コープ共済連(日本コープ共済生活協同組合連合会)は、CO・OP共済加入者を対象に実施した「老後の生活資金や不安に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
回答者の約9割が「老後のお金に不安」を感じている一方で、約6割が「備えようとしてもできていない」という切実な実態が明らかになりました。
コープ共済連「老後のお金とくらしに関する調査」

調査主体:日本コープ共済生活協同組合連合会
調査時期:2025年8月20日~25日
調査対象:全国のCO・OP共済加入者 5,094名
2026年夏に発行予定の『生協のくらしの困りごとヒント集(老後のお金とくらし編)』の制作に向けて実施された本調査。
「ご自身の老後資金・生活資金に不安を感じますか?」という問いに対し、全体の89.2%が「不安」と回答しました。この傾向は特定の世代に限ったものではなく、全世代を通じて非常に高い水準で将来への不安が広がっていることを示しています。
「備えたいが、できない」切実な理由

注目すべきは、意識と行動のギャップです。
全体の56.2%が「備えの必要性は感じているものの、実際には備えられていない」と回答しました。その最大の障壁となっているのが「家計の厳しさ」です。
家計状況が厳しいと回答した層に限ると、実に82.3%が「意識はしているが備えられていない」という状態にあります。「日々の生活で精一杯」「子どもの教育費がかかる」といった現実的な課題が、将来への備えを阻んでいる現状が浮き彫りとなりました。
年代で変化する「不安の正体」

同じ「老後のお金への不安」でも、その中身はライフステージによって異なります。
20代から50代の現役世代では「年金の受給額」への不安が最も多く挙げられました。「年金だけで生活できるか」という制度や将来そのものへの不透明感が背景にあるようです。
一方、60代や70代になると「医療費・介護費」への不安がトップになります。自身の健康状態がリアルな課題として迫ってくる世代ならではの悩みと言えます。
お金だけではない「老後の困りごと」

金銭面以外でも、老後の暮らしには多様な不安が存在します。
全体では「仕事を続けられるか(46.1%)」や「お金・財産の管理(36.3%)」が上位に挙がりましたが、ここでも属性による違いが見られます。
未婚者や配偶者との死別を経験した層では「一人で暮らすこと」への不安が強く、既婚者では「生きがい」への関心が高いなど、家族構成や環境によって「困りごと」の形は様々です。
くらしのヒント集を公開中

コープ共済連では、こうした組合員のリアルな声を受け止め、くらしの困りごと解決に向けた情報提供を行っています。
現在、公式サイトでは『生協のくらしの困りごとヒント集(介護編)』を公開中。今回の調査結果を反映した「老後のお金とくらし編」も2026年夏の発行が予定されています。
将来への不安を少しでも解消するために。
コープ共済連「老後のお金とくらしに関する調査」結果の紹介でした。