシオンファーマ
調査内容:難病患者の「診断ラグ」に関する実態と負担の定量評価
難病は患者数が少なく症状が多様であるため診断が難しく、確定診断に至るまでに長い期間を要する「診断ラグ」が大きな課題。
JMDCとアレクシオンファーマが共同で実施した本調査では、診断ラグの実態に加え、患者や家族、社会全体の負担について詳細な分析が行われています。
診断ラグ期間は2014年度以降、年々長期化傾向にあることも判明しました。
診断ラグ期間

調査結果によると、診断ラグ期間は平均3.4年。
診断ラグが5年以上にわたる患者は全体の35%を占めており、多くの患者が確定診断までに長い年月を費やしている現状が明らかになっています。
診断ラグ期間中の医療費総計

診断ラグ期間が長い患者ほど、医療費が高く、通院日数や罹患疾病数も多い傾向。
診断ラグ1年未満群と9年以上群の診断ラグ期間中の医療費の差は、1人あたり551万円にも上ります。
専門医からは、症状悪化や合併症併発の抑制には早期診断と治療が重要との見解が示されています。
専門医療機関アクセスまでの期間

診断ラグが長い患者ほど、難病診療連携拠点病院などの専門医療機関へのアクセスが遅いことも判明。
特に診断ラグ9年以上の群では、初期症状から専門医療機関への受診までに約8.2年かかっています。
非専門医と専門医との連携体制整備の重要性が示唆される結果です。
今回の調査により、難病診断の遅れが患者の負担増だけでなく、医療費の増大にもつながっている実態が明らかに。
データとICTの力を活用した早期診断・早期治療への貢献や、治療環境整備に向けた今後の取り組みに注目です。
JMDC「難病患者の『診断ラグ』に関する実態調査」の紹介でした。